悪い妄想が止まらない病気【妄想性障害は治らない】統合失調症との違いは

「悪い妄想が止まらなくて辛い」
「考えすぎて寝られない、病気なのか気になる」
「悪い妄想を起こす病気を早く治したい」

このような悩みはありませんか?

悪い妄想は仕事や生活に大きな影響をもたらします

「誰かにだまされている気がする」「あの人より能力があるのに評価されない」など人間関係のトラブルをかかえやすいです。その結果、人生が辛いと感じることが多くなるでしょう。

この記事では、悪い妄想が止まらないときに考えられる病気について解説します。ぜひ最後までご覧ください。

悪い妄想が止まらない病気は2種類ある

悪い妄想が止まらない病気は2種類ある

悪い妄想が止まらないときに疑う病気は以下の2種類です。

  • 妄想性パーソナリティ障害
  • 統合失調症

妄想性パーソナリティ障害とは、人を疑い深く見て、事実でないことを本当であるかのように確信しやすい病気のことです。常に精神的な不安定をかかえており、パートナーや配偶者の活動の動機をひんぱんに問いただすことがあります。

統合失調症とは、幻聴や妄想などさまざまな症状があらわれる疾患のことです。脳機能障害の異常と言われていますが、原因は解明されていません。

いずれも妄想の種類があり、それぞれで特徴が異なります。

妄想性パーソナリティ障害はなぜ治らないのか

妄想性パーソナリティ障害はなぜ治らないのか

妄想性パーソナリティ障害について以下の項目を解説します。

一つずつ解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.症状

自分をだましたり害をあたえようとしたりするのではないかと、他の人を疑うようになります。根拠がないのに、疑いを確信に変えて他者を責めることもあるでしょう。悪意がないことに対しても、攻撃的な傾向にあるため、職場の人やパートナーとの関係でトラブルに発展しやすいです。

2.原因

原因は明らかではありませんが、遺伝的要因や家庭環境が関係していると言われています。

幼いころ身体的虐待や犯罪にあった場合は、妄想性パーソナリティ障害に加えて、不安障害や心的外傷ストレス障害を抱えていることがあります。

3.妄想の5タイプ

妄想性パーソナリティ障害は以下の5つです。

  • 被愛型:誰かが自分に恋愛感情を持っていると思いこむ
  • 誇大型:自分の能力以上に才能があると思いこむ
  • 嫉妬型:パートナーが不貞をしていると思いこむ
  • 被害型:自分をおとしいれている人がいると思いこむ
  • 身体型:自分が嫌なにおいを発しているなど身体機能に関係した思いこみ

いずれかにあてはまっているからといって、必ずしも妄想性パーソナリティ障害というわけではありません。一時的な症状であって病気の可能性が低かったり、他の疾患が考えられたりします。しかし、複数該当する場合は妄想性パーソナリティ障害を疑ってもよいでしょう。

4.治療方法

妄想性パーソナリティ障害には有効な治療法がありません。

ほとんどの場合は医者と信頼関係を築き本人の協力があれば、認知行動療法をおこないます。基本的には薬を使いながら症状を緩和して長期間向き合うことが大切です。

病気と向き合うときは専門家のサポートを受けながら、適切な処置をしていくことが重要です。早めの治療は症状の改善が早まります。

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認知行動療法について、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

妄想性障害と統合失調症の違いとは

妄想性障害と統合失調症の違いとは

統合失調症について、以下の項目で解説します。

一つずつお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

1.症状

統合失調症の症状は主に、「陽性症状」「陰性症状」の2つです。

陽性症状
・聞こえない声が聞こえる
・見えないはずのものが見える
・誤ったことを信じる(妄想)
・悪口を言われている気がする
・監視されている
・独り言が多い
・話があちこちに飛ぶ
陰性症状
・ひきこもりがち
・表情が固くなる
・口数が少ない
・なにごとにも興味を示さなくなる
・部屋が散らかっている
・会話が理解できない

両者の違いとして、発症から間もない場合は陽性症状が目立ち、時間が経つと、陰性症状が増えます。

2.原因

はっきりとわかっていませんが、ドーパミンが関係していると言われています。ドーパミンが脳内にたくさん放出されると、幻覚が現れたり興奮状態になったり症状があらわれやすいです。

また強いストレスも関係しており、転職や結婚など人生の転機で発症しやすいとされています。環境の変化があったときは、十分注意しましょう。

3.妄想の4タイプ

統合失調症の妄想には、4つのタイプがあります。

  • 被害妄想:攻撃や嫌がらせを受けていると感じる妄想(統合失調症で最も見られる)
  • 関係妄想:周囲の人の話やインターネットに書かれていることが自分のことのように考える妄想
  • 誇大妄想:自分を能力以上に見せようとする妄想
  • 微小妄想:誇大妄想の反対で自分を必要以上に低く見積もる妄想

妄想性パーソナリティ障害と似ているため、幻覚や幻聴など他の症状を把握して判断しましょう。

4.治療方法

入院初期は精神的に不安定なため、薬を使用します。症状が落ち着いたら生活訓練などのリハビリを行って、社会復帰を目指します。統合失調症は何年もかけて向き合う必要があるでしょう。

まとめ

妄想が強い場合、妄想性パーソナリティ障害や統合失調症の可能性があります。遺伝やストレスで発症しやすく、本人が気づいていないこともある疾患です。この記事で紹介した症状が複数当てはまっていたら病院を受診しましょう。症状が悪化する前に治療を進めることが大切です。

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参考文献

妄想性パーソナリティ障害 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版

統合失調症 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版

この記事の編集者
和田直人
作業療法士。薬機法管理者。障害者入所施設や就労支援施設を経験。現在は放課後等デイサービスで勤務しながら、フリーライターとして活動。医療・健康分野を中心に執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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