レキソタンの安全性|副作用や作用の強さを解説

「薬がレキソタンに変わったんだけど、強い薬なの?」

「レキソタンは安全な薬なのかな?」

このような疑問を抱えていないでしょうか?

初めて処方された薬は、効果や副作用などの安全性が気になりますよね。

この記事では、レキソタンの安全性について解説します。不安に思いがちな副作用作用の強さにも触れているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

レキソタン(ブロマゼパム)とは

レキソタンは「ブロマゼパム」という成分を含むベンゾジアゼピン系抗不安薬です。現在は、錠剤と細粒を含む以下の4種類が販売されています。[1]

  • レキソタン錠1:1錠あたり1mg
  • レキソタン錠2:1錠あたり2mg
  • レキソタン錠5:1錠あたり5mg
  • レキソタン細粒:1gあたり10mg

またジェネリック医薬品「ブロマゼパム」には、先発品のレキソタンと同じ量の錠剤、細粒に加えて「坐剤(座薬)」「3mg錠」も用意されています。[2]

レキソタンの効能・効果

レキソタンは、気持ちを落ち着かせ不安症状をやわらげる薬です。

具体的には、以下の効能・効果が国に認められています。[1]

  • 神経症(不安障害)における「不安」「緊張」「抑うつ」「強迫・恐怖」
  • うつ病における「不安」「緊張」
  • 心身症(高血圧症、消化器疾患、自律神経失調症)における「不安」「緊張」「抑うつ」「睡眠障害」など
  • 麻酔前投薬(手術前に使って麻酔の導入を助ける)

レキソタンをどんなときに飲むかは、診断名や症状によって異なります。医師に指示された飲み方を守って服用してください。

こころちゃん
こころちゃん

飲み方に不安があったら医師に相談してみましょう

レキソタンの効果が出るまでの時間

レキソタンの血中濃度(血液中の濃度)が最大になるのは、服用から1〜1.5時間後です。

そのため、飲んでから1時間ほどすれば効果が出ると考えられます。

また、レキソタンの血中濃度が半分になるまでの時間は約20時間です。

効果時間は早めで、持続性もある薬といえるでしょう。[1]

レキソタンを飲んではいけない人

以下の人は、薬のアレルギーが出たり持病が悪化したりする可能性があるため、レキソタンを服用できません。[1]

  • レキソタンの成分(ブロマゼパム)に対する過敏症の人
  • 急性閉塞隅角緑内障の人
  • 重症筋無力症の人

今までに合わなかった薬や持病のある人は、必ず医師・薬剤師に伝えてください。

また、レキソタンの服用に注意が必要な人は、以下の通りです。

  • 心障害のある人
  • 脳に器質的障害のある人
  • 衰弱している人
  • 呼吸障害(中等度~重篤)のある人
  • 腎機能・肝機能障害の人
  • 妊娠中・授乳中の人
  • 子ども
  • 高齢者

レキソタンが本当に必要なのかを慎重に判断した上で、薬の量の調整や生活上の指導を行います。

なお「併用禁忌」とよばれる一緒に飲めない薬はないものの、レキソタンと以下の薬を一緒に飲むと作用や副作用が強く出る可能性があります。

  • フェノチアジン誘導体・バルビツール酸誘導体
  • 鎮痛薬
  • 麻酔薬
  • モノアミン酸化酵素阻害薬
  • シメチジン
  • フルボキサミンマレイン酸塩

レキソタンを安全に服用するために、他に飲んでいる薬がある人は必ず医師・薬剤師に伝えましょう。

アルコールは、レキソタンの効果や副作用を強めるおそれがあります。レキソタンとアルコールの併用は避けてください。

アルコールと抗不安薬の関係性ついては、以下の記事をご覧ください。

レキソタンの作用の強さ

レキソタンの抗不安作用は「強」に分類されています。[3]

不安症状だけでなく「強迫・恐怖」まで抑えてくれるため、しっかりとした作用が期待できるでしょう。[1]

また、レキソタンには抗不安作用に加えて「催眠」「筋弛緩」「抗けいれん」などの作用もあり、どの作用も抗不安薬の基準としてよく使われるセルシンより強力といわれています。[4]
ただし、レキソタンには1mg・2mg・5mg・細粒などのさまざまな種類があり、服用量によっても作用の強さは異なります。
作用の感じ方は個人差が大きいため、気になることは医師に相談してください。

レキソタン(ブロマゼパム)の安全性は高いのか

薬の発売前にはさまざまな調査・試験が行われ、副作用や毒性が強すぎる成分は発売されないよう国に管理されています。もちろんレキソタンも発売前にさまざまな調査が行われ、安全性に大きな問題がないと判断された薬です。

薬の安全性について過剰に心配するより、基本的には医師の指示を守って正しく服用しましょう。

たとえばレキソタンの安全性を調べるために、製薬会社は以下のような内容を発売前に調査しています。[4]

  • 効能・効果や注意点
  • 副作用
  • 薬の相互作用(飲み合わせ)
  • 飲んではいけない人・注意が必要な人
  • 飲みすぎたときの症状や対処法
  • 毒性(動物実験) など

しかし、副作用のない薬は存在しないのも事実です。

抗不安薬に限らず、すべての薬は「効果がしっかり得られるか」「副作用は大丈夫か」を確認し、作用と副作用のバランスを取りながら使用されます。

これから説明する副作用を理解し、気になる症状が出たらすぐに医師に相談することで、より薬の安全性を高められるでしょう。


レキソタン(ブロマゼパム)の副作用

レキソタンの代表的な副作用は、以下のものが挙げられます。

副作用を知っておけば、早めの対応が可能です。順番に説明します。

眠気・ふらつき

レキソタンに一番多い副作用は「眠気」で、15.69%の方にあらわれます。

次に多い副作用は「ふらつき」で、発現頻度は7.75%です。

眠気や集中力低下などのおそれがあるため、レキソタン服用中は車の運転を避けてください。[4]

副作用の頻度から考えると、レキソタンは作用時間の近い「ワイパックス」「ソラナックス」よりやや眠気の出やすい薬といえるでしょう。[5][6]

ワイパックスやソラナックスについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

依存・耐性・離脱症状

レキソタンの「依存」とは、薬を飲まないと体調を保てない状態のことです。[7]

依存はレキソタンを含む「ベンゾジアゼピン系薬剤」に共通の副作用で、具体的には以下の症状があります。

  • 耐性:身体が薬に慣れて同じ量では効かなくなり、薬の量を増やさなければならないこと
  • 離脱症状:薬を減らしたりやめたりするときに、不安やイライラ感などが強く出ること
  • 精神依存:薬を飲まないと落ち着かないこと
  • 身体依存:身体が薬に慣れてしまい、薬を減らすと離脱症状が起きること

通常、離脱症状は7日以内にあらわれ、最も症状が強いのは2〜3日以内といわれています。

依存は全員に出るわけではありません。ただし「レキソタンを長く飲んでいる人」「複数の抗不安薬を飲んでいる人」などは依存が出やすいとされています。

医師の指示した量・飲み方を守っていても依存が出る可能性はあります。「前よりも薬が効かなくなった気がする」と感じる場合は、早めに医師に相談してください。

その他の副作用

レキソタンには、眠気・ふらつき・依存の他に、以下の副作用もあります。[4]

  • めまい
  • 興奮・気分高揚
  • 不安・焦躁感
  • 頭痛
  • 調節障害
  • 構音障害
  • 不眠
  • 振戦
  • 口渇
  • 便秘
  • 悪心・嘔気
  • 食欲不振・胃腸障害
  • 発疹
  • 血圧低下
  • 疲労感・脱力感
  • 性欲減退 など

ただしレキソタンで何かしらの副作用が出る人は約26%とされており、すべての人に副作用が出るわけではありません。

副作用の内容や強さは人によって異なります。気になる点は医師に相談しましょう。

レキソタン(ブロマゼパム)の副作用が出たときの対処法

レキソタンの副作用を疑う場合は、医師に相談してください。気になる症状の原因がレキソタンなのかを医師が診断し、適切な対処を行います。

また、勝手に自分で薬をやめてしまうと、先ほど説明した「離脱症状」が出て余計に症状がつらくなる可能性があります。

気になる症状は、もともとの症状の悪化や他の薬、生活習慣によるものかもしれません。より安全に薬を服用するために、自己判断での減量・中止は避けましょう。

レキソタンの一般的なやめ方

レキソタンの減薬・断薬は、以下の方法で進めるのが一般的です。[7]

  • 1回に飲む薬の量を少しずつ減らす
  • 薬を飲む間隔を空けていく
  • 他の薬に置き換える

どの方法でレキソタンをやめるかは、人によって異なります

薬の服用量や不安症状の強さによっては、何ヶ月もかけてゆっくりと薬を減らすケースも珍しくありません。

急激に行うと離脱症状のリスクが上がるため、薬の減薬は体調をみながら慎重に進めます。


必ず医師に相談する

レキソタンの副作用が起きた場合は、自己判断を避け、必ず医師に相談しましょう。

受診日まで日にちが空いている場合は、早めに一度受診する薬をもらった薬局に相談するなどの方法もあります。

また「診察室に入ると聞きたかったことを忘れてしまう」「うまく説明できない」ということもあるでしょう。

医師に直接聞いたり説明したりするのが苦手な方は、聞きたいことをメモしておく方法もありますよ。紙に書いてもよいのですが、スマホのメモ帳機能を使うと、気になることを忘れる前に手軽にメモできます。


薬の効果や副作用の出かたは人によって異なり、心配に思うポイントもさまざまです。

「こんなこと聞いていいのかな」と思わず、気になることは遠慮せず医師や薬剤師に相談してください。

もし相談先にお困りなら、LINEで簡単に予約できるおおかみこころのクリニックでもお話しをお伺いします。

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Q:レキソタン(ブロマゼパム)は1日何錠まで服用できますか?

レキソタンを服用できる錠数は、人によって異なります。

実はレキソタンの1日あたりの服用量は、診断名や症状、年齢などにより3mg~15mgと大きな幅があります。[1]

また、レキソタンの錠剤は「1mg」「2mg」「5mg」があるため、同じ量であっても以下のように服用する錠数はさまざまです。

<例:1日5mg服用の場合>
・1mg錠:1日5錠
・2mg錠:1日2.5錠
・5mg錠:1日1錠

薬の飲み間違いは、健康を害するおそれがあります。安全に薬を使うために、もし飲み方を忘れた場合は医師・薬剤師に確認してみてください。

Q:レキソタン(ブロマゼパム)とデパスはどちらが強いですか?

ベンゾジアゼピン系薬剤の作用を比べた以下の表では、レキソタンの抗不安作用は「強」、デパスは「中」とされています。[3]

作用強度作用時間のタイプ
レキソタン中間型
デパス短時間型
出典:今日の治療薬2024 P902

表のデータからすると、レキソタンの方が強いといえるでしょう。

ただし、デパスとレキソタンは作用時間が異なり、レキソタンは効果がやや長い「中間型」、デパスは効果の短い「短期間型」です。


効果時間と作用強度のバランスが異なるため、中には「デパスの方が強い」と感じる人もいます。

どの薬がよく効くかは個人差があります。疑問点や不安は医師に相談してみましょう。

まとめ

レキソタンは、しっかりした抗不安作用を持つベンゾジアゼピン系薬剤です。錠剤は「1mg」「2mg」「5mg」が発売されており、症状により服用する量や回数は異なります。

レキソタンのおもな副作用は「眠気」「ふらつき」「依存」などです。気になる症状が出た際は早めに医師に相談してください。

副作用を知り、気になる症状を早めに医師に相談することで、薬の安全性を高めることが可能です。

レキソタンの安全性・副作用について気になることがあるなら、おおかみこころのクリニックまで気軽にご相談ください。

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【参考文献】
[1]レキソタン|添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/112268_1124020C1045_2_04#HDR_ContraIndications

[2]サンド|製品情報
https://www.sandoz.jp/products/

[3]今日の治療薬2024 P902|南江堂

[4]レキソタン|インタビューフォーム
https://www.sandoz.jp/product/lexotan-2/

[5]ワイパックス錠|インタビューフォーム
https://www.pfizermedicalinformation.jp/system/files/medpage_section/wpx01if_3.pdf

[6]ソラナックス錠|インタビューフォーム
https://www.viatris-e-channel.com/viatris-products/di/pdf/sox01if.pdf

[7]重篤副作用疾患別対応マニュアル|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1j27.pdf

この記事の執筆者
南尾優香
薬剤師。心療内科や総合病院の門前薬局で勤務経験あり。現在は医療・健康分野を中心に、フリーライターとして活動中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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