上司と合わないときの対処法|理由や辞めたいときの手順も解説










「真面目に働いているけど上司と合わないことがつらい」

「上司と合わないだけで異動や転職を考えてもいいのかな?」

上司と合わないと思いながら我慢して働き続けていませんか。

そのまま働いていると、こころが疲れてしまい休職が必要になる可能性があります。

「これは仕事だから」とあなたの気持ちを無視し続けると、症状が悪化したり回復まで時間がかかったりするかもしれません。

この記事では、上司と合わないと考える理由対処法を解説します。限界を迎える前に正しい知識を得て、あなたを守るための行動を始めましょう。

上司と合わないと感じる理由

上司と合わないと感じる理由には、次の3つがあります。

あなたの現状を把握するために、あてはまるものがないか確認しましょう。

威圧的な態度をとる

上司が威圧的な態度をとる職場では部下との信頼関係は築けず、職場の雰囲気が悪くなります。

具体的には、下記のような態度です。

  • 机を叩きながら大声で怒鳴る
  • 他の社員がいる前で罵倒する
  • 舌打ちをして不快感を隠そうとしない

威圧的な言動は部下を萎縮させ、本来のパフォーマンスを発揮できなくさせてしまうでしょう。

指導のつもりでも伝え方が威圧的であれば、適切な指導の範囲を超えています。[2]

部下が「また怒られるかもしれない」と恐怖を感じると、報告や相談を避けるようになるのです。

上司の威圧的な態度がしんどくなり、上司と合わないと感じるでしょう。

部下の状況を考えない

上司が部下の業務量や状況を考慮しないことは、上司と合わないと感じる原因になります。

あなたの状況を把握しようとしない上司のもとで働くと「都合よく扱われている」と感じ、信頼関係を築けません。

たとえば、すでに手一杯の業務を抱えている部下に対し、期限の迫った膨大な作業を「明日までにやっておいて」と丸投げするケースがあります。

部下の状況を考えず、思いつきで指示を出す上司にはついていくのは困難です。

部下の状況に配慮しない上司のもとでは心身ともに疲れ、業務への意欲を維持できなくなります

こころちゃん
こころちゃん

いっぱいいっぱいなのに仕事を任されるとキツイですね💦

業務の指示が曖昧である

具体的な指示がないまま業務を任されると、部下はなにをどうすればよいのか分かりません。[1]

完成イメージや手順が共有されていない状態では手探りで作業を進めるしかないため、業務効率が低下してしまいます。曖昧な指示は混乱を招き、部下がミスしやすい原因となるのです。

たとえば「いい感じにまとめておいて」とだけ伝えられ、苦労して資料を作成した後に「イメージと全然違うからやり直して」と叱られることがあります。これは、最初から上司が具体的な要望を伝えていれば防げたミスでしょう。

業務の指示が曖昧では無駄な作業を増やすため「上司と合わない」と考えるようになります。

上司と合わないことで生じる支障

上司と合わないストレスが限界を超えると、心身のバランスを崩す可能性があります。

「これくらい我慢しなければ」「わたしが弱いせいだ」とムリすると、適応障害やうつ病などの精神疾患を発症するリスクが高まるでしょう。

具体的には、下記のような症状があらわれます。[3]

  • 夜になっても眠れない
  • 日曜の夕方になると動悸がする
  • 通勤電車の中で勝手に涙が出てくる

このような症状が出ていると、仕事の効率が下がったり出勤するのが難しくなったりしてしまいます。もし、2週間以上続くときは、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。

下記の記事では適応障害の原因や症状をわかりやすく解説しているので、あわせてご覧ください。

上司と合わないときの対処法

上司と合わないときの対処法には、次の3つがあります。

あなたを守るために、まずはできることから試してください。

上司と合わずに仕事に自信がないときは、下記の記事をもあわせてご覧ください。

断り方を覚える

ムリな仕事を押し付けられそうなときの断り方を身につけましょう

頼まれた仕事をすべて引き受けてしまうと、ミスが増えて周囲に迷惑をかけたり、あなた自身が疲れてしまったりするからです。

相手を尊重しながらあなたの事情を伝える「DESC法(デスク法)」を用いると角を立てずに断れるでしょう。

DESC法では相手に、描写・表現・提案・選択の4つに整理して伝えます。具体的には、下記のように伝えてください。[4]

  • 描写:「今、AとBの仕事を抱えており手一杯です」
  • 表現:「これ以上引き受けるとミスにつながる懸念があります」
  • 提案:「明日からでもよければできます」
  • 選択:「あるいは納期を延ばしてもらえれば確実に終わらせます」

「仕事をこなせる条件」をあなたから提案することで、一方的に仕事を押し付けられるのを防げます。

仕事だけの関係と割り切る

「上司とは仕事だけの関係」と割り切ることを意識しましょう

合わない上司と仲良くなろうとしても、期待通りにならないときにストレスを感じるからです。職場でムリに上司と仲良くなる必要はありません。

挨拶や業務連絡は丁寧に行い、それ以外の雑談や飲み会には参加しないスタンスで十分です

また、こころの中で「この人はこういうキャラクターなんだ」と一歩引いて観察し、感情を挟まないようにしましょう。

上司の言動に一喜一憂することがなくなり、こころの平穏を保ちやすくなります。

こころちゃん
こころちゃん

ムリに仲良くしなくて大丈夫です!

気持ちを書き出して整理する

頭の中で考え続けるのではなく、紙やスマホに気持ちを書き出して整理しましょう

書くことを通じて事実と感情を切り分けることができ、問題を冷静に見つめ直せるようになるからです。

頭の中だけで悩んでいると、ネガティブな感情が増え解決策が見えなくなってしまいます。

ノートやスマホのメモ機能を使い、下記のように書き出してください。[5]

  • 事実:上司に会議中に怒鳴られた
  • 感情:悲しい(80%)、恥ずかしい(70%)、腹が立つ(50%)
  • 考え方:怒鳴るのは上司の指導力不足であり、わたしの人格が否定されたわけではない

上司と合わないと思う状況を客観的に捉え直すことで、冷静さを取り戻せるようになるでしょう

上司と合わないから辞めたいときの手順

上司と合わず「会社を辞めたい」と感じたら、次の手順で進めてみましょう。

さまざまな対策をしても状況がよくならず心身のつらさが続くときは、環境を変えることも検討してください。

① 別の上司に相談する

まずは、信頼できる他の上司に相談しましょう

第三者に問題を知ってもらうことで、部署異動や上司への指導など具体的な対策をとってもらいやすくなるからです。

また、あなたの状況を話すことで、今後どのように上司とかかわったらよいのかを考えるきっかけになります。

相談する際は「上司が嫌いだ」といった感情的な不満ではなく「指示が曖昧で業務に支障が出ている」「威圧的な言動により体調を崩している」など、具体的な事実に基づいて伝えましょう。

メモをした記録があれば、より説得力が増します。

別の上司への相談は、解決するための有効な方法です。

② 異動を打診する

会社そのものに不満がなければ、異動を打診しましょう

部署が変われば人間関係が変わり、新しい環境で再スタートできるからです。

上司との関係により健康面に支障が出ていたらその事実を伝え、人事部に配置転換を求めましょう。

医師の診断書があるときは、産業医との面談を通じて、認められるケースもあります。

あなたの心身の健康を守るために異動を求めることは、労働者の正当な権利です。

③ 転職を検討する

社内での解決が難しいと判断したときは、転職を検討しましょう

あなたを評価してくれる場所や安心して働ける環境は必ずあります。

転職活動を始めるだけでも「この会社以外にも選択肢がある」と思えるようになり、気持ちに余裕が生まれるでしょう。

転職活動をするときはまず情報収集と自己分析を行い、あなたの得意分野や転職の目的を明確にします。

これまでの経験を棚卸しすれば、自信を取り戻すきっかけにもなるのです。[6]

あなた自身を守るために、新しい場所へ移ることは前向きな選択です。

まとめ

上司と合わない原因は人間性の問題であるため、あなたが自分を責める必要はありません。

とくに、動悸や不眠などの症状があれば、うつ病や適応障害などの病気を発症している可能性があります。

健康な心身があってこそ仕事や生活が成り立つため、あなたの健康を優先してください

おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療を実施しています。

自宅からスマホひとつで受診できるため、誰かに会う心配もありません。上司との関係でつらいと思ったら、お気軽にご相談ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

【参考文献】
[1]3-2仕事の進め方の見直しが必要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/oshirase/dl/110224aa_0008.pdf

[2]どんな言動が、パワーハラスメント? | 茨城労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/ibaraki-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/shurouchu/worker_b/qa_wpower_harassment.html

[3]3.ストレス,適応障害,新開隆弘
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jser/84/1/84_1/_pdf/-char/ja

[4]6 ストレスマネジメント力|大阪府
https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/6118/06_stressmanagement.pdf

[5]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

[6]在職者のための転職ガイド|新潟労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-hellowork/kyushokusha/kyushokusha/work20070710.html

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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