自力でできる不安神経症の治し方【苦手なシーンを克服する5つの方法】







どのくらい不安な状況が続いたら、不安神経症なの?

浅田先生
浅田先生

不安が大きすぎて、日常生活や仕事などに影響が出ている状況が成人では6ヶ月、子どもの場合は4週間続いている状態をいうんだ。[1]

じゃあ、わたしはまだ1ヶ月だから違うのね…

浅田先生
浅田先生

そうじゃないんだ。さっき言ったのは診断基準なだけで、生活に困るほど悩んでたら、早めに受診していいんだよ。

「自分は不安神経症なんだろうな…」

「自力で治す方法を知りたい」

などと悩んでいませんか?

不安神経症は、心理的・社会的な要因によって発症します。不安を感じて気持ちが落ち着かないという経験をした方もいるのではないでしょうか。

比較的症状の軽い不安神経症なら、自力で治すことも可能ですが、自分がキツイと思ったらクリニックを受診しても大丈夫です。

今回は、自力でできる不安神経症の治し方のコツ原因を解説します。ただし、自力で治すのが難しいと感じた場合は、クリニックを受診してみましょう。

不安神経症の原因

不安神経症の原因は完全には分かっていませんが、主に下記のような遺伝やストレス、環境的な要因が可能性として考えられています。[2]

  • 遺伝要因(家族に不安症の既往歴がある)
  • 社会的な環境要因(災害、仕事でのトラブル)
  • 精神的な要因(性格、元々持っている気質)
  • 身体的な要因(身体的な病気になった)

不安神経症は、日常生活の中で不安になることが生じて、自分では抱えきれない場合に発症することもあります。

また、幸せホルモンと言われているセロトニンによって、私たちはリラックスでき精神を安定させています。しかし、ストレスによりセロトニンの分泌が減少すると、心のバランスが不安定になり、パニック症などの不安神経症を引き起こす原因になるのです。[3]

不安神経症になりやすい人の特徴

用心深い性格(心配性)の方や完璧主義の方は、未来の危険を回避しようと、日常生活の中で気を回して過ごすことが多くあります。

そのため、「これをすると失敗するかもしれない。」「こうすると間違いはないだろう」などと心配事が増え、抱えきれない不安によって不安神経症になりやすいと考えられるでしょう。[4]

しかし、心配事や不安に思うことは誰にでもあります。では、どんな人が不安神経症になりやすいのか。一概に「こんな性格の人が不安神経症になります」とは言えません

心の病気は、その人の性格だけで決まるものではありませんので、参考程度にされてください。 

物事に応じない「一喜一憂しないメンタル」を持つにはどうしたらいいのか…気になる方は下記の記事も参考にされてください。

不安神経症の方の苦手なシーンや心配事

不安神経症では、下記のような場面で日常生活や仕事場面で困ることがあります。[5]

下記の苦手なシーンや心配事は、あくまでも一例です。

  • 電車や飛行機など、到着まで下りられず、体調が悪くなっても逃げられない環境が苦手
  • プレゼンや発表など人前で話さないといけないことは「失敗したらどうしよう」と思うので苦手
  • 人混みは「自分がもし倒れたら、迷惑をかけるかもしれない」と心配になるので行きたくない
  • 友達に相談されたことなのに、自分の事のように感じてしまい不安や心配になることがある
こころちゃん
こころちゃん

生活に支障がある場合は、気軽に先生に相談してみましょうね!

 自力でできる不安神経症の治し方5選

「不安神経症を自力で治したい!」と思う方もいるでしょう。

とはいえ、不安神経症は幅広く全般性不安障害、社会不安障害、パニック症などさまざまな疾患や症状があります。そのため、場合によっては自力で治すことは難しいのです。

もし、ここで紹介する自力でできる治し方を参考にしても治らない場合は、クリニックや心療内科などの専門家に相談して力をかりましょう。

こころちゃん
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自力で治すことだけがゴールではありません。あなたの日常生活が安心できるようになることがゴールです。

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「自分は不安神経症なのかも…」と感じたら、以下の5つを試してみてください。

こころちゃん
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できそうかな?と思うものから、やってみてくださいね♪

腹式呼吸を心がける

腹式呼吸は副交感神経の働きを活発にさせるため、不安を改善するきっかけになります。

不安を感じているときは、交感神経が優位になっており、身体が緊張している状態です。[6]

まずは呼吸から見直すことで、気持ちを落ち着けて不安を和らげることができます。不安を感じたら深く息を吸って吐く腹式呼吸を意識しましょう。

腹式呼吸の詳しいやり方は下記の記事をご覧ください。

 筋肉を意識的に緩める

漸進性筋弛緩法(ぜんしんせいきんしかんほう)と言います。意識的に筋肉を緊張させてから緩めるとリラックスできます。不安を感じて気持ちが落ち着かないときは、身体に力が入っている場合があります。そのため、意識的に筋肉を緩めるイメージを持つと、身体の緊張をほぐせるでしょう。

身体の部位によってやり方は変わってきますが、5秒力を入れて10秒力を抜くを部位ごとにくり返します。

大阪府が出している下記のパンフレットが分かりやすいので、やってみたい方はご覧ください。

漸進性筋弛緩法 呼吸法|大阪府

カフェインを控える

カフェインは交感神経を刺激して、脳内を緊張状態にする作用があります。不安を和らげるには、できるだけカフェインを控えたほうがいいでしょう。

健康な成人のカフェイン摂取量は1日最大400mgマグカップ約3杯までとされています。[7]

カフェインを控えることで副交感神経を活発化させれば、リラックスしやすくなります。コーヒーだけでなく、緑茶にもカフェインは含まれています。そのため、コーヒーや緑茶を飲む回数が多い方は、ほかの飲み物に置き換えてみてくださいね。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活リズムを意識することで、身体へのストレスを減らせます。不安を感じやすい方は、生活リズムが乱れている場合が多いので、まずは規則正しい生活を送ることを意識してみましょう。

生活リズムを整えれば、体内時計が正常になり自律神経が安定しやすくなります。7時間程度の睡眠をしっかり取り、朝起きてカーテンを開けて朝日を浴びましょう。

適度に運動する

適度な運動は脳をリラックスさせる効果があります。運動をするとセロトニンの働きが促進されるので、気持ちが落ち着いてリラックスできるようになります。

不安を感じやすい方は、少しの時間でもよいので身体を動かしてみましょう。毎日5分の散歩を日課にしたり、階段を意識的に昇ったりすると少ない負担で身体を動かせます。

自力では難しいと感じたら?クリニックでの不安神経症の治し方

自力でできる治し方を試してもなかなか効果が感じられないときは、クリニックを受診するといいでしょう。クリニックでは、以下のような方法で不安神経症を治療します。

こころちゃん
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自分がどのような治療をしたいのかも相談して大丈夫ですよ♪

薬物療法

不安神経症の薬物療法では、不安やイライラに対して精神安定剤や抗不安薬、睡眠薬などが処方されます。[8]

薬の処方では、診察で主治医の先生が今のあなたの症状に合った薬を的確に処方してくれます。あなたに合った薬を処方してもらうためにも、日ごろのあなたの困っている症状や悩んでいることをそのまま診察で打ち明けてみましょう。

こころちゃん
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話すのが苦手な方は、事前に伝えたいことをメモしてきても大丈夫ですよ!

認知行動療法

ひとり一人物事の捉え方は違います。物事の捉え方によって、同じエピソードに対してストレスに感じる人もいれば、気にもならない人もいるのです。

物事の捉え方でストレスを感じすぎないようにバランスを取っていくのが認知行動療法です。[9]

認知行動療法のような心理療法は、患者さんの無理のないようにすすめていくことが大切です。あなたのペースで生きやすくなりましょう。

下記の記事では、自分でできる認知行動療法の方法を紹介しています。気になる方はご覧ください。

不安神経症の治し方がわかれば自力でも改善できる

症状の軽い不安神経症なら、呼吸法を身につけたり規則正しい生活を意識したりすることで自力で治すことも可能です。

ただし、疾患や症状によっては自力で治すのは難しいため、できるだけ早くクリニックを受診しましょう。

不安神経症は、ストレスやトラウマが原因で発症する場合があります。不安になりやすい方や、精神が安定しない方は不安神経症を発症しているかもしれません。

自力で治すことが難しいと感じたら、気軽にクリニックを訪ねてみてくださいね。わたしたち心の専門家に、あなたの心が穏やかになるお手伝いをさせてください。

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 参考文献

[1]不安症|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=BLA9JV0KhiWPIMzX

[2]不安症の概要|MSDマニュアル

[3]セロトニン|e-ヘルスネット

[4]不安を持つ人への対応|国立精神・神経医療研究センター 佐伯 幸https://www.ncnp.go.jp/epilepsy_center/pdf/210801_document1_08.pdf

[5]不安障害|こころもメンテしよう
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html

[6]腹式呼吸をくりかえす|こころもメンテしよう
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html

[7]食品に含まれているカフェインの過剰摂取について|厚生労働省

[8]精神安定剤 / 抗不安薬|e-ヘルスネット

[9]認知行動療法とは|認知行動療法センター
https://cbt.ncnp.go.jp/contents/about.php

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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