通院が続かない原因は「怠け」じゃない?5つの理由と対処法










メンタルクリニックの予約日が近づくと、体が鉛のように重い。

「行かなきゃ」と焦るほどベッドから起き上がれなくなり、「またキャンセルしてしまった…」とご自身を責めていませんか?

通院が続かない原因は、「怠け」や「意志の弱さ」のせいではないかもしれません。

しかし、そのまま自分を責め続けて心が疲弊したり、通院を中断して症状が悪化したりする事態は避けたいものです。

この記事では、通院が続かない原因や、通院以外の形で無理なく治療を続ける方法をご紹介します。

「行けないのは自分のせいじゃなかったんだ」と罪悪感が軽くなり、「これならできるかも」と感じられたら幸いです。

通院が続かないのは「あなたのせい」ではない|考えられる5つの原因

「行かなきゃ」という気持ちがあるのに体が動かないのは、あなたの「怠け」や「わがまま」ではありません。通院が続かない背景には、おもに下記のような原因があります。

ある調査によると、精神科の受診開始から6ヶ月後には、約6割以上の方が通院を中断しているというデータもあります。[1]
つまり、通院がしんどくなってしまうのは珍しいことではないのです。

こころちゃん
こころちゃん

あなた一人だけの悩みではありませんよ。

原因1:意欲や気力の枯渇

通院が続かない原因のひとつは、病気の症状そのものです。 

うつ病や適応障害では、「意欲の低下」や「著しい倦怠感(だるさ)」が代表的な症状として現れます。[2]

  • 体が鉛のように重く、動けない
  • 外出の準備を考えるだけで疲弊してしまう
  • 「予約の電話」を入れるのすら難しく感じる

これらは「さぼり」ではなく、脳のエネルギーが一時的に枯渇している状態です。

インフルエンザの高熱で動けないのと同じように、自分の意思ではどうすることもできません。

症状で体が動かない時は、無理に頑張らなくて大丈夫。
つらい時期をどう乗り越えればいいのか、具体的な過ごし方や対処法については下記の記事にまとめています。

原因2:治療への不信感や焦り

「薬を飲んでも良くならない」「いつまで通えばいいのか」といったゴールが見えないことへの絶望感も、通院の足を遠のかせます。

メンタル疾患の回復は、右肩上がりではなく一進一退。

症状が停滞する時期に「この治療で本当に合っているのか?」という不信感が生まれ、通院のモチベーションを下げてしまうのです。

原因3:通院自体が大きなストレス

病気の影響で、音・光・人混みなどの刺激に過敏になっているときは、「通院」というプロセス自体が元気なときの何倍もの負担になります。

  • 満員電車やバスなどの移動
  • 混雑した待合室の雰囲気や、長い待ち時間
  • 「うまく話さなきゃ」という診察時のプレッシャー

「病院に行くだけで一日のエネルギーを全て使い果たしてしまう」という方も少なくありません。

「ぐったりと疲れる未来」が想像できてしまうからこそ、予約日が近づくと憂鬱になり、玄関から出られなくなってしまうのです。

原因4:医師やクリニックとの相性

メンタルヘルスの治療は、医師との信頼関係が重要です。 医師は、あなたの「話す言葉」を手がかりに診断と処方を決めます。

本音を話せなかったり、うまく伝えられなかったりすると、あなたに合うお薬や治療法ではないまま治療が進んでしまうリスクもあります。

下記のような違和感はありませんか?

  • 医師が話を十分に聞いてくれないと感じる
  • 威圧的な態度で話しにくい
  • 治療方針についての説明がない

このように「相性が合わない」と感じたままだと、通院日が近づくにつれてストレスが増し、足が遠のいてしまう原因になります。

原因5:休職中などの経済的な負担

休職中で収入が不安定な場合、毎回の診察代や薬代、交通費などが重くのしかかります。

「お金を使ってしまっている」という罪悪感や経済的な負担が、治療継続の心理的なブレーキになるのです。

病院に行くのがしんどい方へ|無理せず通院を続ける方法

「病院に行けない」からといって、諦める必要はありません。今は「無理して通院する」以外の方法もあります。

ご自身の体調やエネルギーに合わせて、「頑張らなくても続けられる方法」を一緒に見つけましょう。

オンライン診療|自宅で受診できる

オンライン診療は、スマートフォンやPCのビデオ通話を使って、ご自宅にいながら医師の診察を受けられる方法です。

メリットは、移動の負担や待合室でのストレスが「ゼロ」になること。 「外出するのはしんどいけれど、自宅でなら医師と話せる」という方にとっては、治療を継続しやすい方法です。

おおかみこころのクリニックでは、通院しなくても治療を続けるために、オンライン診療をご用意しています。「ここなら通えるかも」と思っていただけましたら、お気軽にご相談ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

訪問診療・精神科訪問看護|医師や看護師が自宅へ来てくれる

「オンライン診療で話すのもしんどい」という方には、医療スタッフがご自宅に伺う訪問診療がおすすめです。

精神科訪問看護では、看護師や作業療法士が定期的に自宅を訪問します。 
じっくりお話を聞いたり、服薬管理を手伝ったりするほか、「自宅での様子」を看護師が主治医に伝えることで必要な治療につながります。

医師・病院の変更|「相性が合わない」を我慢しなくていい

「どうしても今の先生と合わない」という場合は、病院を変えてもいいんですよ。

メンタルヘルスの治療において、医師との信頼関係は重要です。相性の合わなさを我慢して無理を続けるよりも、信頼できる医師に出会うことが回復への近道になります。 

転院の際は「紹介状(診療情報提供書)」があるとスムーズですが、「気まずくて頼めない」という場合は、無理にもらわなくても大丈夫。

紹介状なしで受け入れているクリニックもたくさんあります。新しい病院で、今のあなたの状態をありのまま伝えてください。

こころちゃん
こころちゃん

紹介状を「頼むのがしんどい」という理由で、転院を諦める必要はありませんよ。

自己判断で通院をやめる3つのリスク

通院をやめると手元のお薬がなくなり、服薬もストップしてしまいます。急な服薬の中断は、心と体に大きな負担をかけてしまうことも。

「もう行きたくない」と治療を中断してしまう前に、ご自身を守るために知っておいてほしいリスクを解説します。

リスク1:症状の悪化・再発

「通院がしんどいから、もうやめてしまいたい」 そう思うのは、今の症状がそれだけ辛いからです。

しかし、ここで治療という「支え」を外してしまうと、今以上に苦しい状態になってしまうリスクがあります。 現在の生活が保てているのは、お薬や治療が症状の波を抑えてくれているからかもしれません。

また、メンタル不調の回復には「波」があります。 調子がいいときは「もう治ったかも」「通院しなくていいかも」と思ってしまいがちです。

しかし、脳のバランスはまだ不安定なため、自己判断で治療をやめると、良くなりかけた症状がぶり返してしまう(再発)リスクが高まります。[3]

リスク2:薬の離脱症状

通院が途絶えると必然的に手元の薬がなくなり、急に服薬を中断する状態になります。 注意したいのが、薬の離脱症状です。

離脱症状とは、 今まで体に作用していた薬が急になくなることで脳や体がびっくりして起こす反動です。

特に抗うつ薬や抗不安薬を自己判断で急にやめると、体内の薬の濃度が急激に下がり、下記のような不調が現れる場合があります。

  • めまい・吐き気・頭痛
  • 手足のしびれ・ビリビリした感覚
  • イライラ・ソワソワする強い不安感

これらの症状は「病気が悪化した」のではなく、薬の急な中断による離脱症状にあたります。

離脱症状で余計に苦しい思いをしないためにも、できれば通院をして薬を受け取れるのが理想です。

薬を中断するリスクや、離脱症状については、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

リスク3:社会復帰(復職)への影響

休職中の方にとって、通院の中断は復職へ影響する場合があります。

会社が復職を認めるには、主治医による「復職可能」の診断書が必要です。

通院が途絶えてしまうと、医師はあなたの回復状況を確認できません。いざ「戻りたい」と思った時に、「働ける状態まで回復した」という証明が出せなくなってしまうのです。

スムーズに社会復帰するためにも、細く長くで構いませんので医療機関との繋がりだけは保っておきたいですね。

まとめ

メンタルクリニックの通院が続かないと感じたとき、どうかご自身を「意志が弱い」「怠けている」と責めないでください。

「行けない」理由には、意欲や気力の低下といった、病気の症状そのものが関係しているケースも少なくありません。

大切なのは、治療から完全に離れてしまうのではなく、「細く長く」でも繋がり続けることです。

無理に通院しなくても、この記事でご紹介したオンライン診療や訪問看護で治療を続けられますよ。

おおかみこころのクリニックでは、あなたのその「しんどさ」に寄り添い、「これならできるかも」という方法を一緒に探していきます。Web予約は24時間受け付けておりますので、気持ちが向いたタイミングで、いつでもご利用ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

【参考文献】
[1]精神科診療所における治療脱落の実態の一例|日本精神神経学会
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1140070789.pdf

[2]うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html

[3]「こころの耳」(うつ病の治療)|厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad003/

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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