勉強しても成績が上がらないのは病気なのか|原因と対策について解説







「勉強しても成績が上がらない」

「テストの結果が勉強した割りに良くない」

このように悩む中学生・高校生は多いでしょう。「勉強しても成績が上がらないのは病気ではないか」と考えるかもしれませんが、原因には基礎が不足していたり、集中力が続かなかったりすることが考えられます。

ただし、人によっては学習障害、注意欠如・多動症などの病気を発症している可能性があります。

この記事では、勉強しても成績が上がらないのは病気なのか成績を上げるための対策について解説します。成績を上げるために適切な方法を知って、志望校に合格できる学力をつける手助けができれば幸いです。

勉強しても成績が上がらない原因

勉強しても成績が上がらない原因には、以下の3つが考えられます。

それぞれ見ていきましょう。

基礎が足りていない

基礎が足りていないと、成績が上がりづらくなってしまいます。

応用問題や複雑な課題に取り組む際に、難しいと感じやすくなるでしょう。とくに数学や理科などの科目は、基礎の理解が大切です。基礎がしっかりしていないと安定して良い点を取るのは難しいでしょう。

基礎を繰り返し復習し、理解を深めることが重要です。定期的に教科書を読み直して、基礎問題を解きましょう。模擬テストを行い、自分の理解度を測るのも有効です。

集中力が続かない

勉強しても成績が上がらない原因のひとつに、集中力が続かないことが挙げられます。

集中力が途切れると、学習効率が低下し、勉強時間の割に成果が出にくくなるのです。この原因には、学習環境の問題や生活習慣、個人の特性などが関わっています。

適切な休憩を取り入れたり、スマホやテレビを置かない環境にしたりするのが効果的です。集中力を高めるためのトレーニングやアプリの活用も検討してみましょう。

こころちゃん
こころちゃん

スマホは見えないところに置くといいですよ!

プレッシャーを感じている

プレッシャーを感じていることは、成績が上がらない原因となります。

プレッシャーが過度にかかると、精神的なストレスが増加し、集中力やモチベーションが低下します。とくに試験前や重要な課題に取り組むときには、プレッシャーが一層強まるのです。

リラックス法を取り入れ、精神的な余裕を持つことが大切です。呼吸法や瞑想、軽い運動などが効果的です。プレッシャーを感じたときに相談できる人を見つけておくのも、ストレスを和らげるのに役立ちます。

勉強しても成績が上がらないときに疑われる病気

勉強しても成績が上がらないときに疑われる病気には、以下の3つが考えられます。

成績が上がらないからといって、必ず病気であるというわけではありません。病気の特徴にあてはまると思ったときは、クリニックに相談にお越しください。

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学習障害(LD)

学習障害(LD)は、知的能力に問題がないにもかかわらず、特定の学習分野が極端に苦手な状態です。学習障害には、以下の3つのタイプがあります。[1]

・文字が読めない
・文字が書けない
・計算ができない

学習障害は、中枢神経系に何らかの機能障害があると考えられています。[2]学習障害の人は、一見すると普通に見えるため、周囲から理解されにくいことがあります。しかし、早期の診断と専門家のサポートによって克服が可能です。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)は、注意力の不足や衝動性、多動性が特徴の発達障害です。勉強に集中できず授業中に落ち着きがない、宿題を忘れるなどが生じます。6~15歳のうち、3~7%程度は注意欠如・多動症を発症していると考えられています。[3]

注意欠如・多動症の学生は注意が散漫になりやすく、一つのことに集中するのが難しいため、学習の効率が下がってしまうのです。しかし、薬物療法や行動療法、環境の調整などで症状を管理できます。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的なコミュニケーションや行動に特徴的な困難を伴う発達障害です。言葉の遅れ、オウム返し、会話が成り立たないなどの症状があります。[4]

自閉スペクトラム症では、特定の興味や活動に強いこだわりを持つため、柔軟な思考や行動が難しくなります。つまり、授業内容や勉強方法に適応するのが、困難になってしまうのです。

成績を上げるためには、個々の特性に応じたサポートが必要です。専門家の支援を受け、適切な学習環境を整えて、学習効果を高められます。

こころちゃん
こころちゃん

気軽にクリニックに相談してくださいね。

受験うつについては、以下の記事をご覧ください。

勉強しても成績が上がらないときの対策5つ

勉強しても成績が上がらないときには、以下の5つの対策を行ってみましょう。

ぜひ試してみてくださいね。

基礎を固める

成績を上げるためには、基礎を固めることが重要です。

基礎がしっかりしていないと、応用問題や高度な課題に取り組む際に困難を感じてしまうでしょう。基礎を理解しないまま進むと、どれだけ勉強しても応用問題が解けず、成績が伸び悩む原因となります。

基礎を固めるためには、教科書の基本問題を繰り返し解きましょう。基礎に関連する動画や参考書を活用して、理解を深めることが大切です。インプットだけでなく、アウトプットもして定着させましょう。

勉強計画を立てる

効果的な勉強には、計画的な学習が欠かせません

無計画に勉強を進めると、苦手な単元を見落とし、学習の効率が下がります。自分の目標を設定し、具体的な勉強計画を立てましょう。たとえば、一週間ごとに目標を設定し、日々の勉強内容を細かく決めることが効果的です。

計画を立てる際には、無理のないスケジュールを組んでください。定期的に計画を見直して進捗状況を確認すれば、効果的に学習を進められます。

静かな環境で勉強する

集中力を高めるためには、静かな環境で勉強することが重要です。

雑音や視覚的な刺激が多い環境では、集中力が削がれ、勉強の効率が下がります。自宅で勉強するときは静かな部屋を選び、机の上のいらない物を片付けましょう。図書館やカフェなど、静かな場所を利用することも有効です。

勉強中はスマホを遠ざけたり、テレビの電源を切ったりするなど、集中を妨げる要素をなくす工夫も大切です。

塾や予備校を利用する

自分だけでは解決できない問題や疑問があるときは、塾や予備校を利用することもひとつの手段です。

専門の講師がわかりやすく教えてくれるため、効率的に学習を進められます。塾や予備校では、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨でき、モチベーションの向上にもつながります。とくに苦手科目や自分では理解しにくい部分に重点を置いて指導を受けると、弱点を克服しやすくなります。

リラックス法を取り入れる

勉強の合間にリラックス法を取り入れることは、成績向上に役立ちます。

過度なストレスや疲労は、集中力や記憶力の低下を招くため、適度にリラックスしましょう。深呼吸やストレッチ、短い散歩などが効果的です。瞑想やヨガなどのリラックス法を習慣化すれば、心身のバランスを整え、勉強に対する集中力を維持できます。

適度な休憩を取りながら、効率的に勉強を進めましょう。

まとめ

勉強しても成績が上がらない原因には、基礎が足りていなかったり、プレッシャーを感じたりすることが挙げられます。勉強しても成績が上がらないからといって、病気であるというわけではありません。しかし、人によっては学習障害、注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症などの発達障害があるでしょう。

成績を上げるためには、基礎を固めたり、リラックス法を取り入れたりしてみましょう。スマホやテレビのない静かな環境での勉強も効果的です。

適切な方法で勉強をし、テストや模試の成績を上げて、志望校への合格に繋げていきましょう。

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【参考文献】
[1]学習障害(限局性学習症) | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html

[2]LD等の用語解説 | 一般社団法人 日本LD学会
https://www.jald.or.jp/info/glossary/

[3]ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-003.html

[4]ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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