パニック障害はコーヒーを飲まない方がいい?飲みたいときの代用品も




パニック障害を抱える人にとって、日常的に楽しんでいるコーヒーは不安の種となります。コーヒーに含まれるカフェインがパニック発作に関係しているためです。

コーヒーを飲みたくなったら、カフェインが入っていない麦茶やハーブティーなどを選ぶとよいでしょう。もしコーヒーに依存しているなと思ったら、徐々に飲む量を減らすことから始めてみてください。

この記事では、コーヒーがパニック障害に与える影響コーヒーを飲みたいときの代用品について解説します。パニック障害と上手に付き合いながら、食事と健康のバランスをとりましょう。

コーヒーがパニック障害に与える影響

コーヒーに含まれるカフェインは、パニック障害に悪影響を与えます

カフェインを含むコーヒーやお酒など嗜好品の飲み過ぎは、パニック障害の症状を悪化させると考えられているのです。[1]オランダで行われた調査によると、パニック障害の人がカフェイン480mg(コーヒー約4杯分)を摂取した後、51.1%が発作を経験したと示されました。[2]

カフェインには中枢神経系を刺激する作用があり、心拍数の上昇や不安を引き起こします。[3]これらの症状が、パニック発作の引き金となるのです。

パニック障害の人はコーヒーの摂取量に注意を払い、発作がひどくなったら病院に相談をしてください。

こころちゃん
こころちゃん

心拍数上昇のドキドキとパニック発作のドキドキが分かんなくなりそう💦

パニック障害で息苦しくなったときの対処法は、下記の記事をご覧ください。

コーヒーを飲みたいときの代用品

パニック障害の人は、コーヒーを飲みたくなったら代用品を選びましょう。コーヒーの代わりに楽しめる3つの飲み物を紹介します。

カフェインの摂取を避けながら、飲む楽しみを味わえます。それぞれを詳しく見ていきましょう。

麦茶

パニック障害の人にとって、麦茶はコーヒーの代わりとなります。

麦茶にはカフェインが含まれていませんそのため、パニック障害の症状を悪化させる心配がないのです。また、ミネラルが豊富なので、夏場の水分補給に適しています。

さらに、麦茶には抗酸化作用があり、がんや脳卒中などの予防できるとされています。[4]ポリフェノールの一種であるカテキンも含まれており、免疫力の向上に役立つのです。[5]

麦茶はスーパーで買えて、自宅でも手軽に淹れられます。とくに、夏場は麦茶を常備しておくと便利でしょう。

ハーブティー

ハーブティーは、パニック障害の人におすすめしたい飲み物です。

多くのハーブティーにはカフェインが含まれていないため、パニック障害の人も安心して飲めますハーブの種類によっては、リラックス効果や不安を和らげる効果があるハーブティーもあるのです。[6]

たとえば、ハーブティーには以下の種類や効果があります。

  • カモミールティー:鎮静作用があり、不安やストレスを減らす
  • ラベンダーティー:リラックス効果があり、良質な睡眠を促進する
  • ペパーミントティー:消化を助け、頭痛を和らげる

パニック障害の症状と関連して起こる症状にも、ハーブティーは役立つのです。

こころちゃん
こころちゃん

体によい効果が多いですね!

カフェインレスコーヒー

コーヒーの味や香りを楽しみたい人は、カフェインレスコーヒーを飲んでみましょう。

カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒーからカフェインを取り除いた飲み物です。そのため、パニック障害の症状を悪化させるリスクを抑えながら、コーヒーの風味を楽しめるのです。

カフェインレスコーヒーには、通常のコーヒーと同様に抗酸化作用があります。たとえば、クロロゲン酸という成分が含まれており、老化を遅くするとされています。

ただし、完全にカフェインがゼロではないため、飲みすぎには注意しましょう1日の摂取量を控えめにし、体調の変化に気をつけながら楽しんでください。

パニック障害の人が食べてはいけないもの

パニック障害の人が症状の悪化を防ぐために、以下にある3つの食べ物や飲み物を避けましょう。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

お酒

お酒は、パニック障害の人が避けるべき飲み物です。とくに二日酔いは、パニック障害を悪化させる要因となります。[7]

アルコールには、中枢神経系に影響を与える作用があります。依存をするようになると、お酒が切れたときに離脱症状があらわれ、不安が高まってしまうのです。[8]

また、アルコールは睡眠の質を低下させます。お酒を飲むと寝つきは良くなりますが、夜中に目覚めてなかなか眠れなくなってしまうのです。良質な睡眠はこころの安定に重要であり、睡眠が乱れることでパニック障害の症状が悪化する恐れがあります。[9]

紅茶

パニック障害の人が控えるべき飲み物には、紅茶があります。

紅茶に含まれるカフェインは、中枢神経系を刺激し、不安や震え、心拍数の上昇などを引き起こします[3]これらは、パニック発作の引き金となってしまうのです。

また、カフェインには利尿作用もあります。頻繁にトイレに行く必要が生じると、外出するときの不安を高めるでしょう。

さらに、食事中や食後に紅茶を飲むと、タンニンという成分が鉄分の吸収を妨げます。[10]鉄分不足は貧血や疲労感を招くため、注意が必要です。[11]

チョコレート

チョコレートは、パニック障害の人が注意すべき食品のひとつです。

チョコレートには、カフェインとテオブロミンという刺激物質が含まれています。中枢神経系を刺激し、心拍数を上げたり不安感を高めたりするのです。

また、カカオの割合が高いほど、カフェインが多く含まれます。カカオ45%未満のチョコレートはカフェインが約16mgに対して、カカオ70%のチョコレートはカフェインが約55mgあります。チョコレートを食べるときは、カカオが少ないものを選びましょう。[12]

こころちゃん
こころちゃん

チョコは選んで食べましょう💦

コーヒーへの依存を減らす方法

コーヒーへの依存を減らすには、以下の方法が効果的です。

  • 徐々に飲む量を減らす
  • コーヒーの代わりになるものを飲む
  • 食事前後30〜60分ほどあけたタイミングで飲む

まずは徐々に摂取量を減らしていきましょういきなりやめるのではなく、1週間ごとに1杯ずつ減らしてみてください。

カフェインには、鉄分の吸収を邪魔したり、 マグネシウム・カルシウムの排泄を促す特徴があります。そのため、なるべく食事との間隔を空けて飲むことを心がけましょう。コーヒーを飲みたくなったら、麦茶やカフェインレスコーヒーなど別の飲み物も試してみてください。[10]

パニック障害に送る日常生活の注意点

パニック障害の人は、日常生活で以下の点に注意しましょう。[7]

  • 適度に運動をする
  • カフェインを摂りすぎない
  • 規則正しい生活リズムを送る

適度な運動を取り入れることは、パニック障害に有効です。ウォーキングやヨガなど、自分に合った運動を見つけましょう。

また、食事ではカフェインを摂りすぎないようにしましょう。日本でのカフェイン摂取量は定められていませんが、海外における1日の摂取量は、健康な成人で400mg(コーヒー約3杯半)とされています。[12]

規則正しい生活リズムを保つことも重要です。十分な睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事を心がけましょう。

下記の記事ではパニック障害が治ったきっかけを紹介しています。合わせてご覧ください。

まとめ

コーヒーに含まれるカフェインは、パニック障害の症状を悪化させるため、摂取量には注意が必要です。コーヒーを飲みたくなったら、カフェインレスコーヒーや麦茶などを飲むようにしましょう。

また、お酒やチョコレートなどの症状を悪化させる食品は、摂りすぎないよう注意してください。

パニック障害の治療には、医療機関のサポートが不可欠です。症状や不安があるときは、早めに病院に相談してください。おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療も受け付けているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【参考文献】
[1]塩入俊樹先生に「パニック障害/パニック症」を訊く|公益社団法人 日本精神神経学会
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=43

[2]パニック障害患者における不安とパニック発作に対するカフェインの効果:系統的レビューとメタ分析【JST・京大機械翻訳】|J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202245454746234

[3]カフェインの過剰摂取について|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html

[4]麦茶の効能|全国麦茶工業協同組合
http://www.mugicya.or.jp/effect/index.html

[5]ポリフェノール、茶カテキンによる免疫機能の活性化と感染症予防|花王
https://www.kao.com/jp/healthscience/report/report063/report063_02/

[6]カモミール|厚生労働省eJIM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/10.html

[7]パニック発作が起きたときのために|埼玉県精神科救急情報センター
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/19484/panic.pdf

[8]アルコールと依存|e-ヘルスネット(厚生労働省)

[9]アルコールの作用|e-ヘルスネット(厚生労働省)

[10]カフェイン・アルコールの影響について|働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-16.html

[11]貧血・かくれ貧血|働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/anemia.html

[12]妊婦の方やお子さんはカフェインの摂り過ぎに注意しましょう!|東京都健康安全研究センター
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/k_shokuhin/ae941cabb84649c7dd91a976ad0fd164.pdf

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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