うつ病だと自分で言う人の特徴は?接し方や対処法を解説







「○○さんは自分のことをうつ病って言うけど、全然うつ病っぽくない」

「どうやって接したらいいのだろう」と思ったことはないでしょうか。

うつ病と聞くと、落ち込んでいる、元気がない、表情が暗い、など想像してしまいますよね。

「自分はうつ病」だと主張する人は、本当にうつ病なの?と疑ってしまう人もいると思います。

しかし、うつ病だと自分で言う人の中には、実際にうつ病を患っている人がいるのも事実です。

「うつ病だと自分で言う人にはうつ病はいない」という思い込みは、ときに人を誤解したり傷つけてしまったりする可能性もあるのです。

この記事では、うつ病だと自分で言う人の特徴接し方について解説しています。

ぜひ参考にしてくださいね。

うつ病だと自分で言う人の特徴

うつ病と自分で言う人の特徴は以下です。

それぞれ詳しく解説しますね。

うつ病と診断されたことのある人

うつ病だと診断された人の中には「自分はうつ病」だと公表している人もいます。

大々的に主張はしなくても、直属の上司や仕事のチームメンバー、親しい友人など伝える人との関係性により、伝える範囲を決めている人もいるのです。

とくに精神疾患の場合、周囲にどう思われるか、仕事がしにくくなるのではないか、と不安に思う人もいるでしょう。

自分がうつ病だと周囲にカミングアウトすることは、とても勇気がいるのです。

非定型うつ病の人

うつ病だと自分で言う人の中には、非定型うつ病(通称・新型うつ病)と診断された人もいます。

非定型うつ病は好きなことは存分に楽しめますが、仕事となるとやる気が起きず、苦手なことを避けようとします

非定型うつ病は診断が難しく、周囲の人が見てもうつ病だと気づきにくいのが特徴です。

本人は抑うつ状態に苦しんでいるにもかかわらず、周囲からは「うつ病ではなく甘え」だと思われることも少なくありません。

抑うつを伴う精神的な不調がある人

うつ病だと自分で言う人の中には、落ち込みを伴う精神的な疾患を抱えている場合もあります。

抑うつをともなう疾患例
・双極性障害(躁うつ病)
・月経前気分不快障害
・気分変調症
・適応障害
・物質・医薬品性薬物障害
・身体疾患による抑うつ障害

双極性障害

双極性障害は、躁状態と抑うつ状態が交互に現れる病気です。

うつ病と間違われやすいですが、うつ病とは別の病気です。

月経前気分不快障害

月経前気分不快障害は、月経前に気分が不安定になり、抑うつや不安症状を伴います。

気分変調症

気分変調症は、うつ病の診断を満たすほどもない軽い抑うつ状態が2年以上続きます。

物事をマイナスに考えてしまうため、認知の歪みが発生しやすいのが特徴です。

適応障害

適応障害は、ストレスに対処できなかった結果、抑うつや不安、不眠などの症状が現れます。

物質性・医薬品性薬物障害

物質・医薬品性薬物障害は、物質や薬の使用に伴い抑うつを引き起こした状態です。

主な例ではアルコールや麻薬、インターフェロンや副腎皮質ステロイドなどで引き起こされる可能性があります。

身体疾患による抑うつ障害

頭部外傷や脳卒中、パーキンソン病、甲状腺機能低下症などの身体疾患が原因で抑うつを引き起こす可能性もあります。

うつ病だと自己判断している人

インターネットやテレビの情報だけで、自分はうつだと判断をしてしまう人もいるでしょう。

気持ちが憂うつになると、つい「うつだ」と軽い気持ちで言ってしまう人もいるのです。

医師から診断されたわけでもなく、一時的な気持ちの落ち込みに対して「うつ病」だと言ってしまう人もいるかもしれません。

うつ病だと自分で言う人との接し方3つ

うつ病だと自分で言う人との接し方は以下の3つです。

こころちゃん
こころちゃん

それぞれ詳しく解説しますね♪

うつ病に対して知識を深める

一般的に知られている大うつ病の他にも、非定型うつや冬季うつなど、落ち込みを伴う疾患はたくさんあります。

うつ病についてなんとなくの知識はあるものの、深くは知らないという人が大半ではないでしょうか。

人は見た目だけでは判断できません。

この機会にうつ病の種類や症状、病気の経過など知識を深めてみるのもよいでしょう。

知識があれば、相手を理解することができますよ。

冬季うつについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

できないことをむやみに責めない

うつ病の人と一緒に仕事をしていると、思ったように仕事が進まないこともあるかもしれません。

うつ病の人は思ったように仕事ができないことに対して、焦りや罪悪感、自分を責めている可能性もあります。

安易に「がんばれ」と励ましたり「君はだめだ」などと否定してはいけません。

できないことをむやみに責めず、仕事の進捗を周りと共有し、困ったら相談しやすい環境を整えることも大切です。

相手を受け止める

うつ病だと自分で言う人に対して、不信感を持っている場合、相手を受け止めることは難しいかもしれません。

しかし、周囲に理解されず、本人も苦しんでいる可能性も考えられます。

相談を持ちかけられた場合は、信頼関係を築くチャンスです。

先入観を持たず相手の話に耳を傾け、理解しようと心がけると、お互いの信頼関係も深まるでしょう。

うつ病と自分で言う人に疲れたときの対処法3つ

うつ病と自分で言う人に疲れたときの対処法は以下です。

それぞれ解説します。

深呼吸をして冷静になる

うつ病と自分で言う人の接し方に悩んだり、イライラしているなと気づいたときには、まず深呼吸をして冷静になりましょう。

イライラしたり感情的になると物事をマイナスに考えてしまい、結局自分自身が疲れてしまいます。

相手の言動や態度に疲れてしまったら、受け止めつつも受け流すようにすると自分自身の心を守ることができますよ。

物理的な距離をとる

うつ病だと自分で言う人にイライラする、なんだかモヤモヤするなと感じた時には、そっとその場から離れましょう。

他人の言動や行動は簡単には変えられませんが、自分の行動は意識すれば変えられます。

物理的に距離をとり、飲み物でも飲んで一息つきましょう。

そうすると次第に、イライラやモヤモヤが落ち着いてきますよ。

必要以上に気をつかわない

うつ病の人と関わるうえで大切なことは、必要以上に気を使いすぎないことです。

うつ病の人は自分を責めたり、マイナスにとらえる傾向があるため、周囲が過剰に気をつかうことに精神的な負担を感じてしまいます。

また、うつ病だと自分で言う人の中には、うつ病ではない人もいるかもしれません。

困っている時には手を差し伸べる程度の、普段と変わりないコミュニケーションを心がけるようにしましょう。

まとめ

この記事ではうつ病だと自分で言う人について解説しました。

うつ病だと自分で言う人に対してイライラしたり、モヤモヤしたりしてしまったら、その場を離れて心の平穏を保ちましょう。

自分のことをうつ病だと言う人の中には、本当にうつ病の人もいます。

いつもと変わらない態度で接することで、安心する人もいるのです。

「うつ病っぽくない」からといって、むやみに相手を責めたり攻撃したりしないようにしましょう。

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参考サイト

気分変調症:用語解説|こころの耳|厚生労働省

https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1537/

セルフメンタルヘルス ストレスに負けないセルフメンタルヘルス|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000881325.pdf?referrer=www.google.com

6 上司・同僚の方へ|こころの耳|厚生労働省

https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad006/

Q3:いわゆる新型うつの理解と対策は?|厚生労働省

https://kokoro.mhlw.go.jp/mental-health-pro-qa/mh-pro-qa003/

うつ病Q&A|日本うつ病学会

https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/ippan/qa.html

参考文献

うつ病の新しい考え方 大野 裕

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhep/45/2/45_359/_pdf

この記事の執筆者
小久保有希
医療ライター。看護師経験15年。4年間精神科に勤務し、病棟・訪問看護に携わる。相手の気持ちに寄り添う記事が得意。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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