自律神経失調症は寝ると治る?自律神経を整えよく眠る3つの方法とは







自律神経失調症は寝ると治りますか?

浅田先生
浅田先生

睡眠は1日の疲れやストレスを取り除く効果があるから、寝ることは大事だよ。

でも、自律神経失調症の人は睡眠に問題を抱えていることが多いんだ!

よく眠れた日は身体がスッキリして、調子がよいと感じるのではないでしょうか。

それは睡眠に日中の疲れやストレスを取り、心身のバランスを整える効果があるためです。

自律神経失調症になると睡眠に問題が生じやすくなるため「疲れているのに眠れない」「寝ても疲れがとれない」と感じやすくなります。

そこで今回は、自律神経失調症と睡眠の関係や、自律神経のバランスを整えよく眠る方法について解説します。

自律神経を乱す悪い習慣についても解説しているため、自分が当てはまっていないかチェックしてくださいね。

この記事があなたの睡眠を振り返るきっかけになり、よく寝て心身をスッキリさせる毎日につながる一歩になれば幸いです。

自律神経が整っているときの睡眠効果

寝ると身体の調子が回復するのは、睡眠に以下のような効果があるためです。

  • 免疫力やストレス耐性を高める
  • 1日の疲労やストレスをリセットする
  • 起きている間に入ってきた情報を整理する

これらの効果は、自律神経(身体を活動させる交感神経と休ませる副交感神経)がバランスよく働いている状態で感じられます。

そのため通常は日中に身体の不調を感じていても、睡眠により不調がリセットされ「寝ると治る」と感じるのです。[1]

ただ、自律神経失調症のように自律神経のバランスが乱れている状態では、睡眠の効果を感じられず身体の不調は回復しません。

強いストレスを放置すると自律神経失調症になるリスクが高まり、寝ても身体が回復しなくなるため早めに医療機関に相談しましょう。

こころちゃん
こころちゃん

身体がリセットされるからスッキリ目覚めることができるのです

自律神経失調症は睡眠に影響が出やすい

自律神経失調症で睡眠に影響が出やすいのは、交感神経と副交感神経のバランスが乱れるためです。

私たちの身体は日中に交感神経が働き、活動的になるため眠気が覚めます。そして夕方が近づくと副交感神経が働き始め、リラックスして眠気を感じるのです。

自律神経失調症になるとこのリズムが乱れて夜になっても交感神経が働き続けるため、眠気を感じることができません。

眠れたとしても浅い眠りが多くなり、夜間に何度も目が覚めてしまうため、寝ても疲れが取れない状態になるのです。[1]

眠れない状態が続くとうつ病や双極性障害など心の病のリスクが高まるため、早めにストレスを見直す必要があります。

寝ても疲れが取れないことにお悩みの方は、こちらの記事を参考にしてください。

自律神経のバランスを整えよく寝る方法

自律神経のバランスを整えよく寝る方法は以下のとおりです。

それぞれ解説します。

寝る準備を整える

以下のように、寝る準備を整えてから眠る習慣をつけましょう。

  • 決まった時間に布団に入る
  • テレビやPC、スマホの電源を切る
  • マッサージやストレッチで身体をほぐす

毎日同じ習慣をくり返すことで、心と身体が入眠モードに切り替わりやすくなります。

「これから寝るよ」と心と身体に教えてあげるイメージで、寝る準備を整えましょう。

起床後に太陽の光を浴びる

起きたあとに太陽の光を浴びましょう。

朝7時までに起きて30分ほど太陽の光を浴び、日中も活動するのがおすすめです。

このリズムを10〜14日ほど続けると、規則正しいリズムが身体に身に付きます。[2]

どうしても日中に眠くなる方は、以下の方法で昼寝をしましょう。

  • 午後に眠くなるとき:15~20分昼寝する
  • 二度寝をしてしまうとき:一度太陽の光を浴びてから1時間ほど昼寝する

外に出るのが大変であれば、まずはカーテンを開けるだけでも構いません。

ムリのない範囲で少しずつ取り組んでいきましょう。

眠れないときは布団から出る

夜になかなか寝付けないときは、布団から出ましょう。

「明日も7時までに起きなきゃ!」「早く寝なきゃ!」と頑張ってしまうと、頭が緊張状態になり寝付けません。

眠れないまま布団に入っていると「横になる=眠れない」と脳が間違った学習をしてしまい、不眠につながりやすくなります。[2]

こころちゃん
こころちゃん

眠れないときは少し気分転換をした方がよいでしょう

なかなか眠れないときは一度布団から出て、以下の方法を試してください。

  • ストレッチする
  • ホットミルクを飲む
  • 不安なことをノートに書く

頭と心がリラックスしてから布団に戻ることで、副交感神経の活動が高まり眠りやすくなります。

寝る前にいろいろなことを考えすぎて眠れないとお悩みの方は、こちらを参考にしてください。

自律神経のバランスを乱す寝る前の悪い習慣

自律神経のバランスを乱す寝る前の悪い習慣として、以下3つが挙げられます。

それぞれ解説します。

寝酒をする

寝る前にお酒を飲むのは避けましょう。

お酒を飲むと眠くなりますが、飲みすぎると眠りが浅くなったりアルコール依存症になったりする危険性があります。

最初は少量のお酒で眠れていても身体が少しずつお酒に慣れてしまい、多くの量を飲まないと眠れなくなるため、身体に悪影響が出やすくなるのです。

多量の飲酒が習慣化すると、お酒を飲まないと離脱症状(飲みたい気持ちを抑えられなかったり、集中力が低下したりすること)が現れるため、簡単にやめられなくなります。

寝つきが悪いときは寝酒をするのではなく「自律神経のバランスを整えよく寝る方法」を参考に、自分に合った方法を探してみましょう。

寝だめをする

寝だめ(平日の睡眠不足を取り戻すために、休日に長く眠ること)をするのはやめましょう。

休日の起床時間が大きく遅れると体内時計がずれて、自律神経のバランスが乱れてしまいます。[3]

寝だめによる心身への悪影響は以下のとおりです。

  • 免疫力の低下
  • 注意力・記憶力の低下
  • 気分障害(うつ病や双極性障害など)のリスクの増加

休日に2 時間以上の寝だめをしないと身体がもたないときは、平日の睡眠が不足しているサインです。

仕事の都合でどうしても平日の睡眠時間が短くなってしまう方は、休日の寝だめは「平日の睡眠時間+1 時間」程度にしましょう。[4]

こころちゃん
こころちゃん

ついつい寝すぎちゃうのには気をつけてくださいね

眠れないつらさを我慢する

眠れないつらさを我慢すると、以下のような悪影響があります。

  • 日中の集中力が低下する
  • 朝方に眠くなって仕事に遅刻する
  • 「今日も眠れなかったらどうしよう」と不安になる

このようなストレスが重なると自律神経のバランスが乱れて、夜の不眠がさらにひどくなってしまいます。

眠れなくてつらいときは医療機関に相談し、睡眠薬にたよるのもよいでしょう。夜眠れなくて困っている方は、気軽におおかみこころのクリニックにご相談ください。

自律神経失調症が疑われる睡眠のサインはありますか?

自律神経失調症で現れる睡眠のサインは、以下のとおりです。

  • いつも眠い
  • 寝つきが悪い
  • 熟睡できない
  • すぐに目が覚める
  • 疲れているのに眠れない

このようなサインがあると、睡眠不足により身体に疲れがたまってしまいます。

睡眠不足によりつらいときや、日常生活に支障が出ているときは病院を受診しましょう。

寝ても身体の不調が治らないときはどうすればよいですか?

寝ても身体の不調が治らないときは、病院を受診しましょう。

自律神経失調症になると交感神経と副交感神経のバランスが崩れるため「疲れているのに眠れない」「寝つきが悪い」などの症状が出て身体を休められません。

この記事で紹介した自律神経のバランスを整えよく寝る方法を試し、眠れないときは病院を受診しましょう。

病院を受診すべきか悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしてください。

疲れているのに眠れないとお悩みの方は、こちらの記事をご覧ください。

まとめ

身体の不調が寝ると治ると感じるのは、睡眠に以下のような効果があるためです。

  • 免疫力やストレス耐性を高める
  • 1日の疲労やストレスをリセットする
  • 起きている間に入ってきた情報を整理する

ただ、自律神経失調症になると睡眠の質が低下し、寝ても疲れがとれない状態になってしまいます。

自律神経のバランスを整えよく眠るためには、以下の方法が効果的です。

  • 寝る準備を整える
  • 起床後に太陽の光を浴びる
  • 眠れないときは布団から出る

眠れないことにつらさを感じていたり「夜が来るのが怖い」と不安になってしまうときは、気軽におおかみこころのクリニックにご相談ください。自律神経のバランスを整えてぐっすり眠れる方法を一緒に考えていきましょう。

【参考資料】
[1]働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-7.html

[2]自律神経失調症の治し方|福永伴子 ナツメ社

[3]厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド 2023(案)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

[4]厚生労働省|良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-sleep_a5.pdf?1706140800122

この記事の執筆者
とだ ゆず
メンタルヘルスの記事を中心に執筆する看護師・保健師ライター。 精神科勤務での患者さんとの関わりや自身のうつ病経験から「人の心についてもっと知りたい」と思い、上級心理カウンセラーの資格を取得。 エビデンスに基づいた読者の心に寄り添う記事を心がけている。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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