
躁状態が続いててキツイな…どうやったら落ち着くのかな。

躁状態が続くとキツイですよね…今回は、躁状態を落ち着かせるためのすごし方について解説していきますね!
「躁状態になると自分を抑えられなくて困る」
「最近、躁状態だけど…どうやったら落ち着くのかな」
と悩んでいませんか?
躁状態を落ち着かせるためには、本人が自分の気分の状態を把握すること、家族や周囲の人の協力が必要になります。
この記事では、躁状態で困りやすいシーンや対処法、躁状態を落ち着かせるためのポイントなどを紹介していきます。あなたの困っている場面の参考になれば幸いです。
躁状態が落ち着かなくて困ること
双極性障害の躁状態には、躁状態と軽躁状態があります。
躁状態の多くは、社会的なトラブルになり入院して気分を落ち着かせることが必要となる場合があります。
軽躁状態では、仕事や家庭人間関係に支障をきたさない程度のハイテンションで、本人も周囲に迷惑をかけることなく「最近、調子がいいな」程度に捉えられることが多いです。 [1]
しかし、軽症状態をそのままにしておくと、疲れてうつ状態に戻る場合と、逆に躁状態が加速していき下記のような問題が生じることもあります。[1]
- 外出先で気になった人に執拗に話しかける
- 疎遠だった遠方の友人に夜間や早朝でも関係なく連絡をとる
- あまり眠っていなくても元気に過ごせる
- 必要ないものも買いすぎてしまう
とくに、買い物をしすぎてしまうことは要注意です。もし、クレジットカードで買い物をした場合は、あとでカード請求がきた時に、自分がうつ状態だったら更に気分が落ち込んでしまう原因となります。
また、あまり眠らなくても元気にすごせますが、続けて行くと次第に身体が悲鳴を上げ、仕事でも集中力が欠けミスも増えてきます。そうなると、人間関係にも影響し最悪の場合、職場に居づらくなり退職することもあるでしょう。
双極性障害は躁状態とうつ状態をくり返す病気です。躁状態とうつ状態の周期について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
躁状態を落ち着かせるためのシーン別対処法3選
躁状態や軽躁状態が続くと、下記のような生活シーンで困る方が多くなります。
それぞれ詳しく説明していきます。
眠らなくて困るとき
躁状態では「眠らなくても元気が続く」ということが多くあります。その生活を続けて行くと疲れて、仕事のミスや人間関係のトラブルにも繋がっていくでしょう。
眠れない生活を改善していくためには、生活リズムを意識することが効果的です。
- 例えば…
- ・起きたら、必ずカーテンを開けて朝日を浴びる。
・朝食を食べる。
・日中は軽い運動をする。
・夜22時には眠くなくても布団に潜り込む。
・寝る1時間前は携帯を見ない。
また、寝る前は心が落ち着くようなアロマを焚いてみたり、白湯を飲むなども良いでしょう。[4]
一日の生活リズムを整えるのが難しい場合は、夜のルーティンを作ることから始めてみるのもおすすめです。とくに、夜を活動的に過ごさないように、落ち着いて生活するように心がけましょう。
人間関係でトラブルになったとき
躁状態のときは、買い物に行ったときの店員さんに話しかけてみたり、疎遠だった友だちに急に連絡を取ってみたりすることがあります。
また、職場や学校などで自ら企画して飲み会のようなイベントを開催したくなることがあるでしょう。
これらは、あなたが今、双極性障害の症状で活動的になっているせいです。ついつい気分が高揚して誘ってしまいたくなった場合でも、一呼吸して思いとどまるようにしましょう。
意識するだけでは難しい場合は、紙に書いて目で見て確認できる場所に、気を付けることを貼っておくのもおすすめです。
いろいろな対処法を試して、自分にあった方法を探してみましょう。
買い物をしすぎてしまうとき
買物や外出などは必要最低限にしましょう。
「必要なもの以外買わない!」「本当に買い物に行く必要はあるの?」など、部屋や玄関など目につく場所に張り紙をして意識づけるのもおすすめです。
すこし出かけたくなった場合は、深呼吸をして一旦落ち着き出かけたい衝動を抑えてみましょう。
しかし、どうしても生活をしていくためには買い物に行く必要があります。その時は、必要なものをメモして、メモにあるものだけを買うように意識して出かけてみてください。
躁状態を落ち着かせるためのポイント
双極性障害は、躁状態とうつ状態の気分の変化をくり返す病気です。治療していくためには、再発予防を意識していくことが大切になります。[2]
そのため、本人だけではなく、家族や周囲の人にも協力してもらう必要があります。
とくに軽躁状態では、本人や周囲の人も「最近調子がいいな」「あの人最近アグレッシブだな」といい方に捉えられることが多くあります。そして「絶好調だね~」などと言われると、さらに気分が良くなり躁状態に加速していくこともあります。
そのため、家族や周囲の人にも、双極性障害の症状や治療などについて知ってもらい「ちょっといつもと違うな」と思った時は声をかけてもらい、躁状態を落ち着かせるきっかけにしましょう。 [3]
躁状態のときにやってはいけないこと
躁状態のときは下記のことを行わないようにしましょう。
それぞれ、なぜしてはいけないのか詳しく説明していきますね。
大きな決断をする
大きな決断とは、職場を退職したり、今付き合っている恋人と別れたりすることを言います。
躁状態では、今の状態を「調子のよい自分」と捉えてしまうことがあります。しかし、これは双極性障害の症状で思っているだけなので、この時に「自分にはこんなことができるんだ!」「もっと自分にふさわしい人がいるはずだ」などと行動に移してしまうと、躁状態が落ち着いた時に後悔することになるでしょう。
常に「今の自分は気分が大きくなっている」ということを念頭に置いておきましょう。
「分かっていても止められない」そんな時は、信頼できる方やクリニックの専門家などに相談してください。自分で気づくことが難しくても「あの人が落ち着いて」と言ってたな…と思い出すきっかけになります。
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薬を飲むのをやめる
躁状態のときは、本人は体調がよく病気が治った気分になります。そのため「今の自分に薬は必要ない」と思い、薬を飲むのをやめてしまいがちです。
だからといって、自己断薬は大変危険です。薬を飲むのをやめる場合は、主治医の先生と相談して計画的に行いましょう。
双極性障害の方が薬を飲まないとどうなるのか気になる方は、下記の記事をご覧ください。
躁状態を落ち着かせる|まとめ
双極性障害の躁状態は「自分は今躁状態なんだ」と気づくことが大切です。今この記事を読んでるあなたは、気づいているということでしょう。
また、本人だけでなく家族や周囲の人にも、双極性障害の症状や治療法などを知ってもらうことも躁状態を落ち着かせるのに効果的です。
おおかみこころのクリニックは、あなたがあなたらしく生活できるようにお手伝いしていきます。悩んでいることなど、お気軽にご相談ください。
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参考文献
[1]双極性障害(躁うつ病)とつきあうために|日本うつ病学会 双極性障害委員会
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/gakkai/shiryo/data/bd_kaisetsu_ver9-20180730.pdf
[2]双極性障害のうつ状態|徳倉達也
https://www.aichi.med.or.jp/webcms/wp-content/uploads/2022/12/69_2_039toku-tokura.pdf
[3] 私が双極性障害になったとき|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_bipolar_sub1.html
[4]良い睡眠の概要(案)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf
- この記事の執筆者
- 柚木ハル
作業療法士。精神科での16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。