PMDDの症状が重くて仕事に行けずに悩んでいませんか?
PMDDは、生理前にあらわれる重度の身体的・精神的症状によって、日常生活や仕事に大きな影響を与えます。
PMDDで仕事に行けなくなることは、決して甘えではありません。
極端に気分が変動したりイライラしたりするため、業務をこなせなくなってしまうのです。
この記事では、PMDDで仕事に行けなくなる理由、PMDDで仕事に行けないときの対処法について解説します。PMDDと向き合いながら、仕事と両立できるように役立てれば幸いです。
この記事の内容
PMDDで仕事に行けないのは甘え?
PMDDで仕事に行けないことは、決して甘えではありません。PMDDは「月経前不快気分障害」という正式な診断を持つ病気で、生理前に以下のような精神的・身体的症状があらわれます。
- 不安
- 疲労感
- イライラ
- 不眠または過眠
- 強い気分の落ち込み
PMDDで仕事に行けなくなるのは、あなたの意思の弱さではなく症状の重さが原因です。PMDDへの適切な理解と支援があれば、症状のコントロールと仕事の両立が可能になります。
病気なので甘えではありません。安心してくださいね!
PMDDで仕事に行けなくなる理由
PMDDで仕事に行けなくなるおもな理由は、症状の重さと頻度にあります。PMDDの症状は生理前の期間に集中してあらわれ、その間の日常生活に大きな支障をきたすのです。
気分の落ち込みによって集中力が低下し業務の質が保てなくなることや、身体的な不調によって長時間のデスクワークが困難になることがあります。また、対人関係のストレスが増え、職場でのコミュニケーションに支障をきたしてしまうでしょう。
PMDDの症状が重い生理前になると仕事に支障が出るため、出社できなくなってしまうのです。
PMDDで仕事に行けないときの対処法
PMDDで仕事に行けないときの対処法を3つ紹介します。
自分に合った方法を見つけ、継続的に実践していきましょう。
運動を習慣づける
運動は、PMDDの症状を緩和するのに効果的な方法のひとつです。適度な運動はネガティブな気分を発散したり、睡眠リズムを整えたりする働きがあります。[1]
たとえば、ウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動を1日30分を週2回行いましょう。軽い筋トレやストレッチも合わせて行うと、より健康になります。[2]
運動を習慣づけるコツは、自分のペースで無理のない範囲から始めることです。1日10分だけでも運動をしたり、移動中はエスカレーターではなく階段を使ったりしてみましょう。徐々に運動量を増やしていけば、PMDDの症状を改善するのに役立ちます。
あらかじめ職場に伝えておく
PMDDの症状と仕事への影響について、あらかじめ職場に伝えておくことは大切です。上司や人事に状況を説明して理解を得ることで、必要なサポートを得やすくなります。
症状が重いときの勤務調整やテレワークの活用など、柔軟な働き方について相談しておくとよいでしょう。また、診断書を提出すれば、職場からの配慮を受けやすくなります。
職場との良好なコミュニケーションを保つことで、PMDDの症状があっても働きやすい環境を整えられます。症状がひどくて仕事に行けないことが多い人は、上司に相談をしてみてください。
体調が悪いのをガマンせずに相談してみましょう!
栄養バランスのある食事にする
栄養バランスの取れた食事は、PMDDの症状を和らげるために重要です。
炭水化物やたんぱく質、カルシウム、マグネシウムを摂取することが推奨されています。[3][4]とくに、カルシウムには精神安定作用があり、イライラを落ち着かせることができます。[5][6]具体的には、以下の食材を取り入れましょう。[7][8][9]
・卵
・鶏肉
・豆類
・牛乳
・水菜
・小松菜
・ナッツ類
・木綿豆腐
・ほうれん草
・ヨーグルト
また、カフェインや塩分の摂りすぎは避け、アルコールも控えめにすることが大切です。規則正しい食生活を心がければ、PMDDの症状を和らげることができます。
PMDDで仕事に行けないときに職場の理解を得る方法
PMDDで仕事に行けないとき、職場の理解を得ることは重要です。適切な対応によって、症状と仕事の両立が可能になります。
職場の理解を得るための方法として、以下の3つが有効です。
- 診断書を持って行く
- 信頼できる上司に相談する
- リモートワークや時短勤務などを提案する
診断書を提出すれば、周囲からの理解や配慮を得やすくなります。 信頼できる上司が状況を理解してくれれば、他のメンバーと話し合う際に橋渡し役として助けてもらえるでしょう。また、リモートワークや時短勤務を提案すれば、仕事を完全に休むことなく、体調に合わせた働き方が可能になります。
職場の状況や個人の症状によって最適な方法は異なるため、自分に合った方法を選んでみてください。
PMDDで休職するときの対応策
PMDDの症状が重くて仕事を続けられないときは、休職を検討する必要があります。休職する際は、適切な対応策を取りましょう。
休職時のおもな対応策は以下の3つです。
- 診断書を用意しておく
- 自立支援医療制度を申請しておく
- 精神障害者保健福祉手帳を申請しておく
自立支援医療制度を申請すると、市区町村が医療費を負担してくれます。また、精神障害者保健福祉手帳とは、精神疾患のために長期にわたって日常生活や社会生活に制約がある人を対象とした手帳です。PMDDと診断された人は手帳がもらえて、手当の支給や税金の控除が行われます。
自立支援医療制度も精神障害者保健福祉手帳も、申請には審査が必要になります。医師やお住いの役所、お近くの精神保健福祉センターに対象になるか相談してみてください。[10][11]
休職中も治療に専念し、職場復帰に向けて体調を整えていくことが大切です。
まとめ
PMDDで仕事に行けない状況は、決して甘えではありません。適切な対処法と職場の理解があれば、仕事との両立が可能になります。
PMDDの症状を改善するためには、運動の習慣化や栄養バランスの良い食事が効果的です。また、職場に状況を伝え、必要に応じて働き方の調整をしましょう。
PMDDと上手に付き合いながら、自分らしく働き続けるためには、症状の理解と適切な対処がポイントです。一人で抱え込まず、医療機関や職場の支援を積極的に活用しましょう。
おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療も行っています。忙しくて来院する時間がないけど一度相談してみたいという人は、お気軽にお問い合わせください。
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【参考文献】
[1]体を動かす|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
[2]健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf
[3]精神科からみたPMS/PMDDの病態と治療,大坪天平
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/22/3/22_258/_pdf
[4]PMS,PMDDの診断と治療ー他科疾患との鑑別ー,白土なほ子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/77/4/77_360/_pdf/-char/ja
[5]月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)|近畿大学病院
https://www.med.kindai.ac.jp/diseases/pms.html
[6]ストレスと上手につきあう方法 | 日野町役場
https://www.town.shiga-hino.lg.jp/0000000117.html
[7]大切な栄養素カルシウム|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics1_05.html
[8]マグネシウムの働きと1日の摂取量|健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-mg.html
[9]三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
[10]障害者手帳・障害年金|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/support_certificate.php
[11]自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000146932.pdf