「書類の数字を間違えた」「提出期限を勘違いしていた」など仕事で急にミスが増えて悩んでいませんか?
仕事で急に増えたミスは、更年期障害の可能性があります。めまいや情緒不安定などが起こり、仕事に集中できなかったり話を記憶できなかったりするのです。
とくに40代後半~50代前半の女性は、更年期障害を発症しやすいです。更年期障害は女性ホルモンの減少によって発症し、周囲に理解されにくい苦悩を伴うことがあります。
この記事では、仕事で急にミスが増えたときの対処法、更年期障害のセルフケアを解説します。更年期障害の症状を改善して、無理なく仕事を続けられるように役立てれば幸いです。
仕事で急にミスが増えたのは更年期の可能性も
更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を併せた10年間のことで女性の心身に大きな変化をもたらします。[1]更年期障害であらわれる心理的症状や身体的症状は、仕事でのミスを増やす可能性があるのです。
めまいや立ちくらみがしたり、動悸が激しくなって落ち着かなかったりするなど、さまざまな症状によって仕事に集中できなくなるでしょう。以前はスムーズにこなせていた仕事が突然難しく感じられたり、ミスが目立つようになったりするときは、更年期障害が影響しているかもしれません。
あわせて、認知症の可能性も考える必要があります。認知症は脳の病気や障害により認知機能が低下し、日常生活に支障をきたします。[2]物忘れが増えたり、同年代の人と比べて記憶力の低下を感じたりしたら、早めにかかりつけ医や精神科に相談しましょう。
毎日が楽しくないと感じることもあります。その理由については下記の記事をご覧ください。
更年期障害の症状
更年期障害のおもな原因は、卵巣機能の低下による女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。しかし、個人の性格や体質、環境的な要因も症状に影響すると考えられています。[3]
更年期障害の症状には、以下のようなものがあります。
- 身体的な症状
- ・発汗
・動悸
・頭痛
・めまい
・ほてり
・肩こり
・関節の痛み
・手足の冷え
・疲れやすさ
・胸の締め付け
・手足のしびれ
- 精神的な症状
- ・イライラ
・意欲低下
・情緒不安定
・気分の落ち込み
日本人の閉経する平均年齢は約50歳なので、更年期障害の症状は40代後半~50代後半まであらわれるのです。
症状がつらいときは、ひとりで悩まずに病院を受診してくださいね。
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更年期障害のセルフチェック
更年期障害かどうか診断するためのセルフチェックをおこなってみましょう。次の項目に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
▢ 頭痛やめまいがよくある
▢ 顔が急に熱くなることがある
▢ 手足が冷たく感じることがある
▢ 肩こりや腰痛、手足の痛みを感じる
▢ 以前よりも疲れやすくなったと感じる
▢ 少し動いただけで汗をかくことが増えた
▢ 寝つきが悪い、または眠りが浅いと感じる
▢ 普段の生活で息切れや心臓がドキドキすることがある
▢ 怒りっぽくなったり、憂うつな気分になることが増えた
あてはまる項目が多いほど、更年期障害の可能性があります。また、40代後半~50代後半に更年期障害の症状があらわれやすいため、年齢もあてはまるという人は婦人科を受診してくださいね。
仕事で急にミスが増えたときの対処法
仕事で急にミスが増えたときの対処法には、次の3つがあります。
仕事のミスを減らし職場での信頼を維持するために、実践していきましょう。
ミスした原因を探す
仕事のミスが増えている原因を特定することは、改善への第一歩となります。とくに更年期では、単なる不注意ではなく身体的・心理的な変化が影響している可能性があるのです。
「仕事の量が増えて集中力が途切れているのか」「業務内容の理解が不十分なのか」などを明確にすると、対策を見つけられます。自分の弱点や課題を正確に把握することは、業務効率の向上につながるのです。
現在の業務量が自分のキャパを超えていないか、新しい業務の流れや変更点を十分に理解しているかを丁寧に確認してみましょう。
チェックリストをつくる
仕事で急にミスが増えたと思ったら、チェックリストを用意しましょう。確認事項をまとめたチェックリストは、記憶力の低下や集中力の散漫に効果的です。手順を丁寧に確認しながら作業を進めると、確認漏れや細かいミスを減らし、安心して業務に取り組めます。
チェックリストを作成する際は、業務の重要なステップを漏れなく記載し、確認すべき項目を具体的に書きましょう。
次のポイントを参考に作成してみてください。
- 時系列順に並べる
- 優先順位をつける
- 締切があるものは目立つように強調させる
作成したチェックリストは目につく場所に置き、定期的に見直しや更新をすると、さらに効果的な業務管理が可能となります。
チェックリストの順に仕事をこなしていくとモレも減ります!
上司や同僚に内容を確認してもらう
上司や同僚など第三者の視点から作業を確認してもらうことは、ミス防止に有効です。自分だけでは気づけないミスをしていても、まわりに確認してもらえればミスを防げる可能性があるためです。
責任の重いタスクや初めて取り組む作業では、できるだけ周囲のサポートを求めましょう。上司や同僚に確認を依頼する際は、謙虚な姿勢でアドバイスを求め、具体的にどの部分を確認してほしいかを明確にすることが大切です。
また、もらったフィードバックに対しては前向きな態度で受け止め、改善に活かす姿勢が求められます。自分の状況を正直に伝えサポートを求めれば、職場の理解と協力を得られるでしょう。
更年期障害のセルフケア
更年期は心身ともに大きな変化を迎えます。仕事のパフォーマンスを維持し健康を守るためのセルフケアには、次の3つがあります。
自分自身を大切にしながら、更年期を乗り越えていきましょう。
睡眠時間を確保する
更年期障害の症状を改善するためには、十分な睡眠時間を確保してください。
更年期の女性の約半数が不眠に悩むとされています。加齢により睡眠は浅く短くなり、のぼせや動悸などが原因で深く眠れないことが多くなるのです。[4]更年期障害の症状は睡眠への不安を高め、眠れないという恐怖を引き起こし、最終的に慢性的な睡眠障害につながる可能性があります。
規則正しい就寝時間の設定や、リラックスできる就寝環境の整備を行いましょう。就寝前にはカフェイン摂取を控えたり、ぬるめのお風呂でリラックスしたりしてみてください。
趣味で気分転換をする
更年期障害の症状を和らげるために、趣味を通して気分転換をするのも有効な手段です。
更年期では、心理的にも大きな変化を伴います。そこで、ストレスの原因となるものから一定の距離を置き、精神的な安定を保つことが大切です。
自分らしさを取り戻し、心の健康を維持するためには、楽しめる活動や新しい趣味の発見が効果的です。他人との交流や自己表現の機会を持つと、心理的な負担を軽くできます。
たとえば、ヨガや音楽鑑賞など自分に合った心が癒される活動を見つけてみてください。新たな挑戦は自信の回復にもつながるでしょう。
栄養バランスのよい食事をとる
更年期障害を改善するためは、栄養バランスのある食事がポイントとなります。
更年期の食生活は、心と身体の健康に影響を与えます。たんぱく質やビタミンなどを含むバランスの取れた食事が欠かせません。ただし、更年期は太りやすいため、糖分や油分の少ない和食中心の食事を心がけましょう。女性ホルモンに似た働きをもつイソフラボンを含む大豆製品は、積極的に摂取してください。[5]
バランスの取れた食生活は、ホルモンバランスの調整や体調管理に役立ちます。カルシウムを多く含む乳製品やオメガ3脂肪酸を含む魚など、栄養価の高い食品を意識的に取り入れると、更年期の身体の変化にも対応できます。
まとめ
更年期による仕事のミスは、適切な対策と周囲の理解によって乗り越えられます。自分自身の状態を正確に把握し、セルフケアを実践することが大切です。
ミスの原因を探り、必要に応じて上司や同僚にサポートを求めれば、仕事のパフォーマンスを維持できます。更年期を乗り越えるためには、睡眠の質を高めたり、栄養バランスのよい食事をとったりしましょう。
更年期障害を恥じたり、周囲から受け入れられないと考えたりするのは避けてください。あなたの心と身体に寄り添い柔軟に対応していくことが、更年期を健やかに過ごすポイントとなるのです。
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【参考文献】
[1]更年期障害|公益社団法人 日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/5717
[2]認知症|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=WwE9LLpYbVZTIDMI
[3]更年期|働く女性の心とからだの応援サイト
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menopause.html
[4]女性の睡眠障害|e-ヘルスネット(厚生労働省)
[5]9割近い女性が不調を感じる「更年期」を乗り切るには|首都圏デジタル産業健康保険組合
https://www.sdi-kenpo.or.jp/imfine/2022/09/08/kounenki/index.html