「うつ病になったら大学はどうするべき?」
「休学したほうがいいの?それとも退学?」
「大学を休学したら単位はどうなるんだろう」
大学在学中にうつ病と診断されたら、これからの大学生活をどうするか悩むでしょう。
大学在学中にうつ病になると、通院しながら大学に通う・休学する・退学するこの3つの選択肢があります。この記事では、それぞれのメリット・デメリットや気をつける点について詳しく解説しています。
これからの大学生活をどうするのか考える参考にしてくださいね。
大学在学中にうつ病になった場合の3つの選択肢
大学在学中にうつ病になると、大学をどうするのかはとても重要な問題です。
あなたに合った選択をすることで、精神的な負担を軽くしてうつ病の治療に専念できるでしょう。大学在学中にうつ病になった場合は下記の3つの選択肢があります。
それぞれ詳しく解説します。
うつ病で通院しながら大学に通う
大学在学中にうつ病になった場合、症状が軽度であれば通院しながら大学に通うことも可能です。
通院しながら大学に通うメリット・デメリットは以下が挙げられます。[1]
- メリット
- ・学業への影響が少ない
・大学の学生相談室やカウンセリングセンターを活用することで、自分に合った大学生活をカウンセラーと一緒に考えることができる
・必要に応じて授業や課題の調整を行うことで、無理なく学業を続けることができる
- デメリット
- ・大学生活が負担になっている場合は、継続して通うことで症状が悪化する恐れがある
・通院が面倒になり、自己中断して症状が悪化するケースがある
・うつ病の症状で朝の不調があるため、午前の講義へ出席が難しいことがある
大学に通いながら治療を続ける場合は、学内で体調が悪くなったときのために、事前に以下の2つを把握しておきましょう。
- 休憩できる場所の確保
- 体調不良につて相談できる校医や教員
通院しながら大学に通っていても「最近なんだかつらいな…」と思ったら、無理をせずに休学することも考えることも大切です。
今後どうするかについては、あなた一人で考えなくて大丈夫です。主治医・家族・大学のカウンセラーなどに相談しながら、どうすることが今のあなたに適しているのかを考えましょう。
大切な選択なので、周りの人の意見を聞くことも大切です。
うつ病で大学を休学する
うつ病の症状が中度〜重度の場合は、休学することも選択肢の1つです。休学期間中に、カウンセリングや薬物療法を受けながら心身の回復に集中できます。
休学するメリット・デメリットは以下が挙げられます。[1]
- メリット
- ・学業から一時的に離れ、治療に専念できる
・まずは休学してみて復学が難しそうと思ったら退学もできる
- デメリット
- ・休んだ分の学業が遅れる
・休学には診断書が必要なことが多い
・復学には主治医の許可が必要
・大学が定めた最長休学期間を気にしながらの治療になる
・学内での友達や知人が少なくなり、履修や課題、試験に関する情報が得にくくなる
大学に戻ってくることを前提として、治療に集中したいなら休学を選択するとよいでしょう。ただし、休学前には以下のことを確認してください。
- 休学手続きの方法
- 休学中の学費について
- 休学中の単位の取り扱い
- 復学手続きの方法
今後の流れを把握しておくことで、安心して治療に専念できます。
休学期間中の学費については、授業料はかからないが在籍料がかかるなど大学によって対応が異なります。
また、体調を崩さずに復学するためのポイントは、段階的に時間をかけて大学生活に戻ることです。[1]主治医の許可が出たからといって完治したわけではありません。その後も、無理なく通いながら通院する必要があるのです。
うつ病で大学を退学する
うつ病の症状が非常に重く、長期間にわたる治療が必要な場合は、退学することも一つの選択肢です。退学するメリット・デメリットは以下が挙げられます。
- メリット
- ・長期的に治療に専念できる
・環境を変えることができる
・退学後も、治療を続けながら再入学を考えることができる
- デメリット
- ・がんばって入学した大学を辞めることになる
・最終学歴が高卒になる
退学を決めることは簡単なことではありません。最初から退学を選ばずに、まずは休学してみることも大切です。家族や信頼できる友達、主治医やカウンセラーと十分に話し合い、最適な選択をするようにしましょう。
うつ病で大学を休学した場合の単位について
うつ病で休学した場合の単位の扱いについては、大学ごとに異なります。
一般的には、休学前までに履修が完了している単位は残りますが、休学期間中に取得予定だった単位は無効となります。そのため、復学後に再度履修する必要があります。
休学を考えるときには、事前に大学の教務課や学生支援センターで詳しい情報を確認し、単位の扱いについて理解しておくことが大切です。これにより、復学後の学業計画をスムーズに進めることができるでしょう。
どの選択をしても、今後の生活について大学側に相談してみましょう。
大学の友達にカミングアウトするべきか
大学在学中にうつ病になったことを、友達に伝えるべきなのか悩むかと思います。
1人でも自分の症状や体調を気にかけてくれる友達がいると心強いものです。もし友達が「最近体調悪そうだけどどうしたの?」と気にかけてくれたら、信頼できる仲の良い友達であればカミングアウトしてもよいでしょう。
ただし、相談された友達は「なんて声かけたらいいのかな」「相談されたけど…どうしよう」と悩んでしまうこともあります。[2]
また、今はSNSで簡単に情報が拡散される時代です。友達が本当に内緒にしてくれているとは限りません。心配な場合は、確実に秘密を守ってくれる家族や学生相談室(カウンセリングルーム)の先生や心の専門家に悩みを相談するとよいでしょう。
おおかみこころのクリニックは365日24時間LINEで予約ができます。お気軽にご相談ください。
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まとめ
大学在学中にうつ病になると、大学をどうするのか決めることはとても重要です。
通院しながら大学に通う・休学する・退学するという3つの選択肢があります。どの選択をしても、1番大切なのはあなたの心の健康を保つことです。
『まずは通学しながら治療をして、無理なら休学をしてみる』と段階的にその時の状況で判断しても大丈夫ですよ。
大学内には、学生相談室・カウンセリングセンター・学生支援センターなど、相談できる場所があります。積極的に活用して、適切なサポートを受けながら、うつ病と向き合い無理のない範囲で学業を続けることが大切です。
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【参考文献】
[1]精神障害 学習支援|独立行政法人 日本学生支援機構
https://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/shogai_infomation/shien_guide/seisin_bamen/gakushu.html
[2]困っている友達の助けになる|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/friend/help/help_01.html
- この記事の執筆者
- 柚木ハル
作業療法士。精神科16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。