「旦那が視界に入るだけでイライラする」
「妊娠中こんなにイライラして大丈夫かな」
このように妊娠中にイライラすることはありませんか?
妊娠中のイライラにはホルモンバランスが関係すると言われていますが、他にも理由はあります。
原因を知り対策をすることで、旦那を嫌いになることなく幸せな時間を過ごせるようになるでしょう。
この記事では、妊娠中になぜイライラするのか、イライラすることによる胎児への影響、イライラを抑える方法を紹介します。
こころ穏やかな妊娠生活のきっかけになりますと幸いです。
妊娠中にイライラして旦那が嫌いになる原因
妊娠中のイライラの原因として、以下のようなことが挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
イライラしすぎて涙が止まらなかったり気分が落ち込んだりする場合は、下記の記事もご覧ください。
ホルモンバランスの乱れ
女性は妊娠によりさまざまなホルモンバランスが変化します。
とくにプロゲステロン(黄体ホルモン)は、以下のような働きがあるため妊娠中に多く分泌されます。[1]
- 体温を高める
- 血行をよくする
- 乳腺を発達させる
- 子宮収縮を抑制する
プロゲステロンは、お腹の子どもを守るために大切なホルモンですが、メラニン色素を作りシミやくすみの原因になったり精神的に不安定になりイライラしたりする一面もあるのです。
旦那だけ変わらない生活を送る不平等感
妊娠すると女性には、つわりによる体調不良や育児に対する不安などさまざまな感情が押しよせてきます。
女性が多くの不安を抱えていることを、旦那が理解していないように感じることでイライラしてしまうでしょう。[1]
また、今までと変わらずお酒を飲んだり、遊びに行ったりする旦那を見ると「親になる自覚あるのかなぁ…」と不安になりイライラするのです。
このように今までは気にならなかった、少しの気持ちのずれによりケンカになることも多くあります。
厚生労働省による調査では、妊娠中のストレスとして旦那の協力のなさが挙げられています。[2]
旦那が気を遣い配慮する様子や、お腹の子どもの誕生を楽しみにしている様子が見られると、女性は心穏やかに過ごせるのです。
さらに、夫婦のこころの足並みをそろえることで、夫婦仲もよくなります。
旦那へサポート方法を説明することにストレスを感じる場合は、厚生労働省が出している「妊娠・出産・子育て期の父親の役割」を見せてみるのもよいでしょう。
お腹に気を遣いながら生活するストレス
妊娠中はお腹の子どもに気を遣う機会が多くなります。
たとえば、転ばないようにヒールのある靴を避けたりお腹をぶつけないように気をつけたりです。[3]
ほかにも、今までは食べられていた以下のようなものが食べられなくなるのもストレスでしょう。[4]
- 生魚
- お酒
- タバコ
- カフェイン
今まで日常的にできていたことが、妊娠によりできなくなることが多くなります。お腹の子どもの安全と健康な成長を願い、約10か月間ガマンを続けるのは相当なものです。
仕事中もお腹と自身の体調を気遣いながら働くため、大きなストレスになるでしょう。
このようなストレスが溜まり、些細なことでもイライラしてしまうのです。

10か月も大変💦
妊娠中のイライラによる胎児への影響
妊娠中のイライラがお腹の子どもに影響するのかは、人それぞれ違います。
妊娠中のこころの状態と子どもの発育については今まで多く研究され、母親が妊娠中に強いストレスを受けると、子どもの精神疾患の発症率が高くなったり子どもの発達に関係したりします。[5][6]
ただし、どのくらい影響するのかは個人差があり、妊娠中にイライラしていたら必ず発症するとは限りません。
精神疾患や子どもの成長にはさまざまな要因が複雑に絡み合うため、一概には言えないのです。
妊娠中、こころ穏やかに過ごすための方法は次で詳しく解説します。

全くイライラしないなんてムリなので、適度にストレス発散することが大切です
妊娠中のイライラを抑える方法
妊娠すると身体とこころは大きく変化するため、ストレスを感じてイライラします。
イライラを抑えるには以下の方法がよいでしょう。[1]
それぞれ詳しく解説します。
日光浴をする
日光浴をすることで、幸せホルモンのセロトニンが増えます。
セロトニンには、気持ちを落ち着かせて精神をリラックスさせる働きがあります。[7]
規則正しい生活リズムで、朝起きたらまずカーテンを開けて朝日を浴びてください。
日光浴の他にも、散歩(10分~30分程度)をしたり食事のときによく噛むように意識したりするとセロトニンの活性化に効果的です。[8]
好きなことをして過ごす
好きな物が食べられなくなったり、好きだった運動ができなくなったりする妊娠生活。なにかとガマンすることが多くなります。
できる範囲で好きなことをして過ごし、気分転換やストレス発散も大切です。
たとえば、気兼ねなく友人とおしゃべりをしたりいつもより豪華なランチに行ってみたりするのもよいでしょう。
あなたが「あぁ~楽しかった!」と思えることを探してみてください。
出産に関係する楽しい話を探す
出産に関する楽しい話を聞いたりSNSで探したりすることで、出産に対する不安を解消しましょう。[1]
お腹の子どもは、出産への不安を整理するために待ってはくれません。
出産は女性の身体に大きな負担がかかり不安になりますが、楽しい出産エピソードもあります。
たとえば、立ち合い出産で赤ちゃんがなかなか降りてこないために旦那と一緒に分娩室でスクワットをしてみたり、腰をうまく押せない旦那に「何でいるのよ!役立たず~!」とキレてみたりなど、出産にはさまざまなエピソードがつきものです。
「出産 おもしろ エピソード」と検索してみてください。
出産にまつわる楽しい話や幸せな話を見たり聞いたりすることで、出産に対してポジティブな感情をもつことができるでしょう。
まとめ
妊娠中は、身体やこころの変化によりイライラすることが多くなります。
女性は妊娠中さまざまなことに不安になるにも関わらず、理解してなさそうな旦那が嫌いになることもあるでしょう。
今までは気にならなかった些細なケンカも増えます。
しかし、妊娠中のイライラはお腹の子どもに悪影響を及ぼす場合があります。
好きなことや日光浴をしたり、出産のおもしろいエピソードを探したりしてイライラとうまく付き合っていきましょう。
イライラが収まらないときは、おおかみこころのクリニックへ相談にきてくださいね。受診している産婦人科でも大丈夫です。どこかであなたのイライラや不安を吐き出すことが大切です。
24時間予約受付中
おおかみこころのクリニック
【参考文献】
[1]妊娠中の標準的な健康教室-私もできる‼ 助産師がお母さんに伝えたいポイントー|日本助産師会
https://www.midwife.or.jp/user/media/midwife/page/guilde-line/tab01/ninsin_kenkoukyouiku202112.pdf
[2]妊産婦に対するメンタルヘルスケアのための保健・医療の連携体制に関する調査研究p1718|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520478.pdf
[3]マタニティトラブルQ&A|ヘルスケアラボ
https://w-health.jp/maternity_qa
[4]妊娠中に気をつけたいこと|岡山市
https://www.city.okayama.jp/kosodate/0000046818.html
[5]妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル~産後ケアへの切れ目のない支援に向けて~|公益社団法人 日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/mentalhealth2907_L.pdf
[6]第20回 産まれる前からの格差――胎内ショックの影響|伊藤成朗
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Column/ISQ000002/ISQ000002_020.html
[7]セルフメンタルヘルス|厚生労働省
https://www.google.com
[8]セロトニン欠乏脳-キレる脳・鬱の脳を鍛え直す-|有田 秀穂
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbs/3/2/3_123/_pdf/-char/ja
- この記事の執筆者
- 柚木ハル
作業療法士。精神科16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。