適応障害で休職を考えているものの、罪悪感に苦しんでいませんか?休むことへの後ろめたさや、周囲への申し訳なさは多くの人が経験します。しかし、休職は適応障害を回復させるための重要なステップです。
罪悪感に対処するためには「休んで申し訳ない」と思わず、気分転換をするようにしましょう。休職中は、自己理解を深めたり、心身をリラックスさせたりする時間をつくることが大切です。
この記事では、休職するときの罪悪感への対処法、休職中の過ごし方などについて解説します。あなたの心と体を大切にしながら、前向きに休養できるようになれば幸いです。
休職するときによくある罪悪感3パターン
適応障害で休職するときの罪悪感には、3つのパターンが考えられます。
- 周囲に負担をかけてしまう
- 昇進する機会を逃してしまう
- 仕事ができない人間だと感じる
周囲に負担をかけてしまうという罪悪感は、同僚の仕事量が増える申し訳なさから生じます。とくに、重要なプロジェクトの途中で休職するときに、この感情が強くなってしまうのです。
また、休職によって、昇進や昇給のチャンスを逃してしまうのではないかと焦ってしまいます。競争の激しい業界、成果主義の強い企業で働いている人が感じやすい罪悪感です。
さらに、自分は仕事ができない人間だという罪悪感は、自己評価の低さによって引き起こされます。
誰にでも罪悪感は起こりますが、悩みすぎは回復の妨げとなります。回復に向けて前向きに取り組んでいきましょう。
申し訳ないって思っちゃいますが、大切な時間なんです💦
もしかしたら、適応障害になりやすい人の傾向があるのかな?と思ったら下記の記事をご覧ください。
休職するときの罪悪感への対処法
適応障害で休職するとき、罪悪感への3つの対処法を紹介します。
罪悪感が和らぐと、回復に向けて前向きな気持ちを保てるようになります。それぞれの対処法を詳しく見ていきましょう。
気分転換の時間をつくる
適応障害での休職中、罪悪感に悩まされないようにするには、気分転換の時間をつくることが大切です。
気分転換には、ストレスや不安から離れ、心身をリフレッシュさせる効果があります。好きな音楽を聴いたり軽い運動をしたりすると、気分が変わります。[1]
自然の中で過ごす時間を作るのもよいでしょう。公園を散歩したり、植物の世話をしたりすると、心が落ち着いて前向きな気持ちになれます。気分転換の時間を意識的に作れば、罪悪感から少し距離を置くことができるのです。
リフレッシュしましょう!
休むことを悪いと思わない
適応障害で休職すると「休みは悪いことだ」と考えがちです。しかし、この考え方自体を見直してみてください。
休養は、心身の回復に必要なプロセスです。病気やケガで休むことが当たり前であるように、心の健康を取り戻すためにも休養が必要なのです。[2]
「休養は自分への投資である」と考え方を変えてみましょう。また、周囲の人に休職の必要性を理解してもらうために、適応障害について話すことも大切です。休みを肯定的に捉えれば、罪悪感を減らせるでしょう。
毎日できたことを記録する
適応障害での休職中は「何もできていない」と感じて、より罪悪感が強くなってしまいます。そのようなときは、毎日のできたことを記録する習慣をつけるとよいでしょう。
以下のように、その日にできたことをノートやスマホのアプリに記録してみてください。
- 10分間散歩した
- 朝きちんと起きられた
- 家族と会話を楽しんだ
記録すると自分の進歩が目に見えて、自己肯定感を高めるのに役立ちます。 記録を見返すときは「昨日よりもできてすごい」と肯定的な視点で見てみましょう。小さな成功や進歩を認めると、罪悪感が和らげ自信を育むことができます。
適応障害での休職中の過ごし方
適応障害で休職中の過ごし方には、3つの方法があります。
適応障害からの回復を助け、復職に向けての準備を整えられます。それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
自己理解を深める
適応障害での休職中は、自己理解を深めることが大切です。自分自身をよく知ると、ストレスの原因や対処法を見つけやすくなるのです。
自己理解を深める方法には、日記がおすすめです。日記をつけると、自分の感情や考えの変化がわかります。また、カウンセリングを受けることも効果的です。カウンセラーとの対話を通じて、自分の強みや価値観などを見つめ直せるようになります。
ストレスとなった場面や状況を書き出し、自分がどう感じたか分析することもよいでしょう。これは「コラム法」と呼ばれ、自分の考えや課題が明確になり、客観的な考え方を見つけられます。[3]
心身をリラックスさせる
適応障害からの回復には、心身のリラックスが欠かせません。ストレスで緊張した状態が続くと、回復が遅れる可能性があります。そのため、意識的にリラックスする時間を作りましょう。
リラックス方法はさまざまありますが、あなたに合った方法を見つけることが重要です。深呼吸やヨガ、瞑想などのリラクゼーション技法を試してみましょう。[4]また、入浴や音楽鑑賞なども効果的です。[5]
休養をするためには、時間を確保することが大切です。しかし、ダラダラして過ごすだけではなく、リラックスをしたり、趣味をしたりと積極的に過ごすことが休養につながります。自分に合ったリラックス方法を見つけ、毎日の生活に取り入れれば、心身を回復できるようになります。
リラックスできる方法を身につけておくと復職後にも役立ちます♪
毎朝同じ時間に起きる
適応障害で休職をすると、会社に出勤する必要がなくなるので、生活リズムが乱れがちです。毎朝同じ時間に起きて、生活リズムが乱れないように注意しましょう。
決まった時間に起きることで、体内時計が整い心身のバランスを保ちやすくなります。平日は午前7時、休日は午前8時となるべく一定の時間に起きる習慣をつけましょう。休日に寝だめをしようとして起きる時間が大きく遅れると、体内時計が混乱し、時差がある国への海外旅⾏と同じくらいの時差ボケが生じるとされています。[6]
とくに、起床後すぐに太陽の光を浴びるようにしましょう。体内時計がリセットされて、一日のリズムが整いやすくなります。[6]規則正しい生活リズムは、心の安定にもつながり、適応障害からの回復に効果的です。
会社に休職を伝えるときのポイント
適応障害で休職するとき、会社にどう伝えたらよいか悩むでしょう。上司や人事に適切に状況を説明し、理解を得ることが大切です。
会社に休職を伝えるときは、以下の3つのポイントをおさえましょう。
- 医師の診断書を用意する
- 具体的な症状と休養の必要性を説明する
- 復職に向けての見通しを伝える
医師の診断書を用意することは、休職の正当性を示す上で重要です。そして具体的な症状と休養の必要性を説明して、会社側の理解を得ましょう。わかる範囲で復職に向けての見通しを伝えておくと、会社側も復職に向けた準備がしやすくなります。
必要に応じて、人事や産業医のサポートを受けることも検討してみてください。
まとめ
適応障害での休職は、心身の回復のために必要なプロセスです。休職中の罪悪感は多くの人が経験するものですが、罪悪感を感じすぎないことが回復への近道となります。
適応障害からの回復には時間がかかりますが、休養とセルフケアにより、改善につながります。自分のペースを大切にしながら、焦らず回復に向けて取り組んでいきましょう。
また、ひとりで抱え込まずに、医療機関や信頼できる人々のサポートを受けることも重要です。おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療も受け付けています。自宅にいながら受診をしたいという人は、お気軽にお問い合わせください。
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【参考文献】
[1]体を動かす|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
[2]休養・こころの健康|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html
[3]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf
[4]リラクゼーション法|厚生労働省eJIM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/11.html
[5]音楽を聞いたり、歌を歌おう|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_05.html
[6]健康づくりのための睡眠ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf