自律神経失調症って、どれくらいで治る病気なの?
人によって違うねー。症状にも個人差があるから、治るまでの期間は断言できないね…
自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れによって自律神経のバランスが崩れることで起こる病気です。
症状や治るまでの期間は人によって異なります。
この記事では、自律神経失調症が治るまでの期間、治療法についてくわしく解説します。
自律神経失調症に悩み、いつ治るのかと不安な方や自律神経失調症について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
自律神経失調症が治るまでの期間は個人差が大きい
自律神経失調症が治るまでの期間は、個人差が大きいといわれています。
2~3ヶ月で症状が良くなる人もいれば、数年~10年かかる人もいるといわれています。残念ながら、いつ治るのかと明確に断言することは難しいのです。
また、症状を病気だと認識できず我慢してしまうことも多いため、症状が長期化する傾向があります。一方早めに治療を開始すれば治るまでの期間も短くなるでしょう。
自律神経失調症は自力で治そうとせず、早めに医師に相談し適切な治療を受けることが大切です。少しでも気になることがある場合は、お気軽におおかみこころのクリニックでご相談ください。
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自律神経失調症が治るまでの期間が人によって違う理由
自律神経失調症の症状が良くなるまでの期間は人によって異なります。
この理由について、原因と治療効果の視点からみていきましょう。
自律神経失調症の原因は多様
自律神経が乱れる原因によっても、症状がおさまるまでにかかる期間は変わります。
自律神経失調症は、生活習慣の乱れとストレスが主な原因であると考えられています。
睡眠不足や運動不足により生活リズムが乱れると、ホルモンバランスや自律神経のバランスも崩れてしまうのです。これによって、不眠や倦怠感などの症状が引き起こされます。
また、ストレスが多い環境では、ストレスホルモンともいわれるコルチゾールが過剰に分泌されることで心身の異常をきたすのです。コルチゾールは、交感神経を刺激し、血圧や心拍数を上げたり、免疫力や消化機能を低下させる働きがあります。この働きによって、動悸や下痢といった症状が引き起こされるのです。
以上のように、自律神経失調症の原因は人によってさまざまです。加えて、直接的な原因は特定できないことも多いといわれています。
これが、自律神経失調症が治るまでの期間に個人差がある理由といえるでしょう。
自律神経失調症の治療効果には個人差がある
自律神経失調症の治療効果には個人差があります。主な治療法として、「薬物療法」や「心理的サポート」、「認知行動療法」があります。しかし、これらの治療法は誰にでも効果があるとは限りません。
人によって症状の程度や治療効果も異なるため、治療法も個人に合わせて選択する必要があります。
たとえば、生活習慣の乱れが原因で自律神経の不調をきたしている場合、生活習慣を見直す必要があるでしょう。しかし、症状によっては、変えること自体が困難な場合もあり、改善に必要な期間もバラバラです。
また、治療中には症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す人もいます。これは自律神経失調症の特徴であり、必ずしも治療が失敗しているということではありません。
自律神経失調症の治療は長期的な視点を持つことが必要なのです。
自律神経失調症の治療法
自律神経失調症は治せる病気です。
具体的にどのような治療法があるのかみていきましょう。
生活習慣を整える
自律神経失調症の治療法のひとつは、生活習慣を整えることです。睡眠不足や過食、飲酒、喫煙などは自律神経のバランスを崩し、心身の不調を引き起こすのです。
一方、規則正しい生活や運動習慣は自律神経の乱れを整える効果があるといわれており、症状を改善できる可能性があります。
たとえば、運動習慣がある人では、コルチゾールの分泌を抑えられることが報告されています。適度な運動はストレスを解消し、血流や代謝を改善することで、自律神経を整える効果があるといえるのです。
すぐに生活習慣を変えることは簡単ではありません。無理に変えようとはせず、少しずつ改善していくことが大切なのです。
ストレスの解消
自律神経失調症の治療では、ストレスの解消も重要です。
誰しも少なからず感じているストレスは、職場での人間関係や受験期間など、置かれている環境や時期で感じ方が大きく変わります。長期間ストレスにさらされていると、自律神経のバランスが乱れ心身の不調を引き起こすのです。
ストレスを解消することは、自律神経のバランスを整える効果があります。
ストレス解消法の具体例を以下にまとめました。
- 適度な運動
- 趣味
- 気の合う友人との交流
- アロマテラピー
- 腹式呼吸
これらのストレス解消法を実践することで、気晴らしや気分転換にもなり、リラックス効果をもたらします。
ストレスの解消は、自律神経失調症の予防や治療に欠かせないのです。
薬による対症療法
自律神経失調症の症状を改善するために、薬剤療法もおこなわれます。
ただし、特効薬となるものはなく対症療法が基本です。
自律神経失調症に対して使われることの多い薬は、以下の通りです。
- 睡眠薬
- 鎮痛剤
- 整腸剤
- 漢方薬
- 自律神経調整薬
- 抗うつ薬
- 抗不安薬
自律神経失調症の症状には一般的に不眠や頭痛、動悸、めまい、冷え性があります。
眠れない場合は睡眠薬、痛みがある場合は鎮痛剤といったように、症状に合わせて薬が処方されます。
ストレスや不安症状が強い場合は、一時的に抗うつ薬や抗不安薬が処方されることもあるでしょう。
薬による対症療法では自律神経失調症の症状を一時的に改善する効果がありますが、根本的な解決にはなりません。
しかし、身体的な症状が改善されることでストレスが軽減し、治療効果が高まることもあります。
薬剤療法は医師と相談しながら適切に薬を服用し、場合によっては他の治療法と併用することで症状の回復を目指します。
下記の記事では、自律神経失調症に効く漢方薬を紹介しています。薬を飲むなら漢方薬の方が良い方や気になる方はご覧ください。
認知行動療法
自律神経失調症の治療法のひとつとして、認知行動療法があります。認知行動療法とは、物事の受け取り方や考え方、行動を改善することでストレスを軽減する心理療法のことです。
たとえば、「友達に無視された」という出来事があった場合、「嫌われているからだ」と悲観的にとらえるのではなく、「忙しくて気づけなかったから」と考え方を変えていく手助けとなるのが、認知行動療法です。
認知行動療法では、こうした自分の思考パターンを知り、それを少しずつ変えることで、ストレスとうまく付き合えるようにすることを目的としています。
自分自身が置かれている環境が原因で自律神経失調症が引き起こされていたとしても、環境はすぐに変えられないことが多いでしょう。認知行動療法によって、考え方や受け取り方を変えることでストレスを軽減することも大切なのです。
認知行動療法は自分でもできます。気になる方は下記の記事で詳しく説明していますので、ご覧ください。まずは、自分ではじめて見るのもおすすめです。
カウンセリング
自律神経失調症の治療法として、カウンセリングによる心理療法・精神療法があります。
相談者の抱える悩みや問題に対して、医師や心理カウンセラーがカウンセリングを通じて指導や援助をおこないます。カウンセリングはストレスや不安を取り除き心の健康を保つためにも有効です。
自分の気持ちや考え方を話したり聞いてもらうことで、解決の糸口が見つかることもあります。
カウンセリングによって自律神経失調症の原因を解決できる可能性もあり、今後の生活に役立てられる気づきが得られるでしょう。ちょっと聞いてもらいたいな…と思ったら、ひとりで悩まずにご相談ください。
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自律神経失調症が治ったきっかけは?体験談を紹介
仕事のストレスによって自律神経失調症になり、不眠や頭痛、動悸、めまいなどの症状に悩まされました。
仕事を休職し、薬を飲みながらの最初の1カ月は「いつ辞めさせられるのか」と不安な日々が続き、症状が良くなっている実感もありませんでした。
しかし、休職して2、3カ月が過ぎたころから徐々に症状が回復し、気持ちのゆとりも出てきたように思います。
その後も症状は一進一退ではありましたが、自分がどんな時に不安になるのか、頭痛やめまいが起こるのか、気持ちや感覚が自分自身でわかるようになってきました。
本当の意味での完治には時間がかかるとは思いますが、元の生活に戻れるよう、あせらないようにしたいと思っています。
この体験談では、自律神経失調症の症状が良くなったと実感できるまでに数カ月かかったことがわかります。自律神経失調症と向き合いながら、根気よく治療を続けることが大切なのです。
まとめ
自律神経失調症はストレスや生活習慣の乱れが原因となり、自律神経のバランスが崩れることでさまざまな症状があらわれる病気です。
適切に治療すれば治る病気ですが、治るまでの期間は数カ月〜数年と個人差が大きいといわれています。
自律神経失調症の治療法は、生活習慣を整えることやストレスの解消といったセルフケアが中心です。加えて、薬剤療法や認知行動療法、カウンセリングといった専門家による治療を受けることも大切です。
早めに医療機関を受診し適切な治療を受けることが、自律神経失調症を治す第一歩といえるでしょう。
ひとりで長く悩むこともストレスになるため、おおかみこころのクリニックは、土日診療もしていますので気になる症状などがあったらお気軽に相談してください。
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文献
自律神経失調症|日本内科学会
https://www.japha.jp/doc/byoki/019.pdf
セルフメンタルヘルス|厚生労働省 P8
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000881325.pdf
運動習慣の有無が心理生物学的ストレス反応性に及ぼす影響|別府大学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/79/0/79_3PM-098/_pdf/-char/ja
認知行動療法とは|認知行動療法センター
https://cbt.ncnp.go.jp/contents/about.php
こころもメンテしよう|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/counseling/index.html
自律神経失調症と私|こころの耳 厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/over/876/
- この記事の執筆者
- 原田瑞季
臨床検査技師。保健学修士。在宅で医療検査の業務に関わりながら、フリーライターとして医療を中心に幅広いジャンルで執筆中。