パニック障害は家族が原因で発症するの?遺伝・環境の要因を詳しく解説




なんの前触れもなく、めまいや動悸、息苦しさとともに激しい不安に襲われるパニック障害。

家族が原因でパニック障害になる恐れがあります。パニック障害の原因は、遺伝・環境の要因の2つが考えられます。

この記事では、遺伝環境の要因のほかに、パニック障害の本当の原因対処法を解説します。家族がパニック障害であり、自身もパニック障害になるのではないかと悩んでいる方はぜひ読んでみてください。

この記事がパニック障害への理解を深め、あなたの悩みや不安がなくなるきっかけになれば幸いです。

遺伝が原因で起こるパニック障害

親がパニック障害であり「私もパニック障害になるの?」と不安な方もいるでしょう。

遺伝がかかわることがあります。

とはいえ、すべてのケースで、子どもがパニック障害になるとは限りません。

一説によると、親がパニック障害の場合では、子どもの7.7〜20.5%がパニック障害になります。一般の方のリスクよりも、最大で約8倍高いとされています。[1]

親がパニック障害であるケースでは、子どもがパニック障害になる可能性は高いのです。

ただし、パニック障害になる遺伝子は明らかにされていません。さまざまな遺伝的な要素が発症にかかわるとされています。

こころちゃん
こころちゃん

子どももなる可能性が高いと心配になりますよね💦

環境が原因で起こるパニック障害

パニック障害になる原因のひとつに環境的な要因があります。

幼少期の劣悪な家庭環境や強いストレスを感じる出来事が原因で、パニック障害になることがあります。ここでは、具体的な4つのパターンを紹介します。

毒親

毒親とは、一般的に子どもを支配したり、傷つけたりして子どもにとっての「毒」の存在となる親のことです。具体的に、以下の親の行動やかかわりが子どものストレスとなります。

  • 虐待行為
  • 精神的な支配
  • 価値観の押しつけ

子どものこころが傷つきストレスとなります。このストレスの蓄積が、パニック障害の引き金となるのです。

過保護な親

過保護な親は、子どもを必要以上に甘やかしたり、心配したりします。過干渉や過度な管理が子どものストレスとなり得ます。

たとえば、幼児教育や受験において、過保護な親のプレッシャーに子どもは強いストレスを感じます。過保護な親のもとでは、この経験が繰り返されるのです。

結果、子どもはこのストレスにさらされ続けます。

過保護な親の影響により、大人になったときに生きづらさを感じる方は少なくありません。心理的な負担により、パニック障害になる恐れがあります。

こころちゃん
こころちゃん

甘やかしすぎもダメなのか…

難しいですね!

死別

幼少期における親との死別が、パニック障害になる要因となります。

大切な人との別れが、ストレスとなるのです。病気や交通事故など突然の別れであれば、さらにストレスが強くなる恐れがあります。

多くの子どもは、死別というつらい経験を乗り越えます。ただし、乗り越えたように思われた場合でも、強いストレスにさらされたため、大人になりパニック障害になることがあります。[2]

離婚

親の離婚により強い不安を感じることがパニック障害の要因となり得ます。

ほかにも、配偶者との離婚もパニック障害の要因となります。離婚に至る理由はさまざまで、日々の何気ない言動や価値観の違いのほかに、身体的な暴力や言葉の暴力がきっかけになることがあります。

日常生活でのストレスや不安、恐怖などの蓄積が背後にあるケースが多いでしょう。

パニック障害の本当の原因と対処法

パニック障害になる本当の原因はわかっていません。神経伝達物質がかかわる脳機能の異常が原因との説があります。[3]

もともとストレスを溜めやすい方は、パニック障害になりやすいといわれます。そこで、下記のポイントに気をつけて生活しましょう。

こころちゃん
こころちゃん

ストレスとの関係性が!!

  • ストレスを発散する
  • 規則正しい生活を送る
  • アルコールやカフェインの摂取を控える

ウォーキングや水泳、ストレッチなど定期的な運動が大切です。睡眠時間も確保してください。規則正しい生活を心がけましょう。

ほかにも、アルコールやカフェインに含まれる成分がパニック障害を引き起こす恐れがあります。

気になる症状がある方は、精神科や心療内科を受診をして、早めに治療しましょう。

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パニック障害が起きたら家族から離れるべきなのか

パニック障害が起きたら家族から離れるべきなのか、一概にどちらが良いとはいえません。

というのも、家族から離れるべきケースと家族のサポートを受けるべきケースがあり、明確に判断できないためです。

家族のサポートが充実している場合は、治療期間が短くなる傾向があります。ただし、家族との距離感は、これまでの家族との関係性や家族のサポート状況により変えるべきです。

家族から離れたら、家族との関係性が悪化したり、ライフスタイルが変化したりするため、さらにストレスを感じるかもしれません。

パニック障害が長期化する恐れがあります。パニック障害が起きたとき、家族とのかかわりで悩む場合は、医師に相談し判断しましょう。

こころちゃん
こころちゃん

悩んだら専門家をたよるのもいいですね♪

まとめ

この記事では、パニック障害の原因となる遺伝・環境的な要因を中心に解説しました。

パニック障害は、遺伝が要因とされています。親がパニック障害であるケースでは、一般の方と比較し、発症のリスクは最大で約8倍です。

幼少期の家庭環境や出来事など強いストレスを感じた体験が引き金となり、パニック障害を引き起こす恐れもあります。

パニック障害は、早めの治療が大切です。気になる症状がある方や親がパニックで自身が発症するのではないかと不安な方は、一度、精神科や心療内科を受診しましょう。

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参考文献・リスト

[1]パニック障害の家族遺伝研究|精神医学研究ジャーナル,第 27 巻,付録 1,1993,69-78 ページhttps://www.sciencedirect.com/science/article/pii/002239569390018W?via%3Dihub

Arch Gen Psychiatry40:1065-1069,1983

[2]小児と青年におけるパニック症|MSDマニュアル
https://www.msdmanuals.com/

[3]セルフメンタルヘルス|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000881325.pdf 

この記事の編集者
西川正太
看護師、保健師、保育士。 2009年大学を卒業後、大学病院や総合病院で勤務経験あり。現在はフリーライターとして医療を中心に執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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