「精神科に行きたいけど、親には言いにくい」
「もしかして、うつ病かもしれない…」
「バレずに1人で精神科に行けるかな?」
このように思って、親に精神科に行きたいと相談できずに悩んでいませんか?
中学生が精神科に行きたいことを親に言えないのは珍しくありません。[1]ですが、心の病気の治療は一度病院に行けば治るものではなく、家族の協力が必要です。
この記事では、中学生が親に「精神科に行きたい」と伝える方法や、1人で親にバレずに精神科に行けるのかについて詳しく解説しています。この記事を最後まで読むと、これから自分がどうしたら良いのかわかるようになるでしょう。
中学生が「精神科に行きたい」と親に言えない理由
うつ病や適応障害になると、気分が落ち込み物事をネガティブに考えるようになります。これは、あなたのせいではなく病気の症状がそうさせているのです。
また、親を思うあなたの優しい気持ちから伝えられなくなっているケースもあります。
たとえば、次のようなことを考えたことはありませんか?
- 「伝えるとお母さんが悲しむかも」
- 「がっかりさせてしまうのでは…」
- 「どんな反応をするかな。怖い」
親の顔色や反応が気になり、伝えるタイミングを逃してしまうことも多くあります。
まずは、人に相談する練習として以下の相談窓口を利用してみるのも良いでしょう。
電話相談窓口|まもろうよこころ 厚生労働省
子どもに「精神科に行きたい」と相談された親の気持ち
最初は子どもから「精神科に行きたい」と相談されて戸惑うかもしれません。しかし、多くの親は1人で悩んでいたことを相談してくれて嬉しく思うでしょう。
- 「ひとりで頑張っていたのね」
- 「相談してくれてありがとう」
- 「これからは一緒に考えていこうね」
ただし、気持ちは一人ひとり違うため、全ての親がこのように感じるとは限りません。ですが、子どもが思っている以上に親は子どものことを気にかけて心配しています。
「うちの親は心配なんかしていない」と思うこともあるでしょう。それは、心配していても子どもの前では平然と装っているだけかもしれませんよ。
子どものが思っているよりも、親は子どものことを思ってくれているはずです。
精神科に行きたいと伝える方法
精神科に行きたいとうまく伝えるには、具体的にあなたの思いを伝えることが大切です。[2]
そのためには、事前準備とタイミングをしましょう。
具体的な方法を以下の4ステップに沿って解説します。
詳しく見ていきましょう。
➀事前準備
親に伝えたいこと、聞かれそうなことを先に準備します。
以下のことを考えておくと良いでしょう。
- どのような症状があるのか
- いつ頃からつらいのか
- 自分だけではどうにもならない
- 病院に相談して治したいと思っている
症状のせいで、自分のことがよく分からなくなっているケースがあります。
そのようなときは、下記の例を参考にしてくださいね。
【症状】
- やる気が出ない
- ずっと落ち込んでいる
- なにも楽しいと思えない
- ポーっとして何も考えられない
- イライラする
- 食欲がわかない
- 眠れない、夜中に何度も目が覚める
【いつ頃からつらいのか】
ハッキリとした日にちは分からなくても大丈夫です。
「春ごろから」「体育祭のあとぐらいから」など、だいたいの時期で問題ありません。
【自分だけではどうにもならず、病院で治したい】
心の病気は目に見えないので「気の持ちよう」「今だけよ」と軽く考えられることがあります。
ですが、心の病気は自分の根性や努力だけでどうにかできるものではありません。
「自分の努力だけではどうにもならない。病院で治したい」と、あなたの言葉で思いを伝えることが大切です。
②タイミング
精神科に行きたいと伝えるタイミングは、あなたが「よしッ」と思えるときで大丈夫です。ただし、親が仕事に行く前や忙しそうにしているときは避けましょう。時間がないときに言われると、余裕がなくうまく伝わらないことが多いです。
心の病気も身体のケガと同じで、正しい治療をすることで、早く治る可能性が高くなります。勇気を出して伝えてみましょう。
③伝える方法
顔を見て伝えるのが難しいなら、次の方法を試してみましょう。
- LINE
- 手紙
- 電話
言いにくいことを伝えるには勇気がいります。あなたが伝えやすい方法で、はじめの一歩を踏み出すことが大切です。
思いを伝えることが大切です
④話し合い
「精神科に行きたい」と伝えた後は、話し合いになることが多いです。そのときは、素直に親にあなたの胸の内を話しましょう。一生懸命話せば、きっと伝わります。
話し合うことで、 1人では思いつかなかった解決方法が見つかるかもしれません。
中学生1人でも精神科は受診できるのか
中学生が精神科を受診するには、保護者の同伴や同意書が必要なことが多く、1人で受診するのは難しいです。中学生が精神科にいくときは、児童精神科医が在籍している病院を探す必要があります。
受診できそうな病院を見つけたら、事前に「中学生1人でも受診できますか?」と確認しましょう。
以下のサイトで、中学生が受診できる精神科や心療内科を探せます。
子どもの心の診療ネットワーク事業
1人で精神科を受診できたとしても、親にバレるかは別問題です。
なぜバレる可能性が高いのかについて、次で解説していきます。
親に内緒で精神科を受診するとバレる可能性が高い
たとえ親に内緒で精神科を受診できたとしても、バレる可能性は高いです。
精神科を受診するときは必ず『保険証』を使います。中学生の場合、保険証の名前はあなたの名前でも親の扶養に入っています。
保険証を使って受診すると医療費通知書が親の元へ届きます。この通知には、受診した病院と医療費が記載されているため、バレるきっかけになります。(健康保険の種類によって回数や記載内容は異なります)
ちなみに、保険証を使わずに受診すると通常の3倍以上の費用がかかるため、おすすめしません。
まとめ
中学生が精神科に行きたいと親に伝えるのは勇気がいることですが、心の健康を取り戻すために家族の協力は必要です。
中学生が1人で精神科を受診するのは難しく、病院に事前確認しなくてはなりません。また、保険証の使用で親にバレる可能性が高いため、前もって相談していたほうが「バレたらどうしよう」と、あなたのストレスも軽くなります。
親の反応や気持ちを考えすぎて、伝えにくいと考えてしまいがちですが、多くの親は「精神科に行きたい」と打ち明けられると、最終的には「相談してくれてありがとう」と思うでしょう。
この記事で紹介した伝える方法を参考にして、勇気を持って話すことが大切です。
心の問題は一人で抱え込まず、周りの大人に相談することが治療の第一歩になります。あなたの健康を第一に考え、勇気を出して相談してみましょう。
おおかみこころのクリニックにも、お気軽にご相談くださいね。
【参考文献】
[1]親には私の思いを伝えにくいなぁ…|法務省
https://www.moj.go.jp/MINJI/t1-6.html
[2]親に自分のことをみとめてほしい|東京都 こども・子育てお悩み相談室
https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/st/soudan/story45.html
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