パニック障害は、突然のめまいや動悸、息苦しさをくり返す病気です。「死ぬかもしれない」といった恐怖を抱くこともあるでしょう。パニック障害をおこしやすい人には、共通した特徴があるのでしょうか?
この記事では、「パニック障害になりやすい人の特徴」を解説します。
この記事を読んで、ご自身の性格、年代、性別であてはまっているものはないかチェックしてみてください。
また、同じ内容の動画もあるので、動画のほうが好きな方は下記よりご覧ください。
パニック障害(パニック症)とは
パニック障害とは、めまいや動悸、呼吸困難などの自律神経症状が前ぶれなくおこり、強い恐怖や不安といった「パニック発作」が出る病気です。
100人に1人発症するとされており、人によっては日常生活に支障をきたすこともあります。
パニック障害の方は「予期不安*」を感じるようになり、電車などの人混みのように、発作がおこりやすい場所を避けるようになります。
*)予期不安:パニック発作になったときの苦しさや怖さから、「また発作が起きたらどうしよう」と⼼配になること
たとえば、エレベーターも閉じられた空間なので、怖くて使えないこともあるでしょう。
頼れる人がいない状況を作らないために、一人で行動することも減っていきます。
このように症状が悪化すると、ふつうに日常生活を送るのも難しくなっていく不安障害の一つです。
パニック障害になりやすい人の特徴(性格)9選
ここでは、パニック障害になる人に多い特徴を紹介します。
もちろん、この中にあてはまるものがあるからといって、必ずパニック障害になるわけではありません。
パニック障害は性格だけでなく、からだの調子やメンタル面の状態など、いくつかの要因が重なって発症する病気です。
あくまでも、パニック障害のリスクを知るための参考にしてみるとよいでしょう。
もし、自分で判断に悩む場合は、専門家に相談してみましょう!お気軽にご相談ください。
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① まじめな「完璧主義者タイプ」
まじめな人には、どんなトラブルにも完璧に対処しようとする「完璧主義者」が多いです。
難しいこともなんとか乗り越えようと無理をしてしまうため、ストレスがたまりやすくなります。
「少しのミスも許せない」という方は、まじめさゆえに、ストレスを受け続けている可能性もあるので注意しましょう。
② 責任感が強い「学級委員タイプ」
「家事や育児、そして仕事も…」と、どんなことにも責任感を持って取り組める人も注意が必要です。
どんなことも中心になってやろうとするため、限界を超えて無理をしてしまうこともあるでしょう。
しっかりしている人こそ、気を張っていて心身の疲れが出やすい状態にあることが多いです。
③ こだわりの強い「頑固タイプ」
こだわりの強い人は、他人と意見が合わないときにストレスを感じやすくなっています。
自分の考え通りに話が進まないと気持ちが落ち着かず、イライラしてしまうことも多いでしょう。
「自分の考えなんて…」と自信を失うきっかけにもなりやすく、ストレスを受けやすくなります。
④ まわりに配慮できる「気配り上手タイプ」
家族や友人が悩んでいたり困っているときに、いっしょに考えてくれる気配り上手な人は自分のことは後回しにしてしまいがちです。
このタイプの人は、知らないうちにガマンしてしまい、自分が辛くても気持ちを抑え込んでしまう傾向があります。
⑤ 緊張しやすい「あがり症タイプ」
ここぞというときに緊張して、本来の力を出せない人がいます。
緊張する理由として、「うまくいかなかったらどうしよう…」という、これから起こる未来への不安を感じやすいことがあります。
つまり、ふだんから不安や緊張が出やすい人は、こういった少し先のネガティブな結果を想像することに慣れてしまっているのです。
これは気分が落ち込む原因にもなりやすく、注意が必要です。
⑥ 感受性が豊かな「共感上手タイプ」
感受性が豊かな人は、ちょっとしたことから強い感情が生まれることがあります。
たとえば、怒りや悲しみ、イライラなどのネガティブな感情を抱きやすくなっているのです。
このようなタイプでは、SNS上の悪口や誹謗中傷からもストレスを感じやすいので、対策が必要です。
⑦ ガラスのハートの「繊細さんタイプ」
繊細な人は、他の人が気にならないことにもサッと気づくことが多いでしょう。
その一方で、いろいろ気づきすぎて疲れやすいという特徴もあります。
また、相手の何気ない言葉を深刻に受けとめて、悩むことも多い性格です。
ほんのわずかな不安も感じるため、ふだんからストレスをためないように気をつけるようにしましょう。
⑧ 人間関係に疲れた「コミュニケーション疲れタイプ」
家族や友人、職場やご近所周りの人とのちょっとしたコミュニケーションがストレスになります。
いつも相手に気を使っていると疲れてしまうため、ネガティブな感情を抱きやすくなってしまいます。
結果、パニック障害をおこしやすくなってしまうのです。
⑨ うつ病になったことがある「うつ病併発タイプ」
パニック障害もうつ病も、共通の病態があります。
古い研究ですが、パニック障害の多くの症例でうつ病を併発していた、と報告されていました。
両者は独立しているわけではなく、共存していることが多いのです。
お互いにリスク因子であり、双方向的な関係があります。
うつ病になったことがある人は、パニック障害もおこしやすいので注意しましょう。
パニック障害(パニック症)になりやすい年代
パニック障害がおきやすい年代は、10代後半から30代です。60代にさしかかると、発症率は減少していきます。
性別による傾向の違いとしては、男性のほうが若い年代で発症しやすく、女性における発症のピークは30代です。
また、パニック障害の症状は更年期障害とも重なってしまうので、40~50代女性ではの更年期障害との鑑別が難しくなります。
パニック障害(パニック症)になりやすい性別
パニック障害は女性におきやすく、男性の2〜3倍多く発症するとされています。
この理由は明らかになっていません。
ただし、生理前や更年期にパニック発作がおきやすいことから、ホルモンバランスが影響しているのではないか、と考えられています。
まとめ
この記事ではパニック障害になりやすい人の特徴を解説しました。
ただし、実際にパニック障害がおこるかどうかはストレスや疲労など、さまざまな要素が組み合わさって決まります。
「もしかしたら、自分はパニック障害なのかもしれない…」と悩んでいるならば、一度当院にご相談ください。かしこまる必要はありません。お気軽に相談していただけますと、あなた自身の悩みをまっすぐ受け入れることができます。その方が、あなたの悩みに寄りそえますので、ぜひお気軽におこしください。
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参考文献
後山尚久|女のパニック障害
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/8/3/8_KJ00000791487/_pdf/-char/ja
小西喜昭|パニック障害における発症年齢と人格特性の関連性についての検討
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsad/6/1/6_25/_article/-char/ja
貝谷久宣|パニック性不安うつ病
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/44/5/44_KJ00000835314/_pdf/-char/ja
厚生労働省|資料:心もメンテしよう(不安障害)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/docs/know_02_pdf.pdf
参考サイト
e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-050.html
京都府精神保健福祉総合センターHP(心の健康のためのサービスガイド)|パニック発作とは
https://www.pref.kyoto.jp/health/health/health06_a.html
- この記事の執筆者
- こみぞあつこ
看護師ライター。公立総合病院で25年勤務。精神科外来での臨床経験あり。