育児や家事をひとりでこなしながら「夫は何を考えているんだろう」「どうしてわかってくれないの?」と、モヤモヤした日々を過ごしていませんか?
ワンオペ育児をさせる夫の気持ちを少しでも知れたら、あなただけがすべてを背負っているような苦しさが少しやわらぐかもしれません。
この記事では、ワンオペ育児に対する夫の本音や妻が抱いている気持ち、あなた自身の限界サインに気づくヒントなどをお伝えします。
夫婦がお互いに楽な気持ちで育児にかかわる一歩となれたら幸いです。
ワンオペ育児に対する夫の気持ち
妻にワンオペ育児をさせている夫は、以下のように「家族を大切にしたい気持ち」と「仕事や経済的な責任」の間で板挟みになっていることが少なくありません。[1]
■理想はちゃんとあるけど、現実が追いつかない
理想を言えば、今ぐらいの給料をもらって土日は子どもと遊んで笑って過ごしたい。でも現実は休日出勤もあるし、こころと身体が追いつかない。
■育休は理想だけど、現実にはハードルが高すぎる
育休を取れば、出世コースから外れるかもしれない。育休で収入が減ったら家賃はどうする?同期に差をつけられるのも怖い。
■妻が働いているなら分担するけど、専業主婦だから
妻を子育ての疲れから解放してあげたい気持ちはある。でも、自分も仕事でいっぱいいっぱい。妻が働いているなら分担としてやるけど、専業主婦なら育児はある程度やってもらわないと困る。
■子どもとの時間も大事だけど、自分が働いて稼がないと
妻が働いても時給換算したら家計を支えることはできない。妻が働きに出たとしても、子どもと接する時間が減った分は何に置き換わってるの?と思う。
■育児したい気持ちはあるけど、職場の空気がそれを許してくれない
同僚に「子どもの迎えで早退します」と言えるのは、妻が仕事している前提があるから。今は専業主婦だから言い訳が立たない気がして、育児を理由に早退できない。
夫なりの思いや葛藤が見えてくると、少しだけワンオペ育児でイライラする気持ちを整理しやすくなるかもしれません。
なんでわかってくれないの?というモヤモヤしたときは「もしかして夫もこんなふうに思っていたのかも」と想像してみましょう。
ワンオペ育児をしている妻の本音
ワンオペ育児をする妻たちは「夫が悪い」と決めつけているわけではありません。
以下のように、夫を取り巻く労働環境や社会のあり方にもモヤモヤを抱えています。[2]
■ワンオペで大変なのに、幸せそうと言われる
「365日、24時間子どもと一緒にいられるなんて幸せだね」と夫に言われるたびに、育児の大変さを全然分かってないと感じる。
誰かが「育児は一人じゃできないよ」って夫に言ってくれたら、少しは気づいてくれるのかもしれない。
■男女平等って言うけど、家の中ではそう感じられない
男女平等と言われても、女性は外でフルタイムで働いて、そのうえ家事も担うのが当たり前。
一方で、男性は「家事は手伝い」「外で働くことが一番大事」という風潮がまだまだ根強く残ってる。そんな現実とのギャップが、大きなストレスになっている。
■「手伝う」じゃなくて「ふたりの仕事」と思ってほしい
昔よりは家事育児にかかわる男性は増えたと思うけど、昔よりマシなだけでまだまだやってあげてる感が強い人が多い気がする。
育児も家事も「手伝う」ではなく「ふたりでやること」だという感覚を共有できたら、こっちの負担も気持ちも少しは違ってくるのに。
■本当は一緒に育児がしたいけど、夫の職場が許してくれない
夫の職場はサービス残業が長く、子どもとの時間がほとんど取れない。
飲み会や残業を断ると評価に響くと言い、私は毎日ひとりで子どもの世話をしている。
気づけばイライラしやすくなってしまった。旦那が転勤してくれたら早く引っ越したい。
■やってほしいことはあるけど、伝わらないし伝えても変わらない
家事や育児を分担できたらもっと子どもに優しくできると思っても、現実には夫との分担がうまくいかない。
夫に言ってもなかなか伝わらず「夫を育てるより子ども育てる方が楽」と思うこともある。
ワンオペ育児をする妻たちは夫を責めたいのではなく、どうにかこの生活を変えたいという思いを抱いています。
妻のイライラやモヤモヤの奥には、分かち合えない苦しさと「もっと理解し合いたい」という気持ちがあるのです。
ワンオペ育児がつらいときの夫とのかかわり方
ワンオペ育児がつらいときは、以下の方法で夫とかかわり負担を軽減しましょう。
それぞれ解説します。
自分の限界を伝える
限界を感じたときは「頑張らなきゃ」と踏ん張るよりも、誰かに頼って休むことも大切です。
子どもが起きている時間でも「もう今日はムリかも…」と思ったら、思いきって夫に託して休みましょう。
以下を参考にしながら、夫に気持ちを伝えてください。
- 限界だから今日はもう寝かせてもらうね
- 今は話す元気がないからひとりにさせてね
- 気持ちも体力も余裕がないから子どもを見ててね
夫に理解してもらったり共感してもらったりするよりも、まずは「いまの自分」を知らせてあなたの心身を休ませましょう。
頼るより「巻き込む」
「頼ると申し訳ない…」と感じるときは、あえて巻き込むスタンスで動いた方がストレスが少ないかもしれません。
以下のような例が挙げられます。
- パパが歯磨きしてくれるって
- オムツ片づけるからパジャマ着せといて
- もうお風呂の準備できてるから一緒にお願いね
どちらかが負担しすぎず同じタイミングで動くきっかけを作ると、自然と協力の空気が生まれることがあります。
巻き込むことで「お願いする側・される側」という関係から「一緒にやる仲間」という空気を作りましょう。

夫と「子育て仲間」なりましょう!
夫の気持ちを知り新しい視点を持つ
夫の気持ちを知ることは、あなたのこころを守るためにも役立ちます。
ワンオペで負担がたまっているときは、相手のことを考える余裕がなくなるものです。
「最近、仕事はどう?」「帰ってからも家事と育児で大変じゃない?」など、あなたから歩み寄る一言をかけてみましょう。
夫の気持ちを知ることで新しい視点を持つことができ、以下のように気持ちが落ち着きやすくなるでしょう。
- 「自分ばっかり」と感じる気持ちがやわらぎやすくなる
- 「もう言うのも疲れた」と黙りこむ前に少し整理できる
- 「なんで分かってくれないの!」と爆発する前に一呼吸おける
あくまでも自分のこころを守るためという視点を持ちながら、夫の気持ちを知っておくことが大切です。
ワンオペ育児で心身が限界のサイン
以下のような気持ちが続いているときは、心身の限界を知らせるサインです。
- 子どもとかかわりたくないと感じる
- 自分や子どもを傷つけるイメージがよぎる
- ちょっとしたことでイライラしたり涙が出たりする
限界が近づいていると「弱音を吐いちゃダメ」と思いがちです。
ただ、病院に行くほどじゃないと思っている段階でも、苦しいときは専門家に相談しましょう。
育児のしんどさや夫婦関係のモヤモヤ、心身のつらさはすべてつながっているからこそ、ひとりで抱えこまないことが大切です。
お気軽におおかみこころのクリニックまでご相談ください。
24時間予約受付中
おおかみこころのクリニック
育児うつについては下記の記事をご覧ください。
まとめ|ワンオペ育児がつらいときは相談しよう
妻にワンオペ育児をさせている夫は「家庭を大切にしたい気持ち」と「仕事や経済的な責任」の間で板挟みになっていることが少なくありません。
夫にモヤモヤしたり「わかってくれない」と感じたりするのは、あなたが育児に真剣に向き合っている証です。
ただ、どんなに頑張っていてもひとりでは抱えきれないこともあります。
「もうしんどい」と感じたときは、おおかみこころのクリニックにご相談ください。
あなたのこころと身体が少しでも軽くなるよう、サポートさせていただきます。
24時間予約受付中
おおかみこころのクリニック
【参考資料】
[1]独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)男性の育児と働き方
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2017/documents/0192_03.pdf
[2]前田 正子,安藤 道人|保育園・家事育児分担・ワークライフバランスをめぐる母親の苦悩 保育所入所申請世帯調査の自由記述から
- この記事の執筆者
- とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士