自律神経失調症が治ったきっかけの作り方|セルフチェックと体験談




自律神経失調症と診断されたものの、2年も3年も症状が続くと不安になるものです。

自律神経が乱れる主な原因はストレスや生活習慣とされていますが、症状や治るまでの期間は人によって大きく違います。

ストレスから離れることは簡単ではありませんが、どこにストレスを感じているのか自分で気づくことが自律神経失調症を克服するきっかけになるでしょう。

この記事では、自律神経失調症が治ったきっかけの作り方や、体験談を紹介しています。

本当に自律神経失調症なのか確認するためのセルフチェックリストも用意していますので、自律神経失調症と向き合うきっかけになれば幸いです。

自律神経失調症がどれくらいで治るのかについては、以下の記事をご覧ください。

自律神経失調症が治ったきっかけ

自律神経失調症は医学的な病名ではなく、自律神経の乱れによって生じる症状をまとめて表現した言葉です。[1]

自律神経の乱れは検査で数値を確認できるわけではないため、あなた自身が原因を理解することが大切になります。

まずは、診断されたときの生活と今の生活を振り返り、何が変わったのか考えてみましょう。

どの場面でストレスを感じるのかを意識することで、自律神経失調症を治すきっかけが見つかるかもしれません。

診断されたときに感じていたストレスと、今のストレスを比べてみてください。

具体的には以下のような場面です。

  • 昼夜逆転の生活
  • 職場に苦手な人がいる
  • 仕事が忙しく休む暇がない
  • 夜更かしをして寝不足の生活
  • 仕事で大きなトラブルがあった
  • 友人関係のトラブルに巻き込まれる

今もずっと感じているストレスはないか、新しく感じているストレスはないか向き合ってみましょう。

あなた自身がストレスに気づくことで、治るきっかけを作ることができるのです。

こころちゃん
こころちゃん

自分の体調と向き合う時間を作ることも大切です

自律神経失調症セルフチェック

なかなか治らないと「自律神経失調症以外の病気かもしれない」と不安になることもあるでしょう。そんなときは、まず自分のストレスレベルを確認してみることが大切です。

以下のセルフチェックで、今の自分の状態を見つめ直してみましょう。[1]

今の症状にどれくらい当てはまるか、チェックしてみてくださいね。

【からだのチェック】
▢ よく頭痛がする、頭が重い
▢ よく肩がこる
▢ 腰が痛い
▢ のどが詰まる感じがする
▢ 手足が震える
▢ 胸が圧迫されているようで苦しい
▢ めまいがする
▢ 全身がだるい感じがする
▢ 手足がしびれる
▢ 下痢や便秘になりやすい

【心のチェック】
▢ これから先の自信がない
▢ 朝、早く目が覚める
▢ なんとなく不安でイライラする
▢ 物事がなかなか決断できない
▢ 集中力がなくなる
▢ 朝、気分がすっきりしない
▢ 根気が続かない
▢ 仕事にとりかかる気分になれない
▢ 人に気軽に会えない
▢ ふと死にたくなる

10個以上の人は要治療。かかりつけ医に相談し、適切な治療を受けてください。
5~9個の人も要注意。ストレス対策をし、規則的な生活を心掛けましょう。
5個未満の人でも、気掛かりなことがあれば、かかりつけ医に相談しましょう。
引用文献:019.pdf (japha.jp)

ストレスチェックの他にも、自律神経の乱れを計測できるアプリもあります。参考程度に使ってみるのも良いでしょう。詳しくは下記の記事をご覧ください。

セルフチェックに当てはまったからといって、必ず自律神経失調症という訳ではありません。

なかなか治らずに悩んでいることを主治医に相談しましょう。もし、診断結果に納得できないときは、他のメンタルクリニックを受診してみるのもひとつの手です。

おおかみこころのクリニックは、あなたの不安を取り除くお手伝いをします。まずは、お気軽にご相談ください。

自律神経失調症が治ったきっかけの作り方

自律神経失調症を治すきっかけを作るには、あなたがどこでストレスを感じているのかに気づくことです。

人は自分でも気づかないうちにストレスを感じていることが多くあります。

今まで築き上げた人付き合いの習慣や無意識に考え込んでしまうクセに気づく方法は、以下の3つです。

それぞれ解説します。

人間観察をする

あなたのまわりに人付き合いが上手な人はいませんか?

「あんな風になれたらいいのに」と思う人をよく観察してみましょう。

人付き合いが上手な人は、うまくストレス状況を避ける方法をもっていることが多いです。

観察して自分の行動と比べることで、苦手だったことや違いに気づくきかっけになるでしょう。

具体的には以下のことを観察してみてください。

  • 表情
  • 相槌の打ち方
  • 人と話しているときの視線
  • 話しているときの身振り手振り
  • 自分のことをどのくらい話しているのか

実際に観察したあとは家で鏡を見ながらマネをしてみましょう。

人とのかかわりが上手な人のマネをすることで、人間関係でのストレスを軽くするきっかけを作ることができるのです。

コミュニケーションが苦手な人は、以下の記事を参考にして会話力トレーニングをしてみるのもよいでしょう。合わせてご覧ください。

人に相談する

ひとりで考えているとマイナス思考のループに入ってしまい解決が難しくなります。人に相談することで、自分では思いつかないことに気づくきっかけになります

信頼できる身近な人がいない場合は、わたしたち専門家をたよってください。

ぐるぐるとマイナス思考になってしまうときは、下記の記事も参考にしてくださいね。

自律神経失調症はさまざまな症状が現れるため、大きな病院よりも気軽に通院できる、かかりつけ医をたよる方がよいでしょう。[1]主治医と信頼関係を築きなんでも相談できるようになると、適切なアドバイスがもらえ、あなたがどこにストレスを感じているのか気づくきっかけになるのです。

認知行動療法をする

自律神経失調症の要因となるストレスは、ものの捉え方によって変えることができます。

認知行動療法とは、自分の認識に働きかけ気持ちを楽にする心理療法のひとつです。[2]

ものの捉え方や考え方は十人十色でみんな違います。今の捉え方で自分が苦しくなるのなら、変える必要があるでしょう。

具体的には、下記のように認知に働きかけものの捉え方を変えていきます。

Aさんは仕事で度々ミスをしてしまい自信をなくしています。

「自分はダメな人間だ。また次も失敗するかもしれない」と思うと、ストレスがたまり仕事がうまくいきません。
「自分はダメな人間だ。また次も失敗する」と考えてしまう認知に働きかけます。
「本当に次も失敗するのか?」「今まですべて失敗してきたのか?」と問いかけてみましょう。

「今はミスが続く時期なのかもしれない」
「もし失敗しても、そこからどう修正していくのか」
「あそこを工夫したら失敗は回避できたかもしれない」
このように失敗の原因を分析し、改善策を考えることで、同じようなことがあったときに対処できるようになるのです。

日記やメモなどに悩みやストレスを書き出すことで、客観的に物事を捉えやすくなるでしょう。認知行動療法は自分でもできます。
以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

自律神経失調症の体験談

ここでは自律神経失調症が治った人の体験談を見てみましょう。[3]

仕事のプレッシャーで、めまいや腹痛、動悸などの身体的な症状が現れ、会社に行くことも難しくなることが多くなりました。

病院で「自律神経失調症」と診断されたものの会社には言えず、無理をして仕事を続けていましたが、やがて症状が悪化してしまいます。

最終的には休職を余儀なくされ、昼夜逆転や食欲不振、不安感が続く日々が続きました。

薬の効果や会社からの定期的な連絡が支えとなり、少しずつ眠れるようになり、食欲も戻り始めます。

どんな状況が自分にとって不安やストレスになるのかを理解することで、リラックスする方法を身につけ、仕事への復帰を考えるまでに回復できるようになりました。

この体験談によると、無理をせずに自分のリラックスできる方法を身につけることが大切だとわかります。治療には時間が必要ですが、焦らずに前向きに過ごすことがポイントです。

まとめ

自律神経失調症を治すきっかけは、自分のストレスに気づくことです。

忙しい日々の中で少し立ち止まり、自分自身と向き合ってみましょう。

この記事で紹介したセルフチェックや認知行動療法、人に相談するなどの方法を活用し、あなたに合ったリラックス方法を見つけることが、自律神経を整えるポイントとなります。

焦らず、あなたのペースで取り組むことで、健康で快適な生活を取り戻してくださいね。

なにから始めたらよいのか悩んだときは、おおかみこころのクリニックにお気軽にご相談ください。一緒にどこにストレスを感じているのか考えていきましょう。

【参考文献】
[1]自律神経失調症|日本内科学会
https://www.japha.jp/doc/byoki/019.pdf

[2]認知行動療法とは|認知行動療法センター
https://cbt.ncnp.go.jp/contents/about.php

[3]自律神経失調症と私|こころの耳 厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/over/876/

この記事の執筆者
柚木ハル
作業療法士。精神科16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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