生理でもないのに不正出血が起こると「病気にかかっているかもしれない」と不安を感じますよね。
実は、不正出血はストレスが原因で起こることがあるのです。
ストレスによる不正出血は、生活習慣の改善や適切なケアによって出血を止めることができます。出血の程度によっては、婦人科の受診が必要となるケースもあるため、状態を確認しておくことが大切です。
この記事では、ストレスと不正出血の関係やストレスによる不正出血の治し方を解説します。ストレスを上手く解消し、不正出血を止めるために役立てれば幸いです。
不正出血とは
不正出血は、通常の生理とは異なる時期に起こる出血のことです。生理周期に関係なく突然起こり、女性の身体に何らかの変化が生じている可能性を示すサインとなります。
不正出血は、色によって状態が異なります。[1]
- 茶色:古い血液
- 赤色:新しい血液
茶色の不正出血は、出血後に時間が経ち酸化した血液で、それほど深刻ではありません。生理前後に見られるときは、子宮内膜が剥がれ始める、生理後に残った経血が酸化するなどが原因です。赤色の不正出血は、ホルモンバランスの乱れや生理不順などによって起こります。
さらに、不正出血の原因には子宮筋腫や子宮頸がんなどの病気なども考えられ、赤色や茶色の血が出ます。不正出血が長期間続くときは、色に関係なく早めに婦人科を受診して検査を行いましょう。
受診の目安は、記事の後半で紹介しています。先に診たいときはこちらからご覧ください。
心配なときは婦人科で診てもらいましょう
ストレスと不正出血の関係
ストレスと不正出血には、密接な関係があることが医学的に明らかになっています。強いストレスを感じると女性ホルモンのバランスが乱れ、不正出血が引き起こされることがあるのです。
たとえば、東日本大震災後に閉経した女性を対象とした調査があります。強いストレスにさらされた被災地域では、不正出血の症例が増加したと報告されているのです。[2]
日常生活における慢性的なストレスも要注意です。とくに仕事や人間関係などによるストレスがたまり続けると、月経周期の乱れや不正出血を引き起こす可能性があります。[3]心の健康は、女性の身体にも不調をもたらすのです。
ピルを服用中に不正出血が生じたら、下記の記事をご覧ください。
ストレスによる不正出血の治し方
ストレスによる不正出血を改善するには、次の3つの方法があります。
それぞれの方法について見ていきましょう。
身体を温める
身体を温めることは、不正出血の改善に効果的な方法です。
ストレスを感じると自律神経が乱れ、末梢血管が収縮して血行が悪くなります。[4]その結果、体の隅々まで十分な血液が行き渡らなくなり、ホルモンバランスが崩れやすくなるのです。
血流を改善するためには、お風呂でゆっくり温まったり、軽いストレッチをしたりしましょう。とくに就寝時は体温が下がりやすいため、腹巻やレッグウォーマーを使用して身体を温めてください。
さらに、血行を促進するためのマッサージも有効です。足の裏やふくらはぎなどの簡単なマッサージを行ってみましょう。マッサージをすれば末梢血管の働きが改善され、冷えの解消につながります。
冷えは大敵です💦
あたたかくして過ごしてくださいね
安静にして過ごす
ストレスによる不正出血があるときは、できるだけ心身を休ませることが大切です。
過度な運動や激しい動きは避け、十分な休息を取りましょう。出血量が多い日は横になって安静にし、身体に負担をかけないようにしてください。
寝る前は、スマホやパソコンの使用を控えめにすると良いです。ブルーライトは体内時計に影響を及ぼすため、眠りが浅くなってしまいます。[5]代わりにリラックスできる音楽を聴いたり、深呼吸をしたりして過ごしましょう。
ストレス解消のために、アロマテラピーを取り入れるのもよい方法です。ラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のある香りは、自律神経を整え心身の緊張をほぐします。香りを楽しみながら、ゆっくりと休息を取りましょう。
規則正しい生活を送る
不正出血の改善には、規則正しい生活を送ることが大切です。
就寝時間と起床時間を一定にし、質の良い睡眠をとることで自律神経のバランスが整います。[6]また、バランスの良い食事は、ホルモンの分泌を整えやすくします。とくに、タンパク質やカルシウムを積極的に摂るとよいでしょう。[7]
生活リズムを整えることは、不正出血の改善に役立ちます。「毎日決まった時間に食事をとる」「夜更かしをせず早めに寝る」など、できることから始めていきましょう。
また、運動はストレス解消につながるため、習慣化させてください。ウォーキングやヨガなど、負担の少ない運動を選んでみましょう。
不正出血で婦人科を受診すべき目安
不正出血があるときは、量や期間に関わらず一度婦人科を受診しましょう。子宮筋腫や子宮頸がんなど、重大な病気が隠れている可能性があるためです。
受診の際は、次のことを医師に詳しく伝えましょう。
- 出血の色や量
- 出血している期間
仕事や人間関係でストレスを感じている、夜勤で生活リズムがバラバラなど心当たりがあるときはそれらの情報も話してください。
また、同じ病院で継続的に診察を受けることが大切です。不正出血が繰り返し起こるときは、過去の検査結果と比較するとより正確な診断が可能になります。一度の検査で異常が見つからなくても、症状が続いていたら定期的な検査で経過を見ていきます。
定期的に受診すると安心ですね!
まとめ
不正出血はストレスによって引き起こされる症状であり、適切な対処が必要です。ストレスはホルモンバランスを乱し、不正出血を引き起こすことがあります。
症状の改善には「身体を温める」「規則正しい生活を送る」など、ストレスを解消する工夫が効果的です。これらの対策を日常生活に取り入れることで、症状の改善が期待できます。
ただし、不正出血は子宮筋腫や子宮頸がんなどの病気のサインであるため、婦人科を受診することをおすすめします。早期の発見と治療が、心身の健康を守るために最も重要なポイントとなるのです。
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【参考文献】
[1]不正出血|公益社団法人 日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/5710
[2]3.災害ストレスと疾患|日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/note/3-%E7%81%BD%E5%AE%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%A8%E7%96%BE%E6%82%A3
[3]The impact of today’s chronic stress on a woman’s menstrual function,O. L. Lovkina,N. G. Masibroda,O. A. Muntyan,V. V. Klivak,A. V. Vozniuk
https://reports-vnmedical.com.ua/index.php/journal/article/view/1152
[4]ストレスとは|働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-3.html
[5]健康づくりのための睡眠ガイド 2023
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
[6]【魚沼】メンタルヘルスシリーズ第4回 「自律神経を整えましょう」|新潟県
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/uonuma_kenkou/1356756732281.html
[7]食事|働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/meal.html