「自分が失感情症かもしれない」
「失感情症の改善・対処方法を知りたい」
とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
失感情症(アレキシサイミア)とは、喜怒哀楽の感情が認識しづらい状態のことです。
今回は失感情症の症状や特徴、失感情症になりやすい人、そして失感情症の「診断テスト」項目を解説します。
最後に、失感情症の対処法や予防法もご紹介するので[「失感情症を改善したい」「未然に防ぎたい」という方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
失感情症(アレキシサイミア)とは
失感情症(アレキシサイミア)とは、感情を認識するための感覚機能がうまく作用せずに、自分や他者の感情が認識しづらい状態を指します。
そのため、失感情症の人は感情と表情の表現が苦手で、他人から「冷たい人」「空気の読めない人」と勘違いされることがあります。
また、失感情症はアメリカの精神科医シフネオスが提唱した性格特性で、病気ではありません。
ここからは、失感情症に関して以下2つを詳しく解説します。
- 失感情症の症状や特徴
- 失感情症になる原因
失感情症の症状や特徴
失感情症(アレキシサイミア)の症状や特徴は、以下3つです。
- 他人とコミュニケーションがとれない
- 摂食障害になる
- うつ病や統合失調症に罹患する
失感情症の人は、自分の感情を言語化するのが不得意なため、他人とスムーズにコミュニケーションがとれないのが特徴です。
また失感情症の症状が重いと、感情をうまく表現できません。
感情を発散させる対処として、一気に食べ物を大量に摂取したり、食事量を極端に少なくしたりします。これをくり返した結果、摂食障害になることもあるのです。
そして失感情症で気持ちが沈んだ際、知らないうちにうつ病に罹患することがあります。
うつ病を放置すると、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続いて統合失調症に進行するリスクがあるため、注意が必要です。
症状が重い場合は悪化を防ぐために、医療機関や専門機関を早めに受診しましょう。
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失感情症の原因
失感情症(アレキシサイミア)のおもな原因は、次の2つです。
- ストレス
- 生得的要因
無意識にストレスを受け続けると失感情症の症状が出る可能性があるため、適度にストレスを解消する必要があります。
また感情の処理がスムーズでない場合、生まれたときから備わっている遺伝的な性質や特性である「生得的要因」が原因で失感情症の症状が出ることがあります。
遺伝的に失感情症の症状が出やすい場合も、気付かないうちにストレスを抱えてしまうことがあるため、意識的にストレスを発散しましょう。
失感情症(アレキシサイミア)になりやすい人
失感情症(アレキシサイミア)のおもな原因2つ以外にも、次の項目に該当する場合は失感情症になりやすいといえます。
- 緊張しやすい
- 不安になりやすい
- 完璧主義
- 八方美人
- 真面目で責任感が強い
- 神経質
- ストレス耐性が弱い
これらの項目にいくつか当てはまる場合は、自分の感情を認識しづらくなっている場合があります。自分の気持ちを理解できないと気持ちが表しにくいため、他者とのコミュニケーションが円滑に進まないことが予想されます。
周囲に気を使いすぎる方が多いですね💦
失感情症(アレキシサイミア)の「診断テスト」項目
失感情症(アレキシサイミア)の「診断テスト」のおもな項目は、以下11個です。
▢ 内面に向き合わない
▢ 感情をうまく言語化できない
▢ イメージを広げられない
▢ 本やドラマの登場人物に共感できない
▢ 他人の感情を想像できない
▢ 集団に適応できない
▢ 他人とのコミュニケーションに苦手意識がある
▢ 実はストレスに弱い
▢ 全身に倦怠感がある
▢ 体調不良になりやすい
▢ 神経が繊細で打たれ弱い
該当する項目が多い場合は、失感情症の可能性があります。
自分が失感情症かどうか気になる場合は、専門の医療機関に相談しましょう。
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また、失感情症の症状が軽い場合は、次に紹介する対処方法を行って症状を軽減させるのもおすすめです。
失感情症(アレキシサイミア)の改善・対処方法
ここからは、失感情症(アレキシサイミア)の症状の改善・対処方法5つを詳しくご紹介します。
- 自分の感情の状態を認識する
- ストレス環境から離れる
- 小説や物語を読む
- 積極的に感情を表現する
- 集団カウンセリングやリハビリテーション(精神力動的精神療法)を受ける
自分の感情の状態を認識する
自分の感情の状態や特性を認識できると、メンタルや体調の変化を把握しやすくなります。
そのため、自身が不調であることに気付きやすくなり、失感情症(アレキシサイミア)の症状の悪化を防げます。
日常的に自分の発言や行動を記録したり、家族や仲の良い友人など周りの人からの意見を聞いたりして自分の感情の特性を知っておきましょう。
日記を書くのも良いでしょう!
自分を客観視できますよ♪
ストレス環境から離れる
ストレスを感じやすいと、無意識に緊張や不安が溜まり、失感情症(アレキシサイミア)の症状が深刻化する恐れがあります。
疲れているという認識がなくても、仕事や勉強の途中で一定時間休憩を取って緊張をやわらげましょう。
また、発達障害だと物事に取り組んでいると集中しすぎる可能性があるため、とくに意識的に休憩時間を確保しましょう。
小説や物語を読む
小説や物語を読むと、出てくる登場人物の感情や思考の認識が可能です。
そのため、自分の感情を把握するための感覚機能がうまく働いて、他人とコミュニケーションがスムーズになります。
また、物語のなかでも、言葉だけでなく登場人物の表情や感情をイラストを用いて視覚的に把握できる、漫画や絵本がとくにおすすめです。
言葉とイラストがあることで、感情を表す方法や使う場面を学習できます。
積極的に感情を表現する
自分や他人の気持ちに興味を持って感情を表現できるようになると、失感情症(アレキシサイミア)の改善につながります。
まずは感情を「嬉しい」「悲しい」など大まかな種類に分けて、どういった場面でどの感情を感じたか当てはめるトレーニングをしたり、それらを記録したりして、感情を認識しやすくしましょう。
感情を認識した後は、積極的に自分の気持ちを実際の会話で言葉で表してコミュニケーションをしてみましょう。
集団カウンセリングやリハビリテーション(精神力動的精神療法)を受ける
集団カウンセリングやリハビリテーション(精神力動的精神療法)を受けると自分の感情が理解しやすくなり、失感情症(アレキシサイミア)の症状が軽減されます。
集団カウンセリングは、患者同士で感情を認識しあえるため、自分だけでなく他者の感情の把握が可能です。
また、リハビリテーション(精神力動的精神療法)は、カウンセリングによって自分では気付けなかった感情にも気付けるため、客観的に自分の状態や傾向を理解できます。
失感情症(アレキシサイミア)の予防法
最後に、失感情症(アレキシサイミア)を未然に防ぐ方法、以下2つを解説します。
- ストレス発散方法を身に付ける
- 意図的にリラックスできる時間を作る
ストレス発散方法を身に付ける
ストレスの発散方法を身に付けると、失感情症(アレキシサイミア)の原因である「ストレス」を溜め込まずに済みます。
たとえば、運動はやる気が高まる「ドーパミン」だけでなく、精神を安定させる「セロトニン」も分泌されるためストレス発散に最適です。
また日常から離れて趣味や創作に没頭したり、映画・ドラマ鑑賞で笑ったり泣いたりすることもストレス解消につながります。
自分に適したストレス発散方法を見つけて実践しましょう。
ストレスを抱えすぎると良いことはないので、程度に発散しましょう!
意図的にリラックスできる時間を作る
緊張しやすい人や神経質な人は、失感情症(アレキシサイミア)になりやすい傾向があります。
意図的にリラックスできる時間を作ると、自律神経をととのえて不安や緊張をやわらげられるため、失感情症の症状を防げます。
例えば、深呼吸したり湯船にゆっくりつかったりすると、リラックス効果がある副交感神経を高めて緊張を軽減できます。
また、自律神経やホルモンのバランスを調整できるよう、睡眠を十分にとるのもおすすめです。
意識的に休息できる時間をとって、不安をほぐしましょう。
まとめ
今回は、失感情症(アレキシサイミア)の概要や「診断テスト」項目、失感情症の対処方法や予防法などを解説しました。
失感情症は、ストレスや遺伝的な要因が原因で、自分や他者の感情が理解しづらい状態のことです。
失感情症の「診断テスト」の該当項目が多く、失感情症の可能性がある場合は、意識敵に自分の感情の状態を認識したり、ストレス環境から離れたりすると、症状の軽減につながります。
また、失感情症の症状が重い場合は、心療内科・精神科などの医療機関で相談してみましょう。
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