双極性障害の話し方の特徴|診断テストと接し方のポイントを紹介

「双極性障害の友達が攻撃的で困っている」

「双極性障害の人は自分を責めてばかりいる」

身近に双極性障害の人がいると、躁状態とうつ状態のときで人が変わったような話し方をすることがあります。

そんなときにどのように接したらいいのか悩んでいませんか。

そこで今回は双極性障害の話し方の特徴、接し方のポイントを紹介します。双極性障害の人との接し方を知って、回復できるようにサポートしてあげてくださいね。

双極性障害の話し方の特徴

双極性障害の話し方の特徴には、以下の3つがあります。

それぞれ見ていきましょう。

自信に満ちあふれる

双極性障害の人は、自信に満ちあふれたような話し方をします。[1]

とくに躁状態の時には、気分が高揚しているため普段よりも活動的です。誰にでも話しかけたり、寝なくても動き回ったりできるようになります。[2]その結果、まわりの人を傷つけたり、ギャンブルをして散財する可能性もあるため注意が必要です。[1]

双極性障害の躁状態は、活力がみなぎっているようにも見えるため、治療をしなくてもいいと考えるかもしれません。ですが双極性障害は再発しやすく、長期化する病気なので、途中で治療をやめないようにしましょう。[2]

攻撃的になる

双極性障害では、話し方が攻撃的になる特徴があります。

双極性障害の攻撃性についての調査では、うつ病患者や健常者と比べて双極性障害患者の方が攻撃性が高いと示されました。言葉で怒りを現す「言語的攻撃性」だけでなく、暴力を振るう「物理的攻撃性」も高いと分かっています。[3]

攻撃的な言葉は、躁状態のときに出ることがあります。もし暴言を吐かれたとしても、症状のひとつであると理解しておきましょう。言動を真に受けずに、毅然とした態度をとるようにしてください。[2]

家族や友人が躁状態で攻撃的になったら、下記の記事の対処法を参考にしてくださいね。

自分を責める

自分を責めるような話し方をするのは、双極性障害の特徴です。

うつ状態のときには、物事を否定的に捉えてしまうため「自分はだめだ」と考えやすくなりますイライラや焦燥感が出てしまい、症状が悪化すると自殺を考えるようになるので、気をつけなければなりません。[4]

うつ状態になると、気分が落ち込んで体を動かすことをつらく感じてしまいます。身近に双極性障害の人がいたら、できないことを責めるのではなく、優しく接しながらサポートしてくださいね。

こころちゃん
こころちゃん

そっと寄りそう感じが安心するでしょう。

双極性障害の診断テスト

双極性障害では以下の症状が見られます。[1][4]

ご自身や周囲の人が双極性障害の可能性があるか、診断してみてください。

躁状態のとき
・睡眠をとれなくても元気に活動できる
・人の意見を聞かない
・喋り続ける
・初対面の人にためらいなく話しかける
・アイデアが出てくるが最後まで達成できない
・高額な買い物をする
・性に奔放になる
うつ状態のとき
・表情が暗い
・涙もろい
・落ち着かない
・応答が遅い
・お酒をよく飲む
・食欲がない
・性欲がない
・眠れない、もしくは寝過ぎてしまう
・疲れやすい
・頭痛
・肩こり
・胃の不快感
・便秘や下痢
・めまい
・動悸
・口が渇く

躁状態で1週間以上、軽躁状態で4日間以上、抑うつ状態で2週間以上の症状が続くと、双極性障害と診断されます。[5]当てはまる症状が多い人は、医療機関での受診を検討してみてください。

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双極性障害の人との接し方

双極性障害の人との接し方のポイントは、以下の5つです。

それぞれ詳しく解説します。

話を聞き流す

相手が躁状態のときは、話を聞き流すようにしましょう

躁状態になると気分が高まっているため、非現実的なことを言うことがあります。たとえば「電話すれば何千人でも友達を呼べる」「自分には超能力がある」などの誇大妄想をします。[6]

否定をすると怒って攻撃的になったり、肯定をすると本人の言動を悪化させることも。否定も肯定もせずに話を聞き流して、話題を切り替えるようにしてください。[2]

言動を真に受けない

躁状態では攻撃的な言葉や行動が出るときがありますが、それらの言動を真に受けないようにしてください。攻撃的になりたくてなっているのではなく、病気の症状としてあらわれます。[2]怒りが落ち着くまでそっとしておいて、相手と距離を置きましょう

もし傷ついても、悩みを言える人に打ち明けてストレスを溜めないようにしてください。本人に「傷ついた」と伝えて責めてしまうと、病状が悪化する可能性があるのでやめましょう。[7]

こころちゃん
こころちゃん

物理的にも距離をおくとよいでしょう。

必要以上に励まさない

双極性障害の人に早く治ってほしいからといって、必要以上に励まさないようにしましょう

うつ状態のときは心が疲れきった状態なので、励ますことで本人をさらに追いつめてしまいます[2]不安や焦燥感を感じていることから、うまく優先順位をつけられず、励まされても何を頑張ればいいのかが分からなくなってしまうのです。本人の心身を休ませることを第一優先としてください。[6]

気晴らしに買い物や旅行を提案しようと考える人がいるかもしれません。ですが「本当は行きたくないけど断ったら悪いから」と遠慮して、余計にストレスを溜めてしまう可能性があります。病状が回復するまでは、買い物や旅行の誘いは控えましょう。[6]

大事な決断は先延ばしにさせる

双極性障害の人には、大事な決断は先延ばしにさせて、すぐに決める必要はないと伝えてください

躁状態とうつ状態の両極端が交互にあらわれるので、正常な判断ができないことがあります躁状態では現実離れした行動をとってしまい、うつ状態ではネガティブな考え方をしてしまいます。[1][4]

転職、結婚、大きな買い物などを決めるのは、人生の選択となるでしょう。急いで決めずに回復したら決断してください。

こころちゃん
こころちゃん

症状が落ち着いて正常な判断をしましょう。

医療機関への受診をすすめる

双極性障害の人には、医療機関への受診を勧めましょう。薬物療法と心理社会的治療をおこなえば、症状は改善されるとされています。[1]

とくに躁状態のときは、本人の調子が良いので病気だと認識しづらいのです。「睡眠をとっていないから体が疲れていそう」と感じたら、病院に行くことを提案してみましょう。[8]

ただし、病院に行くのを隠して連れていくのはやめましょう。あなたに対して疑いを持つようになってしまい、関係性が悪化してしまうかもしれません。「双極性障害を治してほしい」という思いを伝えれば、相手は理解してくれるでしょう。

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まとめ

双極性障害の話し方には、自信に満ちあふれたり、攻撃的になったりする一方で、自分を責めることがあります。

双極性障害の人と接するときは、話を聞き流して言動を真に受けず、必要以上に励まさないようにしてください

おおかみこころのクリニックでは、相談の予約を24時間おこなっています。家族や友人が双極性障害かもしれないと思ったら、ぜひ一緒に相談にきてくださいね。症状を回復できるように、サポートしていきます。

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【参考文献】
[1]双極性障害(躁うつ病)|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=RM3UirqngPV6bFW0

[2]うつ・適応障害・双極性障害 心の名医7人が教える最高の治し方大全 (健康実用) ,三村 將,奥平智之,野村総一郎,貝谷久宣,中村敬,文響社
https://amzn.asia/d/2WoxOEM

[3]双極性障害と攻撃性
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1220030194.pdf

[4]うつ病|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=9D2BdBaF8nGgVLbL

[5]日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023|日本うつ病学会
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/guideline_sokyoku2023.pdf

[6]躁うつ病(双極性障害)とつきあうために|日本うつ病学会 双極性障害委員会
http://www.med.u-toyama.ac.jp/seishinkango/info/bd_kaisetsu_ver3.pdf

[7]家族、友人として 躁うつ病(双極性障害)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_bipolar_sub2.html

[8]家族や身近な皆さまに知っておいていただきたいこと 双極性障害|大塚製薬
https://www.smilenavigator.jp/soukyoku/family/familiar/

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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