適応障害により仕事を負担に感じると、転職を意識することは少なくありません。
ただし、体調が不安定な時期は適切な判断が難しくなり、焦って環境を変えることで心身の負担が続いてしまうこともあります。
この記事では、適応障害で転職を検討するときに押さえておきたい3つのポイントと、よくある質問について解説します。
このまま転職して大丈夫？と悩むあなたが、安心して転職活動を進めるヒントになれば幸いです。
この記事の内容
適応障害による転職で後悔しないために大切なこと
心身が不安定な時期は環境を変えてもストレスが続きやすく、焦って転職すると結果として後悔につながることがあります。
体調が安定し働ける見通しが立ってから転職を検討するほうが、次の職場選びも進めやすくなるでしょう。
判断に適したタイミングや転職に必要な準備を確認しながら、後悔の少ない選択を目指すことが大切です。
適応障害により転職を考えるときのポイントは、次で紹介します。
適応障害で仕事をどうする？と迷ったときは、下記の記事もあわせてご覧ください。
適応障害で転職を考えるときの3つのポイント
適応障害で転職を検討するときは、以下3つのポイントについて考えましょう。
それぞれ解説します。
ストレスの原因を見極める
安心して転職するためには、ストレスの原因を見つめ直す必要があります。
適応障害は、環境やできごとによるストレスに反応して起こる病気です。[1]
以下のように「何がつらかったのか」を言葉にすることで、あなたに合った働き方のヒントが見えるでしょう。
- ノルマがきつかった→自分のペースで働ける職場を選ぶ
- 接客が負担だった→人とのかかわりが少ない仕事を検討する
- チームの人間関係に疲れた→少人数で落ち着いた環境を探す
原因を整理してみると、次にどんな環境で働きたいかが見えてくるはずです。
ムリをして頑張るよりも、安心して続けられる環境を選ぶことが後悔の少ない転職につながります。
あなたにとって働きやすい環境を見つけましょう！
こころと身体が回復しているかを確認する
適応障害はストレスから離れると回復しやすい病気ですが、ムリは禁物です。
まずは睡眠や食事など、日常のリズムがととのっているかを回復の目安にしましょう。
回復が十分でないまま転職活動を始めると、体調の悪化や再発につながることがあります。
「新しい環境に変われば大丈夫」と思っても、こころと身体の準備がととのっていなければ、また同じように負担を感じやすいでしょう。
転職をムリなく進めるために、まず働ける健康なこころと身体づくりが大切です。
決断前に医師に相談する
転職の判断はひとりで抱え込まず、主治医にも確認すると安心です。
回復が進むにつれて働ける感覚が戻ってきても、ストレスのかかり方や再発のリスクは自分では判断しづらいことがあります。[2]
診察で体調の安定度や働き方の見通しについて、主治医と共有しておくとよいでしょう。
回復の度合いを客観的に見ながら進めることで、ムリのない転職に踏み出しやすくなります。
Q：転職時の面接で適応障害を言わないほうがよい？
転職の面接で、これまでの病気や通院歴を伝える義務はありません。
「伝えないのは不誠実では？」「あとで知られたらどうしよう」と不安に感じるときは、勤務時間や業務内容に配慮が必要な範囲で伝えましょう。
必要に応じて主治医に相談し診断書や意見書を準備しておくことで、入社後に体調面の相談がしやすくなります。
体調が安定しており勤務に支障がない場合は、ムリに話す必要はありません。
もし伝えるか迷うときは、主治医やカウンセラーに相談し「どの程度なら説明してもよいか」「言い方をどう工夫すればいいか」を一緒に考えましょう。
迷ったときは何でも相談してくださいね。
Q：適応障害は転職時に不利になる？
「適応障害があると転職で不利になるのでは」と不安に感じる方は少なくありません。
企業が選考で重視するのは病名ではなく「現在どの程度働ける状態か」「今後も安定して働けそうか」といった点です。
症状が落ち着き、業務に支障なく働ける見通しが立っていれば、必要以上に不利になるとは限りません。
大切なのは「有利か不利か」ではなく、あなたがムリなく働ける環境かどうかという視点です。
焦らず、あなたに合った働き方を選ぶことが結果的に負担の少ない転職につながります。
Q：適応障害の転職で相談できる場所はある？
適応障害を経験した方が転職について相談したいときは、ハローワークを利用できます。
ハローワークでは、一般求人の紹介だけでなく、働き方の希望や通院の状況などを相談員に伝えることが可能です。
勤務時間の調整や働きやすさに関する希望があるときは、あらかじめ共有しておくと安心でしょう。
また、転職のストレスにより体調が揺らぎやすくなる可能性があるため、通院を継続することも安心につながりやすくなります。
通院が負担になるときはオンライン診療を利用し、体調や働き方について相談しましょう。
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まとめ｜適応障害の転職は焦らずあなたのペースで考えよう
適応障害で転職を考えるときは、こころと身体をととのえながらあなたに合った働き方を見つけることが大切です。
以下3つのポイントを意識しましょう。
- ストレスの原因を見極める
- こころと身体が回復しているかを確認する
- 決断する前に主治医に相談する
転職をひとりで進めようとせず、主治医やハローワークなどに相談することで安心感のある転職活動を継続できます。
体調や働き方の相談を自宅から相談したいときは、おおかみこころのクリニックのオンライン診療をご利用ください。
ビデオ通話で医師に今の状態を相談しながら、転職のタイミングや働き方の目安を一緒に整理しましょう。
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【参考文献】
[1]新開隆弘｜3.ストレス，適応障害
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jser/84/1/84_1/_pdf/-char/ja
[2]こころの耳｜1 メンタルヘルス不調の治療と休業
https://kokoro.mhlw.go.jp/return/return-worker/rw001
- この記事の執筆者
- とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格：看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士
