カサンドラ症候群の診断テスト!症状とならないための対処法8つを紹介




カサンドラ症候群は、身近にいる人が自閉スペクトラム症(ASD)であるため、人間関係を築けず、その結果心身の症状があらわれることを指します。

ストレスや悩みを誰にも理解されず、ひとりで悩んでいませんか。

この記事では、カサンドラ症候群の診断テスト症状を解説します。ASDのパートナーとの関係性に悩んでいるあなたの不安を解消する一助となれば幸いです。

カサンドラ症候群の診断テスト

ここでは、カサンドラ症候群の診断テストを用意しました。以下10個の項目にそれぞれ回答してください。

項目点数
1精神的に疲れたと感じている1・2・3・4・5
2パートナーへの違和感を周りに言っても理解してもらえず辛い1・2・3・4・5
3子育ての相談を聞いてもらえず寂しくなる1・2・3・4・5
4眠れない・頭が痛い・食欲がないなどの症状がある1・2・3・4・5
5パートナーとうまくコミュニケーションがとれない1・2・3・4・5
6パートナーと一緒にいることがストレスに感じる1・2・3・4・5
7共感してもらえないことに絶望を感じる1・2・3・4・5
8自分に自信がなくなっている1・2・3・4・5
9パートナーとの衝突を避けるために顔色を伺うことがある1・2・3・4・5
10パートナー以外との人間関係もうまくいかない1・2・3・4・5

1:全くそうは思わない、2:あまり思わない、3:どちらでもない、4:ややそう思う、5:非常のそう思う

該当する項目が多い方は、カサンドラ症候群である可能性が高いです。

ただし、このチェックリストでは正確な診断はできません。あくまで目安として、自分の症状をチェックしてみてください。

気になる症状や悩みがある方は、すぐに医師に相談しましょう。

カサンドラ症候群の症状

カサンドラ症候群の症状は以下の2つです。

心身の症状により日常生活に支障をきたす場合もあります。

カサンドラ症候群の心の症状

カサンドラ症候群であらわれやすい心の症状は、以下のとおりです。[1]

  • 不安
  • 孤独感
  • パニック
  • 無気力感
  • 抑うつ状態
  • 低い自己肯定感

カサンドラ症候群の人は、精神的なストレスを強く感じることから、うつ病や不安障害などの心の病気を発症する可能性があります。[1]

カサンドラ症候群の身体の症状

カサンドラ症候群であらわれる身体の症状は、以下のとおりです。[1]

  • 頭痛
  • 不眠
  • 動悸
  • 倦怠感
  • 肩こり
  • めまい
  • 体重増加または減少

ASDであるパートナーの症状の程度により、これらの身体の症状も変わります。とくに、ストレスを強く感じているときには、身体に深刻な不調をきたす可能性があります。

こころちゃん
こころちゃん

身体の不調が心の不調につながることもあります💦

カサンドラ症候群の原因

カサンドラ症候群の原因は、ASDのパートナーとうまくコミュニケーションがとれず、家族や友人にその苦しみを理解されないことです。

ASDの人には、以下の特徴があります。[2]

  • こだわりが強い
  • 会話が成り立たない
  • 自分なりのルールがある
  • 相手の気持ちを察することが苦手

一緒に生活していると、これらのASDの特性に不満や不安を感じることがあります。

さらに、ストレスを解消できず支援が不十分な状況では、精神的な負担が溜まりやすくなります。ASDの特徴を理解することが、ASDのパートナーと良い関係を築くうえで重要と言えるでしょう。

カサンドラ症候群になりやすい人の特徴

カサンドラ症候群になりやすい人には、以下の特徴があります。

  • 我慢強い
  • 責任感が強い
  • 面倒見が良い
  • 自己的批判
  • ストレス発散が苦手

これらの特徴を持つ人は、ASDのパートナーの言動や行動を「自分のせいだ」「自分の言い方が悪かった」と感じやすいです。

その結果、ストレスを感じ続けることでカサンドラ症候群を発症する場合もあります。

こころちゃん
こころちゃん

自分を責めてしまうんですね…

カサンドラ症候群にならないための8つの対処法

ここでは、カサンドラ症候群にならないための対処法を紹介します。

それぞれの対処法を知って、日常生活に取り入れましょう。

ASDの特性を理解する

カサンドラ症候群になる原因のひとつは、ASDのパートナーとの関係性です。[1]

そのため、まずはASDの特性を知っておくことが重要です。これにより、パートナーの行動や言動の背景、相手の得意なことや苦手なことを理解できるようになります。

相手の目線を持つことで、ASDのパートナーの行動から来るストレスを和らげられるでしょう。

こころちゃん
こころちゃん

特性を理解することで相手の苦手や得意を知ることができますね!

定期的に運動する

カサンドラ症候群になりにくい人の特徴は、定期的に運動をおこなっていることです。

たとえば、以下のような有酸素運動を取り入れることで、ストレスを解消し心の症状が軽減される場合があります。[3]

  • ラジオ体操
  • 20分程度のランニング
  • 近所の公園までサイクリング

運動のハードルが高いと感じる方は、すぐにできることから始めてみましょう。椅子に座ったままの体操や家の周りでできるウォーキング(10分程度)などがおすすめです。[3]

コミュニケーションスキルを身につける

相手の特性に合わせたコミュニケーションスキルを身につけることで、カサンドラ症候群になりにくくなります。

良いコミュニケーションを取れることで、ストレスを感じにくくなるからです。

たとえば、自分が思ったことや感じたことなどを具体的にパートナーに伝えたり、会話の中でジェスチャーを入れたりします。

パートナーとの意思疎通がスムーズになると、ストレスを抱え込むことが少なくなりますよ。

家族や友人に悩みを打ち明ける

カサンドラ症候群の方は、周りの人から理解されず孤独を感じやすいです。

この孤独感が、心や身体の症状を悪化させる可能性があります。

ひとりで抱え込まずに、信頼できる家族や友人に打ち明けて悩みを理解してもらうことが重要です。

パートナーとの生活上のルールを明らかにする

ASDのパートナーとは、生活上のルールについて話し合うことが重要です。

たとえば、以下のようなルールを決めると良いでしょう。

  • 習い事の送迎は◯◯がする
  • 平日の買い出しは◯◯がする
  • 休日の子どもの遊び相手は◯◯がする

ASDの特性がある方は、目的がわからないことは行動したがらない傾向があります。

さらにカサンドラ症候群になりやすい方は面倒見が良く、我慢強い特徴があります。そのため、パートナーに干渉し過ぎたり、相手に無理して合わせようとしたりします。

お互いが納得のいく生活上のルールを決めることで暮らしやすくなるでしょう。

パートナーと距離を置くことを頭に入れておく

カサンドラ症候群は、ASDのパートナーとのコミュニケーションがうまくいかないことがきっかけで発症する場合もあります。

さまざまな対処方法を試みても解決できないときは、一時的にASDのパートナーと距離をとることを頭の片隅に置いてみましょう。

ただし、距離を置いても症状が改善できないと感じたりパートナーとの関係の修復が難しいと考えたりするときは別れを選んだほうがいいのかもしれません。

距離感については、ASDのパートナーとよく話し合って決めましょう。

こころちゃん
こころちゃん

適度な距離感は人付き合いで大切です。

カサンドラ症候群の当事者会に参加する

カサンドラ症候群の当事者会は、悩みを共有し、相談できる貴重な場です。

同じ経験をした人々と交流することで、周囲の理解不足に対する不安や孤独感を和らげられますよ。

当事者会は、精神的な支えやアドバイスを得る場としても活用できます。メンバー同士がお互いの体験を知ることで、回復に向けて支え合えるでしょう。

発達障害者支援センターに相談する

発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見や早期支援を目的とした施設です。[4]ここでは、発達障害である本人だけではなく、その家族も無料で利用できます。

たとえば、パートナーとの生活で困っていることやASDの方との接し方について相談できます。

パートナーが自分の問題を自覚しているケースでは、一緒に相談することで問題解決がスムーズになることがあります。

ただし、ASDの診断が確定していない場合、無理に診断を求めることは関係性を悪化させる恐れがあるため、慎重に対応してください。

カサンドラ症候群の治療方法

カサンドラ症候群の治療は心療内科や精神科、神経内科でおこないます。

おもな治療方法は、あらわれている症状に対する対症療法です。

たとえば、抑うつ状態や気分が落ち込んでいる場合には、薬物療法や認知行動療法で治療します。頭痛やめまいなどの症状があるときは、休息を促したり薬物療法をおこなったりします。

とくに、発達障害を専門とするクリニックでは、ASDのパートナーとの関わり方も学ぶことができるでしょう。

まとめ

カサンドラ症候群は、ASDのパートナーとのコミュニケーションがうまくいかず、心身に不調があらわれる状態です。

まずは、今回紹介したカサンドラ症候群の診断テストで、自分の状態をチェックしてみてください。

おおかみこころのクリニックには、心の病気の治療実績が豊富な医師が在籍しています。カサンドラ症候群のつらさを抱えている方は、ひとりで抱え込まずにぜひ一度ご相談ください。

【参考サイト】
[1]発達障害と人間関係 カサンドラ症候群にならないために|宮尾益知
https://amzn.asia/d/04OxHQsx

[2]ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について|e-ヘルスネット 厚生労働省

[3]体を動かす|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html

[4]発達障害者支援施策の概要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hattatsu/gaiyo.html

この記事の編集者
西川正太
看護師、保健師、保育士。 2009年大学を卒業後、大学病院や総合病院で勤務経験あり。現在はフリーライターとして医療を中心に執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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