双極性障害と診断されたけど、わたしの人生どうなるんだろう…双極性障害と検索したら「寿命短い」や「一生治らない」がでてきて不安だわ
双極性障害は正しい治療を、きちんと続けていくことが大切なんだよ!記事の中で詳しく解説していくね!
双極性障害と診断されると「将来はどうなるのか」と不安を抱えることが多いでしょう。
双極性障害で症状が悪化すると、日常生活や仕事にも大きく影響します。
この記事では、双極性障害の末路はどうなるのか、最悪の末路にならないためにはどうしたら良いのかについて具体的に解説します。
あなたが少しでも安心して生活を送るきっかけになりますと幸いです。
この記事の内容
双極性障害の末路
双極性障害が原因で、日常生活や仕事にさまざまな影響がでます。
ここでは以下3つのよくある疑問について見ていきましょう。
詳しく解説します。
寿命が短い
双極性障害は、自殺や肥満などが原因で寿命が短いとされています。
実際に双極性障害の人は、そうでない人と比べると約20~30倍、自殺のリスクが高いです。[1]
詳しくは下記の記事をご覧ください。
双極性障害は長期化しやすい疾患です。しかし、適切な治療と周囲のサポートにより症状を落ち着かせ穏やかに生活している方も多くいます。
最悪の末路を避けるためにも、記事の後半で紹介している方法をためしてみてください。
先に読みたい場合はこちらからご覧ください。
離婚率が高い
双極性障害に限らず、精神疾患を持つ方の離婚率は高い傾向にあります。
双極性障害では、以下のような理由で離婚されることが多いです。[2]
- 性格なのか気分の波なのか見極められない
- 子どもへの説明が難しく、パートナーがひとりで悩み追いつめられる
- うつ状態のときと躁状態のときの変化をなかなか受け入れられない
パートナーは症状の変化に振り回され、周囲への対応や家事、子育ての負担などさまざまな負担がかかります。
このようなストレスが積み重なり、離婚率が高くなっているのです。
パートナーのストレス発散も大切ですね💦
退職や解雇が多い
双極性障害を理由にいきなり解雇することは法律上できません。[3]
しかし、症状が業務に影響することはあります。
たとえば、躁状態ではひとりでこなせない仕事量を受けて終わらなかったり、短期間で職場をやめたりして信頼を失うこともあります。うつ状態では、朝起きる元気がでずに休みがちになることも多いです。
このような行動により、業務や職場の人間関係が上手くいかなくなり退職する流れになってしまうのです。
双極性障害で休みがちになるとどうなるのかについては、下記の記事をご覧ください。
双極性障害になっても仕事を続けていくために気をつけるポイントは、下記の記事にて詳しく解説しています。
双極性障害の末期症状
双極性障害を治療せずに放置していると、うつ状態と躁状態の気分の変動が激しくなることがあります。とくに、大きなストレスのあとに症状が悪化することが多いです。[4]
その結果、双極性障害の症状が影響して、寿命や結婚生活、仕事へ支障がでるのです。
双極性障害の治療では、気分の変動をゆるやかにしたり症状を落ち着かせたりして、穏やかな日常生活を送ることを目指します。
双極性障害で最悪な末路をたどらないためには、事前に対策をとることが大切です。
詳しい対策については次で紹介します。
双極性障害で最悪の末路を回避する方法
双極性障害は放置して治るものではありません。
双極性障害で最悪の末路を回避する方法は、以下のようなことが挙げられます。
詳しく解説します。
定期的な通院と服薬管理をする
双極性障害の治療では、定期的に通院し薬を正しく服用することが重要です。
定期的に通院すると、症状の変化に早く気づき対応できます。
そのときの症状に合わせて薬を変更したり、躁状態になりそうなときは「できそうかも…」と思うことをセーブして過ごしたりすることで症状の悪化を防ぐことができるのです。
また、双極性障害では症状が安定しているときや躁状態のときに自己断薬することが多いです。
「最近調子がいいな」「飲んでも飲まなくても変わらない」と薬の効果を過小評価して飲まなくても大丈夫と感じるようになります。
しかし、自己判断で服薬をやめてしまうと、再発のリスクが高まったり気分が変わる周期が短くなったりするので医師の指示通りに服薬しましょう。
双極性障害で薬を飲み続けないとどうなるのかは、下記の記事をご覧ください。
サポートしてくれる信頼できる人を見つける
双極性障害で最悪の末路を回避するためには、家族や友人、医療の専門家など周囲のサポートが重要です。
信頼できる人と定期的にコミュニケーションをとり、困ったときに相談できる環境を作りましょう。
それぞれの役割は以下のとおりです。
- 家族や友人:病気を理解・サポートしてくれる人がいるという安心感が得られる
- 医療機関:定期的に通院し、症状にあった薬の変更や専門的なアドバイスなどのサポートを受けることで症状の安定に役立つ
家族が正しく病状を理解し適切にサポートすることは大切ですが、ひとりで支えるには心理的負担が大きいです。
家族と医療の専門家が情報を共有することで、サポートする人の心理的負担を軽くすることができます。
おおかみこころのクリニックは、精神疾患を持っている方のご家族の支援もおこなっています。お気軽にお問い合わせください。
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少しの変化を察知して、悪化する前に対応する
双極性障害の治療には、日常の小さな変化を見逃さないことが大切です。
以下のようなサインに気を配りましょう。
- 躁状態の前兆:過度な活動や睡眠不足、興奮状態が続く
- うつ状態の前兆:無気力や疲労感が強まる、孤立感が増す
このような症状が現れたら、受診日を待たずに早めに医師に相談することも大切です。
日記を書いたり体調の変化をメモしたりすることで、症状の変化に気づきやすくなります。
早期の対応が、悪化を防ぎ日常生活を安定させるためのポイントとなるのです。
日記をつけるのもおすすめです♪
まとめ
双極性障害の末路は、必ずしも悪いとは限りません。
最悪な末路をたどらないためにも、今からできる以下の3つの対策をとりましょう。
- 定期的な通院と服薬管理をする
- サポートしてくれる信頼できる人を見つける
- 少しの変化を察知して、悪化する前に対応する
双極性障害は適切な治療やサポートを受けることで、仕事や生活を続けながら穏やかな日常を取り戻すことができます。
あなたのペースで少しずつでも大丈夫です。無理のない生活を送ることが平穏な未来への近道になります。
「どこからどう始めたらよいのか分からない」「もっと身近に相談できる人がほしい」と悩んだときは、おおかみこころのクリニックへお気軽にご相談ください。
あなたに寄り添ったサポートを大切にしています。
24時間予約受付中
【参考文献】
[1] 日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023|日本うつ病学会
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/guideline_sokyoku2023.pdf
[2]精神障がい者をパートナーにもち子育てをする配偶者の経験|林 千華 ,蔭山 正子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphn/9/1/9_27/_pdf/-char/ja
[3]労働基準法|厚生労働省
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/hatarakikata_qa_all_191108ok.pdf
[4]双極性障害|MDS家庭版マニュアル
- この記事の執筆者
- 柚木ハル
作業療法士。精神科16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。