「強迫性障害に治るきっかけはある?」
「自力で克服できる?」
強迫性障害について、このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すので、病院に通って治療するのが嫌になるかもしれません。
「病院に通わずに、自然に治るきっかけがあればいいな」と考えたくなりますよね。
そこで今回は強迫性障害に治るきっかけはあるのか、体験談や治すコツについて解説していきます。
治療について知ることで、強迫性障害の改善に一歩近づくでしょう。
症状に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
強迫性障害が自然に治るきっかけ
強迫性障害は性格・育ってきた環境・ストレスなど、さまざまな要因が関係して発症すると考えられています。[1]
ストレスが主な原因で発症した場合は、環境が変わることでストレスが減って症状が自然に改善するケースもあるのです。
たとえば、仕事内容や職場に悩んでいたら転職を、家事・育児に疲れていたらパートナーや両親に協力をお願いしてみましょう。
ただし、強迫性障害は発症するきっかけが分からないケースも多く、環境を変えても自然に治らないかもしれません。
その場合は、病院などの専門機関に相談してみてください。
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強迫性障害が治った体験談
強迫性障害を患った経験のある、クオッカさんという方の体験談をご紹介します。[2]
強迫性障害の症状が出るようになったのは、大学生のときからです。
授業が終わって荷物置き場から荷物を取り出したのに、取り出せていないような気がして何度も確認をしていました。
それは強迫性障害の典型的な症状である「確認行為」でしたが、まだ生活に支障をきたすレベルではありませんでした。
ですが、社会人になって一人暮らしを始めてから他の症状が現れます。
- マンホールの上を歩けない
- 手洗いを一晩中してしまう
- 床に落としたものは消毒しないと拾えない
やがて主治医のいる病院に通えなくなり、別の精神科の病院に入院します。
しかし担当医が強迫性障害に詳しくなかったため、症状は改善しませんでした。
退院後は実家の近くに住んで、以前の主治医のもとに通うようになります。
主治医に「まず病院にくることが行動療法だ」と言われ、信頼関係を築きながら治療に励みました。
現在では日常生活に影響が出ないほど、症状は改善しています。
強迫性障害は他の精神疾患と違って、強迫行為をやめるという意思が大切です。
そのためには、強迫性障害に詳しい医師と連携をとったり、正しい服薬を守ったりしながら治療を進めていく必要があります。
強迫性障害を気にしない方法については、下記の記事をご覧ください。
強迫性障害の治療方法
強迫性障害のおもな治療方法は2つです。
強迫性障害は治療に取り組むことで、症状が軽減できるとされています。[1]
したがって、病院行かずに治すのは難しいかもしれません。
それぞれの治療方法について見ていきましょう。
薬物療法
薬物療法では、おもに抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使用されます。
SSRIはセロトニン系の異常を調整する働きがあり、早い人で2~3週間で症状が軽減するとされています。[3]
最初は少量から始めて、副作用の出現に気をつけながら用量を増やしていきます。
自分の判断で服薬を止めず、主治医の指示に従いながら服薬を続けることが大切です。
認知行動療法
認知行動療法の中でも、おもに曝露反応妨害法が使われています。
曝露反応妨害法とは、曝露法と反応妨害法を組み合わせた治療法です。
不安と感じる状況にあえて自分をさらして、不安をなくすための強迫行為をしないようにします。[4]
たとえば、以下のように治療をしていきます。
- 汚いと思うものを触った後に手を洗わない
- 鍵を閉めたか心配になっても確かめない
治療を続けていけば不安の程度が下がっていき、不安が治まるまでの時間も短くなっていくでしょう。
曝露反応妨害法について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
強迫性障害を治すコツ
強迫性障害を治すコツを5つ挙げていきます。
焦らずにじっくりと向き合っていきましょう。
それぞれについて解説していきますね!
治療を途中でやめない
強迫性障害の治療は、途中で諦めてはいけません。
適切な治療をおこなえば、改善が期待できると考えられています。[3]
たとえば、薬を飲み続けてるのに「症状が良くならない」と感じることもあるかもしれません。
ですが地道に継続することで症状の改善に繋がるので、治療をやめないようにしましょう。
もし治療を続けても改善されなければ、他の病気を併発している可能性もあります。
その場合は専門の医療機関で相談してみてくださいね。
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早く治そうと焦らない
「治そう」という意思は大切ですが、「早く治さなきゃ」と焦らないようにしてください。
強迫性障害は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、改善していく病気です。[5]
症状が悪化したからといって、病院を変えたり、薬の用法・用量を守らなかったりしてはいけません。
一喜一憂せずに、根気よく治療を続けていきましょう。
自分の個性を知る
自分の個性を知ることは、強迫性障害を治すことにつながるでしょう。
強迫性障害には「真面目」「探求心が強い」などの一面がある方が多いそうです。
性格を知っておくことで、ストレスをうまくかわせるようになります。
また、無理のない生活を送るように気をつけると、再発を防ぐことにも繋がるでしょう。
今の自分にできることに目を向けて、治療を進めてくださいね。
強迫観念が出ても気にしない
強迫観念が頭の中に出てきても、放っておきましょう。
「汚いと思うものを触った後は病気になる」という強迫観念が出ると、不安が発生します。
その不安を打ち消すために、何度も手を洗うなどの強迫行為をしてしまうと、また不安が発生するという悪循環になってしまいます。
もし強迫観念が出てきたなと思ったら、軽く運動してみたり、趣味をして気分転換をしてみたりするといいでしょう。
周囲の協力を得る
治療に焦らず取り組めるように、家族や職場に協力をお願いしてみてください。
強迫性障害は、10代~20代の若い時期に発症するケースが多いです。
自分では気づけない改善点を伝えてもらえば、「症状が良くなっているんだ」と実感できます。
ただし鍵を閉めたか確認するなどの強迫行為に協力を求めてしまうと、生活範囲が狭まって症状が悪化する可能性もあります。
強迫行為の手伝いになることは、求めないようにしてください。
まとめ
今回は強迫性障害に治るきっかけはあるのか、体験談や治すコツについて解説してきました。
強迫性障害を治すコツは、治療を途中でやめない、早く治そうと焦らないことが大切です。
強迫性障害はストレスが主な原因で発症した場合、ストレスが減れば症状が改善されるケースもあります。
ただし発症するきっかけが不明なときもあるので、ストレスを減らしても自然に治らないかもしれません。
もし症状が良くならなければ、一度おおかみこころのクリニックに相談にきてください。
症状を改善するために、強迫性障害の治療を一緒に進めていきましょう。
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参考文献
[1]強迫性障害|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=MiyHEH6ZUZDxDeYX
[2]強迫性障害で苦しんでいる方とその周囲の皆さんへ~私の体験から|障碍者ドットコム
https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=1885
[3]適切な治療を行えば、回復が期待できる|強迫性障害からの回復 – NHK福祉ポータル ハートネット
https://www.nhk.or.jp/heart-net/kokoro/ks/recovery.html
[4]強迫性障害(強迫症)の認知行動療法|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113840.pdf[5]強迫性障害の治療を受けるときのポイント|一般社団法人日本うつ病センター
https://www.jcptd.jp/contents/contents/detail/26?categoryId=18