双極性障害「混合状態」がイライラして辛い!過ごし方について解説







最近、1日の中で気分の浮き沈みが何回もあって辛い…これって普通のことなの?

浅田先生
浅田先生

1日で何度も躁とうつが入れ替わるのは辛いですね。もしかしたら、今は双極性障害の混合状態なのかもしれません。今回は混合状態の過ごし方についてお伝えしましょう!

「混合状態ってどういう状態なの?」

「どんなことをして過ごしたらいいの?」と悩まれる方もいるでしょう。

クリニックで双極性障害の「混合状態」と言われることもあれば、「双極性障害」と診断されて、今が混合状態になっている方もいます。心の病気は、一人ひとり違います。状況やそのときの環境によって、症状は変わるでしょう。

今回は、双極性障害の混合状態での過ごし方や、どのようなことに気を付けるといいのかを解説していきます。あなたに合った過ごし方が見つかると幸いです。

双極性障害における混合状態の症状

双極性障害における混合状態の症状

双極性障害の混合状態とは、躁状態とうつ状態が同時におこっている状態です。躁状態とうつ状態が入れ替わるときに多く見られます

双極性障害の混合状態の症状
・不機嫌な興奮や怒り
・焦り  など…

一般的な躁状態では、ハイテンションや落ち着きのなさが症状としてあらわれます。一方、双極性障害の混合状態では、気分は憂うつや不安なのにもかかわらず行動力はあり、気持ちと行動がチグハグになります。そのため、怒りや焦りなどの症状が多くみられます。[1][3]

双極性障害の躁状態とうつ状態の周期の切り替わりについて知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

双極性障害の混合状態でイライラするときの過ごし方

双極性障害の混合状態でイライラするときの過ごし方

混合状態のときに限らず、心の病気は精神的な疲れによって生じることが多いとされています。大切なのはストレスを溜めないように過ごすことです。

ここでは、双極性障害の混合状態でイライラするときの過ごし方について4つ紹介していきます。

それぞれ詳しく説明していきますね!

好きなことに集中する

不安や焦りから、どうしてもイライラしてしまうことは誰にでもあります。そんな時は、何か好きなことに集中して、イライラした感情から離れて過ごすようにしましょう。

精神科のリハビリでは、症状的な考えに捉われない健康的な時間を増やすことを目的にすることが多くあります。心の健康的な時間を増やすことは、心の病気の改善への近道になるのです。[2]

とくに好きなことがない場合は、「ちょっと気になるかな?」程度のもので大丈夫です。少しやってみると、ハマることもあります。何事も挑戦です。まずはやってみましょう

②ひとりで抱えこまない

「早く元の生活にもどりたい」「なんで自分は今こんな状態なんだ…」と自分の今の状態について、ひとりで考え続けることは良くありません。たしかに、自分自身と向き合うことは大切ですが、自分の悪いところにばかり目を向けていると、どんどん気持ちが落ち込んでいくので要注意です。 

誰かに相談したり、話を聞いてもらうことで、あなたのことを客観的に見てアドバイスがもらえることもあります。ひとりで抱えこまないで、身近な人やクリニックの専門家の方などに相談すると良いでしょう。

「クリニックはなんだかちょっと…」と思う方も多いと思います。おおかみこころのクリニックには気軽に相談して大丈夫です。あなたのちょっと気になることなどの相談などもお待ちしてます。

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③生活リズムを整える

生活リズムは、躁状態とうつ状態の周期に大きく影響します。気になるドラマを一晩中見ていると、急に躁状態やうつ状態になることもあります。

また、生活リズムの乱れを自覚することも大切です。自身で気づき意識して生活することで、体内リズムを整え双極性障害の再発防止・悪化予防をしましょう。[4][5]

④運動をする

運動はメンタルヘルスの改善に効果があり、運動後は「気分がよくなった」「スッキリした」など、感情がいい方向に改善されることが多くの研究で証明されています。

とくにストレッチやエクササイズなど、音楽に合わせて身体を動かすと少しの運動で楽しさや喜びを感じる効果が期待できます。[6]YouTubeなどで、自宅で手軽にストレッチやエクササイズなどから始めてみるのもいいでしょう

双極性障害の混合状態が辛いときに注意すべきこと

双極性障害の混合状態が辛いときに注意すべきこと

双極性障害の混合状態が辛い時には下記に2つに注意しましょう。

どちらも、主治医の先生との関わりが大切です。

詳しく説明していきますね。

自殺には要注意

双極性障害では、軽躁状態の自分を本来の自分として考えてしまうことが多くあります。[4]

混合状態は、気分はうつ状態なのに行動力はあります。そのため「こんな自分はいなくなってしまった方がいい」という風に考えてしまうと、最悪の場合、命を絶ってしまうことがあるので注意しなければなりません。

自殺を防ぐためにも、信頼できる主治医と定期的な関わりは大切です。周囲の人に自分の状態を客観的に判断してもらいましょう。

自己断薬はダメ

双極性障害は、継続的な治療が大切です。長く薬を飲み続けることになるため、生活が変わったりすると薬を飲むことが面倒に感じることもあります。

また、うつ状態から躁状態になると「あれ?最近調子がいいな」と思い薬の必要性を感じなくなることもあります。だからといって、自己断薬をしてはいけません。薬の変更は必ず主治医の先生と相談しましょう。

双極性障害の方が薬を飲まないとどうなるのか、気になる方は下記の記事をご覧ください。

双極性障害の混合状態は好きなことをして過ごそう|まとめ

双極性障害の混合状態では、心の中の不安と行動がチグハグになってしまい、イライラしたり焦ったりすることが多くあります。

あなたを焦らせている要因はなんでしょう。意外とあなた自身の中にあるのかもしれません。

「周りの人のために早く良くならないと…」「こんな自分はイヤだ…」と焦る必要はありません。自分自身と向き合い、穏やかに過ごすことが回復への近道になります。 

安心して治療をしていくためには、専門家との連携も大切です。あなたを支えてくれる家族や恋人がいる場合は一緒に診療に来るのも良いでしょう。

おおかみこころのクリニックは、あなたが過ごしやすい生活を一緒に探していきます。お気軽にご相談下さい。

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参考文献

[1]上野武治/標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 精神医学.株式会社 医学書院.2001年

[2]小林 夏子/精神機能作業療法学.株式会社 医学書院.2008年

[3]双極性障害(躁うつ病)とつきあうためにp7.8|日本うつ病学会 

bd_kaisetsu_ver9-20180730.pdf (secretariat.ne.jp)

[4]双極性障害の早期診断と治療|第49回日本心身医学会総会

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/49/9/49_KJ00005703406/_pdf/-char/ja

[5]双極性障害の診断と治療|寺尾岳,後藤慎二郎,帆秋伸彦,王育梅,荒木康夫,河野健太郎

https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1120121261.pdf

[6]回復期にある精神疾患患者を対象とした運動療法の試み|泉水宏臣,永松俊哉,井原一成,中川正俊

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tairyokukenkyu/107/0/107_15/_pdf/-char/ja

 [7]双極性障害と攻撃性|寺尾岳

https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1220030194.pdf

この記事の執筆者
柚木ハル
作業療法士。精神科での16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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