【例文あり】適応障害で休職する際の正しい伝え方マニュアル




適応障害と診断されて休職することになりました。
だけど…上司や同僚になんて伝えたらよいのかわかりません。差し障りなく、今後がスムーズに進むように伝えるにはどうしたらよいですか?

浅田先生
浅田先生

休職を伝えるのに大きなストレスを感じる人は多いんだ。伝えるタイミングと素直さが大切だよ!記事の中で説明するね。

適応障害による休職の報告は、大きなストレスです。

上司や同僚にどう伝えたらよいのか悩みますよね。

休職する際は、正しいタイミングと方法を守って伝えることで、相手に誤解を与えずにスムーズに話しが進めやすくなるでしょう。

この記事では、伝えるタイミングポイント具体的な伝え方について解説します。

直接電話メールと場面別での伝え方の例文も紹介していますので、休職を伝える際の参考にしてくださいね。 

休職することへの罪悪感については、下記の記事で詳しく紹介しています。合わせてご覧ください。

適応障害で休職を伝えるポイント

適応障害で休職を伝えるには「正直さ」と「誠意をもって、自分の状態を説明する」ことが大切です。

休職後の手続きについても触れることで、上司がスムーズに対応しやすくなります。

休職を伝えるポイントは下記のとおりです。[1]

  • 休職理由:適応障害になり、どんな症状で困っているのか
  • 休職期間:いつからいつまで何日間か
  • 復帰の見込み:復帰したいのか
  • 業務の引継ぎ:今抱えている業務についてまとめておく
  • 休職手続きの方法:診断書が必要か、誰に出すのか、有給や傷病手当金の申請について
  • 情報共有:社内のどこまで休職の詳細を伝えるのか

医師から指示されている休職期間は、延長される可能性があることも伝えましょう。

たとえば、主治医に2週間の休職期間を指示されていても、あなたの体調が良くならなければ復帰は難しくなり休職延長になります。会社は2週間の不在を想定して業務が滞らないように調整しているため、事前に延長の可能性も伝えておきましょう。

また、休職の手続きや今後の対応について、上司もすぐに答えられないことがあります。その場合は、確認をお願いしたり自分で確認したりして今後の流れを知っておくことが大切です。

復帰を予定している場合は、適応障害で休職することを社内のどこまで共有するか上司と話し合う必要があります。

休職をすることは社内に通達されますが、休職理由まで細かく伝える必要はありません。

「適応障害であることは伏せてもらえると助かります」や「みんなには体調が悪くて休みます程度で伝えてもらえると助かります」など、あなたが知られたくないのであれば相談しておきましょう。

こころちゃん
こころちゃん

職場復帰する予定なら、どこまで共有するかはとても大切です。

適応障害で休職する際の伝え方~例文あり~

休職の伝え方は以下の3パターンが挙げられます。

それぞれ具体例を用意していますので参考にしてくださいね。

直接

上司に直接会って話すと誠意を示しやすく、あなたの気持ちが伝わりやすいです。

緊張するため話す内容を事前に整理しておくことが大切になります。

事前に「今後のことに関してご相談があります。近々30分ほどお時間を作っていただけませんでしょうか」と上司に確認しましょう。

もしかすると、上司から「今でも大丈夫だよ」と言われる可能性もあります。このケースを想定して、事前に話す内容を整理してから声をかけましょう。

【例文】

実は、最近仕事に対する集中力が続かず、心身ともに限界を感じており、医師に相談したところ適応障害と診断されました。

医師から休職の指示があり、〇週間ほどお休みをいただきたいと考えております。

ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんが、体調を整えるためにどうかご理解をいただけると幸いです。今後の手続きについてもご教示いただけますでしょうか。

急に伝えられると上司も驚いてしまうため、一度に全部話す必要はありません。あなたが話すと、上司から下記のような質問をされるでしょう。

  • いつから休むのか
  • 生活は困ってないか
  • 何がストレスだったのか

そこから、聞かれたことに答えていけば大丈夫です。

ただし、下記の3つは必ず確認しましょう。[2]

  • 休職の手続きの方法について
  • 診断書は誰に提出したらよいのか
  • 誰にまで休職の話を共有するのか

直接話しているため、話の流れで確認できないケースも生じます。その場合は「すみません、先ほど確認できなかったのですが…」とあとで確認してくださいね。

電話

電話は声だけで伝えるため、相手が状況を理解しやすいように端的にわかりやすく伝えることが大切です。上司にとっても重要な電話なので、時間が大丈夫か必ず確認しましょう。

【例文】

お忙しいところ申し訳ございません、〇〇です。

今お時間大丈夫でしょうか?

突然のご連絡で恐縮ですが、体調不良のため、少しお話しさせていただきたいことがあります。

最近、仕事中に体調が優れない日が続いており、〇月〇日に病院で診察を受けたところ、適応障害と診断されました。医師からは〇週間休職し療養に専念するように勧められております。

業務に支障をきたしご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、体調回復に専念するため休職をお願いしたいと思っております。のちほど診断書を提出いたしますので、どうかご理解いただけますようお願い申し上げます。

こちらは、電話で伝える際の例文です。あなたの状況や職場環境に合わせて、正直に誠意をもって伝えてくださいね。

メール

メールの場合は記録が残るので、丁寧かつ簡潔にわかりやすく伝えることが大切です。

今後の業務や休職に関する手続きについても記すと、会社への配慮を感じてもらえるでしょう。

【例文】

件名: 【休職のお願い】〇〇(名前) 

〇〇(上司の名前+役職)

いつもお世話になっております。〇〇です。
突然のご連絡失礼いたします。
休職のお願いをさせていただきたくご連絡いたしました。

最近、業務中に体調不良が続いており、〇月〇日に医師の診察を受けたところ、適応障害との診断を受けました。
医師から、〇週間ほど休職し自宅で療養に専念するよう指示がありました。
つきましては、診断書を後日お送りいたしますが、休職に関する手続きについてご教示いただければ幸いです。

突然のお願いとなり、ご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。
現在、抱えている業務については後日資料を送付させていただきます。
何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

○○(自分の名前)

メールは相手のタイミングで開封するため、返信までに時間を要することが多いです。

また、メールを送ったあとに電話がかかってくることや出社を促されるケースなどもあります。

体調が悪いのにムリに直接伝える必要はありませんが、どの方法で伝えるかは慎重に選んでくださいね。

適応障害で休職することを伝えるタイミング

適応障害での休職は、医師に休職を勧められたら早めに相談するのが理想です。

診断書を取得する前でも「今後、正式に診断書を提出する予定です」と上司に現状を伝えると、スケジュールが調整しやすくなるでしょう。

言い出しにくく先延ばしにしていると、集中力の低下や体調不良による業務中のミスが目立ち始めます。

早めに話しておくことで、上司も配慮をしてくれる可能性が高くなるでしょう。

業務に支障をきたす前に早めに相談してくださいね。

こころちゃん
こころちゃん

勇気がいりますが、早めに相談しましょう!

休職することを同僚に伝えるべきか

休職について同僚に伝えるかどうかも悩みのひとつです。

同僚に伝えた方がよいかは、仕事への影響や関係の深さで異なります。

あなたの休職が同僚の業務に影響を与える可能性がある場合は、あらかじめ知らせておくことでチーム内でのフォローがスムーズに行えます。

親しい同僚がいる場合はあえて正直に伝えることで、職場でのサポートを受けやすくなります。ムリをせず、できる範囲で相談すると心の負担も軽減されるでしょう。 

同僚への伝え方もさまざまあります。

たとえば「適応障害になって休職することに…」と言わずに「ちょっと体調を崩してしまって休職して治療に専念しなくちゃいけなくなって…」と伝えるパターンもあります。

あなたが、どうしたいかで大丈夫です。自分自身と向き合って考えてみましょう。

適応障害で休職するための準備と必要書類

休職の手続きをスムーズに進めるためには、会社への報告や手続きの流れを理解しておくことが大切になります。

休職するためには、診断書の提出が必要な会社が多いです。診断書は、医師に適応障害と診断されたことを記す正式な書類で、会社へ休職を申請する際に提出を求められるでしょう。

診断書は、医師が必要であると判断した場合に発行されます。

診断書をもらう流れは以下のとおりです。

  1. 受診して診断書が必要な旨を医師に伝える
  2. 具体的な休職の期間や症状の詳細を医師と確認して発行される

受診日にもらえずに、後日郵送になるケースもあります。

診断書の費用は3,000円〜5,000円が一般的ですが、保険適応外なので病院によって異なります。事前に電話で病院に金額を確認しておくと安心です。

休職診断書のもらい方を3ステップで解説|会社への申請方法や注意点も紹介

適応障害で休職する際の伝え方|まとめ

適応障害で休職する際の伝え方は、適切なタイミングと方法をしっかり押さえることが大切です。

休職の指示を受けたら早めに上司に報告し、医師の診断書や休職期間を正確に伝えましょう。

また、休職の理由を社内でどこまで共有するかについても上司と相談しておくことが重要です。

ストレスを抱えながら休職を伝えるのは大変ですが、誤解を避け職場のサポートを得るために、事前に準備をしておくことでスムーズな休職が可能になります。

適応障害をひとりで抱え込まず、周囲の協力で安心して治療に専念できる環境を整えていきましょう。

おおかみこころのクリニックはあなたのこころの健康をサポートします。

オンライン診療も行っています。お気軽にご相談くださいね。

【参考文献】
[1]休業に入る際に、これだけは伝えておきたいこと|労働者健康安全機構
https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/sanpo/shokubafukki/download/kyuugyou_shiori.pdf

[2]~メンタルヘルス対策における職場復帰支援〜改定 こころの健康問題により休職した労働者の職場復帰支援の手引き|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-1.pdf

この記事の執筆者
柚木ハル
作業療法士。精神科16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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