「最近、何も楽しいことがない…」
「全てのことがめんどくさくて、何もしたくない…」
そんな気持ちを抱えて、毎日を過ごしていませんか。
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」という状態は、こころのエネルギーが限界に近づいているサインかもしれません。
また、疲れやストレスだけでなく、うつ病のようなこころの不調による症状であらわれることもあります。
この記事では「何も楽しいことがない全てのことがめんどくさい」と感じる理由や生活に楽しさを感じるセルフケアを紹介します。
ほかにも、病院に行くべきか迷っているときの受診の目安についても解説します。
「ただ、なまけているわけじゃない」と、少しでも安心できるきっかけになりますと幸いです。
この記事の内容
何も楽しいことがない全てがめんどくさい状態は「怠け」ではない
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じるとき、何もしたくない状態が続くと不安になることもあるでしょう。
これは「怠け」や「性格」の問題ではなく、こころのエネルギーが減っているサインかもしれません。
厚生労働省の出しているうつ病の特徴のひとつに「これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない」とあります。[1]
そのため「今はこころが疲れているのかもしれない」と受け止め、必要に応じて心療内科やメンタルクリニックを受診しましょう。
病院を受診する目安はこの記事の後半で解説します。すぐに知りたいときはこちらからご覧ください。
「わたしうつ病なのかな?」と気になったら下記の記事でセルフチェックをしてみるのもよいでしょう。
何も楽しいことがない全てのことがめんどくさいと感じる理由
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じる理由は以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
こころが疲れている
強いストレスや疲労が重なり、こころが疲れると「やる気」や「楽しみを感じる力」が低下します。[2]
以下のようなことがあるでしょう。
- 休んでも気持ちが晴れない
- 今まで好きだった趣味をやりたいと思えない
- 何気ない家事や仕事を始めるのが億劫になる
たとえば、朝起きても布団から出られなかったり、SNSやテレビを眺めるだけで一日が終わってしまうこともあります。これらは、こころのSOSサインです。
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じたら、こころの「少し休んだ方がいいよ」というお知らせだと考えてください。
うつ病につながるサイン
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じる背景には、うつ病につながる症状が隠れているかもしれません。
心理学では「無快感症(アンヘドニア)」と呼び、うつ病の中心的な症状とされています。
無快感症とは、今まで楽しめていた活動に興味が持てなくなったり楽しいと感じられなくなったりすることです。[3]
無快感症があると次のようなことが難しくなります。
- 楽しい活動に参加する意欲がわかない
- 活動を計画したり始めたりすることが難しい
- 将来のできごとに対する熱意や興奮がもてなくなる
厚生労働省の資料でも、興味がもてなくなったり楽しめなかったりすることは、うつ病の代表的な症状として紹介されています。[2]
このような変化に気づいたら、ムリをせずに休息をとることも大切です。
また、うつ病と診断され薬やカウンセリングで症状がやわらがないときは「rTMS療法」という選択肢もあります。
rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)は、頭に磁気をあてて脳の活動を調整する治療法で、うつ病の治療として厚生労働省にも認可されている方法です。[4]
副作用が少ないことから、薬が合わなかったり効果を感じにくかったりしたときに選ばれています。
おおかみこころのクリニックでもrTMS療法に対応しています。詳しくは下記の記事をご覧ください。
ストレスや生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れや長く続くストレスも「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じる原因になります。
睡眠不足や不規則な生活、過労や人間関係のプレッシャーが続くと、心身のバランスが崩れ、こころの回復力が弱まってしまうのです。
例として次のようなことが挙げられます。
- 夜遅くまでスマホを見て寝不足が続いている
- 仕事や家事に追われて休息時間がとれていない
- 運動不足や偏った食事で身体が疲れやすくなっている
こうした生活が続くとこころが疲れてしまい、うつ病のリスクを高めることもあります。
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じたときは、生活習慣やストレス環境を見直すことも大切です。
生活に楽しさを感じるための3ステップ
生活に楽しさを感じるためには、こころの疲れを癒したり気分転換をしたりしましょう。
ここでは、以下の3ステップに分けて紹介します。
大切なのは「ムリをしないこと」です。
あなたができそうかなと思えることから始めてみましょう。
ステップ①今すぐできる気分転換|深呼吸・飲み物・香り
こころが疲れていると感じたときは、すぐに取り入れられる「ちょっとした息抜き」が大切です。
腹式呼吸を繰り返すことで、ストレスや緊張をやわらげます。[5]
【やり方】
- 椅子に座ったまま背筋をまっすぐにし、軽く目を閉じる
- お腹に手を当てる
- ゆっくりと息を吐く(「いーち、にー、さーん」と頭の中で数えながら)
- 鼻から息を吸い、同じくゆっくり数秒かけて吐き出す
- 5〜10分ほど繰り返す
ほかにも、温かい飲み物をゆっくり味わったり、好きな香り(ハーブ・アロマ・入浴剤など)を感じたりすることも、こころを休ませるために有効です。
ステップ②数日後に試したい軽めの行動|散歩・朝日・生活リズム
少し気持ちが落ち着いてきたと感じたら、ムリのない範囲で軽めの行動を取り入れましょう。
ポイントは「負担にならない程度」です。
次のような行動があります。[6][7]
- 起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる
- 気分が向いたときに1日20分を目安に近所を散歩する
- 起きる時間・寝る時間・食事の時間を少しずつととのえる
朝の光を浴びるだけでも体内時計がととのい、気分が少しラクになることがあります。[8]
また、太陽の光にはストレスをやわらげたり、こころを穏やかにしたりする働きがある「セロトニン」という脳内物質を活性化させます。[9]
まずは、できそうなときにできることから始めましょう。
ステップ③気持ちが落ち着いたら|感情を書き出す・誰かに話す
つらい気持ちが少し落ち着いたら、あなたの気持ちを整理してみましょう。
モヤモヤした気持ちやイライラ、不安などの感情をノートに書き出してください。
書いたり話したりすると、頭の中だけで抱えている思いを外に出すことができ、あなたの状況を客観視できるようになります。[10]
たとえば、次のようなことを試してください。
- ノートや携帯に思ったままの感情を書き出す
- 信頼できる人に思っていることや感じていることを言葉で伝える
- 「悲しい」「不安」「疲れた」など自分の気持ちをそのまま書く
書き出すことで、今あなたが抱えている悩みを客観的にとらえ、焦りがやわらぎ落ち着いて考えられるようになります。
また、書いた文章を読み返すと、今まで気づけなかった新しい視点をもつきっかけにもなるのです。
ムリにポジティブになろうとせず「今わたしはこういう気持ちなんだ」と、気持ちに寄り添うようにゆっくり向き合ってみましょう。
「病院に行くほどじゃない」と迷ったときの受診目安
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じる状態が2週間以上続いているときは、心療内科や精神科に相談しましょう。
以下のような状態が続いたら受診の目安です。[1]
- 気分の落ち込みや不安が長く続く
- 食欲や睡眠に変化がある(食べられない・眠れない など)
- 疲れやすく何もやる気になれない
- 周囲と話すことがつらくなってきた
- 死にたいと思うほどつらい
「まだ大丈夫だろう」と考えずに、症状が軽いうちに相談することで回復も早くなるケースがあります。
「病院に行くほどじゃないかな」と悩んだら、まず自宅から相談できるオンライン診療を利用してみるのもよいでしょう。
おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療も行っています。
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まとめ
「何も楽しいことがない」「全てのことがめんどくさい」と感じているときに、ムリに元気を出そうとする必要はありません。その気持ちは、こころの疲れを教えてくれる大切なサインです。
まずは、深呼吸をしたり朝の光を浴びたりと、できそうなことから始めましょう。
それでもつらさが続くときは、うつ病のようなこころの病気が背景にある可能性もあります。
最近では、薬が合わなかったり副作用が気になったりする方に向けて、頭に磁気をあてて脳の活動を調整するrTMS療法という選択肢もあります。
「薬に頼りたくない」「自分に合った治療を探したい」というときは、おおかみこころのクリニックにお気軽にご相談ください。
オンライン診療も行っております。忙しくなかなか受診できないときにご活用ください。
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【参考文献】
[1]うつ病|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html?utm_source=chatgpt.com
[2]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf?utm_source=chatgpt.com
[3]うつ病における無快感症の特徴:臨床的観点からのレビュー|Congchong Wu、Qingli Mu、Weijia Gao、Shaojia Lu
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11928558/?utm_source=chatgpt.com
[4]日本精神神経学会 反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/Guidelines_for_appropriate_use_of_rTMS_202404ver2.pdf
[5]腹式呼吸をくりかえす|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html?utm_source=chatgpt.com
[6]快眠と生活習慣|厚生労働省
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004?utm_source=chatgpt.com
[7]体を動かす|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html?utm_source=chatgpt.com
[8]眠り、リズムと健康②|国立精神・神経医療研究センター
https://www.ncnp.go.jp/hospital/sleep-column6.html?utm_source=chatgpt.com
[9]セロトニン欠乏脳-キレる脳・鬱の脳を鍛え直す-|有田 秀穂
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbs/3/2/3_123/_pdf/-char/ja
[10]今の気持ちを書いてみる|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_02.html?utm_source=chatgpt.com
- この記事の執筆者
- 柚木ハル
作業療法士として精神科で17年の臨床経験を積み、現在は訪問リハビリに従事。経験を生かしメンタルヘルスを中心に、やさしく寄り添う文章を心がけて執筆しています。









