パニック障害と更年期障害は同じ?症状の違いや発症時期の違い

パニック障害と更年期障害の関係

パニック障害を抱えながら更年期をむかえた場合、「発作や症状が悪化しないかな」と不安に思っていませんか?

パニック障害が慢性化すると、「うつ病」や「精神障害」を合併することもあります。

実際にパニック障害と更年期はどんな関係があるのでしょうか。この記事では、パニック障害と更年期障害の関係性をわかりやすく解説します。更年期を前にどんなことに注意しておくとよいか、もあわせて紹介するのでチェックしておいてくださいね!

パニック障害とは【症状があるのに検査では異常なし】

【パニック障害】とは、突然、激しい動悸や息苦しさがおこる病気です。

「このまま死んでしまうのではないか」と思うほど、強い不安と恐怖感がくり返されることもあります。

パニック障害の原因の一つとして、脳内の神経伝達物質である「ノルアドレナリンやセロトニンのバランスの乱れ」が挙げられます。

ただし、現在の医学ではその詳細はまだ解明されていません。

日常生活のストレスや疲労、睡眠不足などが発症の要因ともされていますが、症状があるのに身体検査では何も異常が発見されないのが特徴的です。

更年期におけるパニック障害【更年期障害と症状が似ていて鑑別が難しい】

実際、パニック障害と更年期に直接的な関係はありません。

パニック障害は予兆なくおこり、呼吸困難、胸痛、めまいなどの症状があらわれることもあります。

上記の症状は10分程度でピークに達し、数十分ほどでおさまるとされています。

一方、更年期障害】とは、更年期にあらわれるさまざまな症状の中で、とくに日常生活に支障をきたすもののことです。

一般的に「更年期」とは、閉経を目安に45~55歳頃の10年間のことです。女性においては、そのときに更年期障害がおこることが多いとされています。

つまり、女性の更年期障害には女性ホルモンが大きく関係しているのです。これは女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が減少し、ホルモンバランスが崩れてしまうのが原因です。

また、症状は一時的ではなく、継続して現れるという特徴もあります。

パニック障害と更年期障害は、ともに身体的・精神的に症状が現れる病気です。ただし、両者の症状はかなり似ているので、症状だけでこれらを見分けるのは難しいでしょう。

パニック障害と更年期障害の違い【年齢や症状の継続性について】

パニック障害と更年期障害は、ともに身体的・精神的に症状が現れる病気です。

ただし、両者の症状はかなり似ているので、症状だけでこれらを見分けるのは難しいでしょう。

ここでは、パニック障害と更年期障害の身体的症状・精神的症状をそれぞれまとめています。

パニック障害更年期障害
身体的症状突然の激しい動悸・脈拍数の増加・発汗・身震い・息苦しさ・窒息感・胸部の痛み・不快感・吐き気・めまい・寒気など頭痛・ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)・動悸・腰痛・むくみ・めまい・吐き気・手足のしびれ・便秘・下痢・頻尿・膀胱炎など
精神的症状死ぬかと思うほどの不安と恐怖・また発作が起きるかもしれない不安(予期不安)・特定の場所や状況を避ける(広場恐怖)など情緒不安定・イライラ・憂うつ感・不眠・不安・物忘れ・倦怠感・集中力の低下・判断力の低下など

一見すると、パニック障害と更年期障害の症状はかなり似ています。

両者を見分けるためのポイントは「発症しやすい年齢」「パニック障害に特徴的な症状」です。

発症しやすい年齢

パニック障害がおこりやすい年齢は10~40代といわれています。

一方、更年期障害は50歳を基準として前後5年とされているため、45~55歳頃がピークとなることが多いです。

パニック障害の症状の3つの段階【パニック発作・予期不安・広場恐怖症】

パニック障害のおもな症状には、以下のようなものがあります。

  • パニック発作
  • 予期不安
  • 広場恐怖症

これらが悪化してしまうと、人前に出て生活するのが難しくなり「うつ病」になることもあります。

パニック発作とは、突然強い動悸や息苦しさが起こり、「死ぬかもしれない」という不安や恐怖におそわれる短期的な症状のことです。

これらを繰り返すうちに「また発作が起きたらどうしよう」と不安になることを「予期不安」と呼んでいます。

さらに、パニック発作がおきた状況や場所を避けるようになってしまうのが「広場恐怖」です。

不安や恐怖が強くなるにつれて行動範囲が狭くなり、生活に支障が出てしまうでしょう。

このような症状が出ている場合は、精神科や心療内科での専門の治療をおこなう必要があります。

パニック発作が出ていることに気がついたら、できるだけ早めに専門のクリニックでご自身の症状について相談してみましょう。

パニック障害で更年期をむかえるときの注意点3選

若いうちからパニック障害をもっているのなら、いざ更年期をむかえたときにパニック障害が悪化するのではないかと不安に感じているかもしれません。

不安にならないために、以下の3つのポイントに注意しましょう。

薬を自己判断でやめない

薬の効果で症状が軽くなったとしても、自己判断でやめたり飲む量を変えるのはやめましょう。

医師の指示を守らないと再発する可能性があるからです。

更年期障害は、パニック障害と似ている症状があるので、自分で薬を中断してしまった場合、どちらの病気か判断が難しくなります。

お薬は必ず医師の指示の通りに飲むようにしてくださいね。

お酒やカフェインを摂り過ぎない

不安や恐怖といった症状が軽くなってきても、お酒やカフェインの摂り過ぎには注意しましょう。

「少しくらい大丈夫かな」という気持ちでアルコールを過剰摂取すると、パニック発作をおこすリスクが高まります。

とくにお酒は、パニック障害の症状がおさまっていてもほどほどにしておきましょう。

よく寝て疲れをためない

ふだんから規則正しい生活をすることがパニック障害の予防になります。

できるだけ疲労をためないように心がけて、睡眠はしっかり取るようにしましょう。

生活リズムの乱れは、ノルアドレナリンやセロトニンなどのバランスを崩す原因にもなります。

食生活や軽い運動など、できることか習慣にしておきましょう。

パニック障害で更年期がきても大丈夫!しっかり治療を行いましょう!

パニック障害と更年期障害に、直接的な関係はありません。似ている症状もありますが、発症しやすい年齢や性別、継続性が異なります。それでも、自分の症状がどちらにあてはまるのか心配な方は、専門のクリニックで相談してみるとよいでしょう。

また、パニック障害が慢性化してしまうと「うつ病」や「不安障害」などの合併症を引き起こすこともあるので、正しい治療を続けていくことが大切です。

おおかみこころのクリニックでは24時間予約を受けつけています。何かあったときにすぐに相談できるようにLINEの友達登録をしておいてくださいね。

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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