「何日も眠れない…」
「一度目が覚めると朝まで眠れない日が続く…」
このような不眠に悩まされて、心身ともに疲れていませんか。
眠れない日が続くと、集中力の低下により仕事や日常生活に支障が出るでしょう。
また、眠る時には「今日も眠れないかもしれない」と不安を感じ、寝るのが怖くなることも。
もしかしたら、あなたの不眠はうつ病をはじめとするこころの不調のサインかもしれません。
この記事では、眠れない日が続いたときに身体に起こるサインと試すべき対処法、不眠になる原因を解説します。
眠れない原因を見つけ、安心してぐっすり眠れる日を取り戻すきっかけとなれば幸いです。
この記事の内容
何日も眠れないとどうなる?こころと身体にあらわれるサイン
眠れない日が続くと、こころと身体には以下のような症状がみられます。[1]
- 身体的な症状
- ・倦怠感
 ・めまい
 ・頭が重い
 ・食欲不振
- 精神的な症状
- ・イライラ
 ・抑うつ気分
 ・集中力低下
 ・意欲低下
症状が長く続くと仕事や学業、日常生活に支障をきたします。
また、眠れない日が続くと「朝まで眠れるだろうか」「夜中に起きてしまったらどうしよう」と不安になり、さらに不眠が悪化するという悪循環になります。[1]
早めに対策をとって眠れない日から解放されましょう。
眠れない日が続くときに試したい5つの対処法
眠れない日が続くときには以下の対処法を試してみましょう。
ムリをせずに、できることから少しずつ始めてください。
早朝に目が覚めて眠れないときは、下記の記事を参考にしてください。
適度な運動をする
日中に以下のような有酸素運動をすると寝つきがよくなり、深い睡眠につながります。[2]
- ヨガ
- 水泳
- ウォーキング
- サイクリング
- エアロビクス
軽く汗ばむ程度の運動をムリのない範囲で実施しましょう。運動する時間帯は午前よりも午後がよいとされています。[1]
運動による興奮状態を避けるために、就寝の2~4時間前までに運動を終えてください。[2]
運動時間がとれないときは、以下のように日常生活の中で身体を使う工夫をしてみるのもひとつの手です。
- 庭仕事をする
- 掃除機をかける
- 買い物に出かける
- できるだけ階段を使う
- 子どもと思いっきり遊ぶ
軽い運動や日常生活での活動を通して少しずつ運動習慣をつけていきましょう。

ほどよい疲労感で、よく眠れるでしょう!
生活リズムをととのえる
眠れない日々を解消するためには、以下のような流れを意識して生活リズムをととのえることが大切です。
- 毎日同じ時間に起きる
- 起床後は太陽の光を浴びる
- 朝食をしっかり取る
- 就寝1~2時間前に入浴する
- 空腹のまま寝ないようにする
毎日同じ時間に起き日光浴や朝食をとることで、体内時計がととのいます。[2]
就寝の1~2時間前に40℃の湯船に10〜15分ほど浸かり深部体温を上げると、寝つきがよくなり深い睡眠につながります。[3]
また、空腹のまま寝ると途中で目が覚めてしまうことがあるため、空腹状態で寝ないようにすることも大切です。[4]
寝る前にリラックスする
質の高い睡眠をとるために、睡眠前はリラックスして過ごすようにしてください。
たとえば、以下のような方法があります。
- 本を読む
- ヨガをする
- 瞑想をする
- アロマを炊く
- 好きな音楽を聴く
リラックスできる方法は人によって異なります。あなたがリラックスできる活動を選んで試してみてください。
寝る前に心配ごとや明日の予定などを考えると、不安や緊張が増して寝つきが悪くなるため避けましょう。
就寝前の飲み物に注意する
寝る前に水を飲みすぎると夜間に起きてしまう可能性があるため注意が必要です。
カフェインを含む以下のような飲料は就寝4時間前からは摂らないようにしてください。[4]
- 紅茶
- 日本茶
- コーラ
- コーヒー
- エナジードリンク
就寝前は白湯や麦茶、ハーブティーなどを飲みましょう。
寝る前にお酒を飲むと寝つきがよくなるように思えますが、一時的なものであり逆効果といわれています。
飲酒後は深い眠りが減り、早朝に目が覚めやすくなります。[1]
そのため、不眠対策としてお酒は飲まないようにしましょう。
快適な睡眠環境をととのえる
心地よい睡眠のためには寝室の環境をととのえることが欠かせません。
- 光と音をコントロールする
- 枕やマットレスは身体に合うものにする
- 室温は20℃前後、湿度は40~70%程度に設定する
夕方以降は照明を暗めにしたり、ブルーライトを含まない暖色系のライトを活用したりして工夫しましょう。[1]
時計や家電の音が気になるときは、耳栓を使ったり家具の位置変更をしたりして静かな環境で眠れるようにします。
また、枕は首から後頭部にかけてマットレスとの隙間を埋めるようにし、立ち姿勢に近い自然な体勢を保ってください。ただし、枕の高さや材質は体格や好みにより個人差が大きいので、あなたに合った枕を見つけることが大切です。
暑すぎたり寒すぎたりしないようエアコンや寝具で温度を調整し、質の高い睡眠を目指しましょう。

あなたにとっての快適な睡眠環境が大切です
眠れない日が続く原因はうつ病かも
不眠はうつ病をはじめとした精神疾患の初期症状としてあらわれることが多くみられます。[2]
うつ病に伴う不眠の特徴は以下のとおりです[5]
- 寝つけない
- 夜中に目が覚める
- 早朝に目が覚める
とくに早朝覚醒が多いと言われています。
「もしかしてうつ病かも?」と思ったら、以下の記事のチェックリストで確認してください。
こころの不調以外に睡眠障害をもたらす原因は以下のものがあります。[2]
- 閉塞性睡眠時無呼吸:睡眠中の呼吸停止を特徴とする睡眠障害
- むずむず脚症候群:おもに足に「むずむず」「ざわざわ」「ひりひり」「虫が這う」などの不快な感覚があり、手足を動かさずにいられない状態
眠れない原因が病気によるものかもしれないと思ったら、早めに適切な治療をはじめることが大切です。

おおかみこころのクリニックにも相談にきてくださいね
専門家への相談を考えるタイミング
眠れない日が週に3日以上、3か月以上続くときは治療が必要な可能性があります。[6]
気になる症状に合わせて、以下の専門機関を受診しましょう。
- 風邪症状がある:内科
- いびきが気になる:耳鼻咽喉科
- 足がむずむずする:神経内科・精神科・心療内科
- ストレスや不安(うつ症状):精神科・心療内科
「どこへ行けばいいのだろう」と不安なときは、かかりつけ医や自宅近くのクリニックなどあなたが行きやすいところで大丈夫です。
眠れないつらさをひとりで抱え込まずに相談してください。
うつ病で何日も眠れないときの新しい治療法|rTMS療法
うつ病が原因で眠れない日が続いているときは、rTMS療法という新しい治療を試す選択肢もあります。
rTMS療法(反復経頭蓋磁気刺激療法)は、磁気の力で脳を刺激し、うつ病の症状を緩和させる治療法です。[7]
抗うつ薬を一定期間使用しても効果が出ない中等症以上のうつ病の方(成人)を対象に実施されます。[8]
rTMS療法について詳しくは以下の記事をご覧ください。
まとめ
何日も眠れない日が続くと、こころや身体に不調が出たり日常生活に支障が出たりします。
長く続く不眠は、うつ病をはじめとするこころの不調のサインかもしれません。
まずは、生活習慣や睡眠環境を見直してセルフケアからはじめてみましょう。
以下のようなときは早めに専門家のサポートを受けてください。
- 身体症状がつらい
- 眠れない状態が3か月以上続く
- 不安や焦燥感などのこころの不調を感じる
おおかみこころのクリニックは、こころの悩みを気軽に相談できる場所です。
「眠れない原因がこころの不調かも」「rTMSという治療法が気になる」というときは、ぜひ一度ご相談ください。
忙しい方でも受診しやすいように夜22時まで受診できます。また、自宅からのオンライン診療も可能です。
あなたの不眠の悩みを軽減し、こころと身体の健康を取り戻しましょう。
24時間予約受付中
当日予約・自宅で薬の受け取り可能
【参考文献】
[1]不眠症 健康日本21アクション支援システム|厚生労働省
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-02-001
[2]健康づくりのための睡眠ガイド2023|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
[3]快眠と生活習慣 健康日本21アクション支援システム|厚生労働省
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004
[4]睡眠薬の適正な使⽤用と休薬のための診療療ガイドライン|睡眠学会
https://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf
[5]患者のための最新医学 うつ病 改訂版|坪井康次
[6]不眠症 こころの情報サイト|国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=XpsDJBKfyaGD0mIx
[7]鬼頭伸輔先生に「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)」公益社団法人 日本精神神経学会
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=62
[8]日本精神神経学会 反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針|公益社団法人 日本精神神経学会
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/Guidelines_for_appropriate_use_of_rTMS_202404ver2.pdf
- この記事の執筆者
- すみこ
 作業療法士歴13年の経験を活かし、医療記事を中心に活動するWebライター。 読者の皆様のこころと身体の健康をサポートし、前向きな気持ちになれる文章を心がけています。
 
 




 
  
  
 



