ストレスで熱が続くのは心因性発熱?対処法と仕事を休むときの判断基準










「熱が何日も続くのに検査では異常がない」
「身体がつらくて仕事や日常生活にも支障をきたしてる」
「ストレスの自覚がなくどう対処すればいいのかわからない」

このような状態に、不安を感じていませんか。

仕事を休むことに罪悪感を覚えたり「甘えていると思われるかも」と悩んだりする人も少なくありません。

この記事では、ストレスによる熱が続くときの対処法考え方仕事を休む判断基準などについて解説します。

ひとりで抱え込まず、今の状態を整理するヒントとして参考にしていただけると幸いです。

ストレスで熱が続くときの対処法

ストレスで熱が続くときの対処法として、以下が挙げられます。

それぞれ解説します。

仕事や生活の負担を下げる

ストレスで熱が続くときは、仕事や生活の負担を下げることが大切です。

負担になっていることがわからない方は、まずなにかをひとつやめてみましょう。

たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 残業を一時的にやめる
  • 週に何日か夕食作りをやめてお惣菜にする
  • 人に会わない日や連絡をとらない日を作る

負担を下げて初めて「あれがストレスだったんだ」と気づくこともあります。

熱が続いているときはムリに耐え続けるよりも、仕事や生活の負担を下げて回復しやすい状態を作ることを大切にしてください。

こころちゃん
こころちゃん

気づかないストレスもあります。

負担を下げてストレス要因を探してみましょう。

解熱剤でムリに下げようとしない

熱が続いているときは、ムリに解熱剤で下げないようにしましょう。

感染症の発熱とストレスの発熱では、体温が上がる仕組みが異なります。

感染症の発熱は、身体がウイルスや細菌と戦う過程で起こる炎症反応が原因です。

一方でストレスによる発熱は、ストレスによって体温調節がうまく働かなくなっている状態と考えられています。[1]

そのためストレスで続く熱に対しては、炎症を抑えて熱を下げる一般的な解熱剤が効きにくいことがあるのです。

熱が長引いているときは体温を下げようと頑張りすぎず、こころと身体の緊張をやわらげることを優先しましょう。

体調が悪い日が続いてつらいけど病院は怖い…と思ったら下記の記事もご覧ください。

感染症や内科疾患ではないことを確認する

熱が続くときは医療機関を受診し、感染症や内科疾患ではないことを確認しましょう。

受診して異常がなくても「なにも問題がない」「原因不明のまま放っておく」という意味ではありません。

「見逃されている病気があるかも」と不安になるのは自然なことですが、異常なしと診断されているときは、こころと身体を休めるタイミングと考えましょう。

ただ、これまでと違う症状が出たときや急に体調が悪化したときは、その時点で医療機関に相談してください。

具体的な受診の目安について先に知りたいときは、こちらからご確認いただけます。

ストレスで熱が続くときにこころと身体で起きていること

わたしたちの体温は、脳の働きによって一定の範囲に保たれるものです。

体温の調整にはこころの状態も関わっており、ストレスが続くと体温調節のバランスが乱れやすくなります。[2]

その結果、身体を休めているつもりでも熱が下がりにくくなり、発熱が長引いてしまうことがあるのです。

ストレスで熱が続く原因はまだ完全に解明されていませんが、ストレスによる熱には以下のような傾向があることがわかっています。[3]

  • 慢性的なストレスが続くと37〜38°C前後の熱が持続するタイプ
  • 強い精神的な負担がかかると一時的に最大41℃の高熱を出すタイプ

「ストレスなんてない」と思っていても、以下のようなものがストレスになっている可能性があるでしょう。

  • 家でも仕事のことを考えてしまう
  • 休んでいても気が抜けず心身の緊張が続いている
  • 不調があっても「この程度なら」と我慢して続けている

このような日常的な負担が、知らないうちに積み重なっているケースも少なくありません。

あなたが「ストレスを感じていない」と思っていても、身体が先に反応している可能性があるのです。

こころちゃん
こころちゃん

こころよりも身体が反応していることもあります。

ムリをせずにゆっくり過ごしてください。

ストレスで熱が続いてつらいときこそオンライン診療

ストレスで熱が続いてつらいときこそ「オンライン診療」という選択肢があります。

熱が続いていても検査で異常がないと「甘えていると思われるのでは」と不安になり、ひとりで抱え込んでしまう人は少なくありません。

こうした不安が続くと心身の緊張が続き、体温調節がうまく働かない状態が長引くことがあります。

オンライン診療であれば自宅にいながら、以下のようなことについて医師に相談することができます。

  • どこまで様子を見てよいか
  • 今の熱の状態をどう考えればよいか
  • 生活や仕事をどう調整すればよいか

対面受診のように外出する負担がなく、周囲の目を気にせず受診できる点も特徴です。

つらさをひとりで抱え続ける前に、おおかみこころのクリニックにご相談ください。

当日予約・自宅で薬の受け取り可能

ストレスによる熱で仕事を続けるか休むかの判断基準

ストレスによる熱が続いているときに、仕事を続けるか休むかは「体温の高さ」だけで判断するものではありません。

体温とつらさが必ずしも一致しないため「37度だから働ける」「38度だから休む」と線を引くことが難しいのです。

以下にあてはまるときはムリを続けるより、一時的に仕事の負荷を下げるほうが回復につながる可能性があります。

  • 仕事を休むと少し楽になる感覚がある
  • 仕事から離れると心身の緊張がゆるむ
  • 仕事を休めば生活リズムをととのえやすくなる

このようなときは、時短勤務や業務量の調整、休職などの調整が選択肢になるでしょう。

会社に伝える際は、以下のような伝え方を参考にしてください。

「現在、発熱が続いており、医師からもムリをしないようにと言われています。

しばらくは体調を優先しながら、働き方を調整させてください。」

仕事を調整することは、責任から逃げることではありません。

体調に合わせて働き方を一時的に変えることは、回復のためのひとつの選択肢です。

Q:38度前後の熱が続いているときは?

以下を参考に、様子見でよいか受診すべきかを考えましょう。[4]

次のようなときは、身体を休めながら様子を見てもよい状態です。

  • 水分がとれており尿も出ている
  • 呼吸が苦しくなく意識もはっきりしている
  • 強い痛みや動けないほどのぐったり感がない

一方で、次のような状態のときは早めに医療機関へ相談してください。

  • つらくて仕事や日常生活に影響が出ている
  • 水分がとれない/尿量が少ないなど脱水が疑われる
  • これまでとは違う痛み(頭や胸、お腹など)が出ている

高めの熱が続くと不安になりますが、体温で重症度が決まるわけではありません。

迷ったときはムリをせず、オンライン診療で状態を確認してもらうのもひとつの方法です。

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Q:ストレスによる熱は何日くらい続く?

ストレスによる熱は長引きやすく、海外の研究では以下のような傾向がわかっています。[3]

  • 37〜38℃前後の体温が数週間〜数か月続くことがある
  • ストレスが続く状況では数年続くケースも報告されている

熱が長引く背景には、ストレスにより体温調節の仕組みそのものが関係していると考えられています。

なかなか熱が下がらない自分を責めず、こころと身体を休めることが大切です。

まとめ|ストレスで熱が続くときはひとりで抱え込まないで

熱が続いているのに検査で異常が見つからないと、不安や孤独を感じてしまうこともあるかもしれません。

ただ、それは「気のせい」や「甘え」ではなく、ストレスに対して身体がSOSのサインを出している状態なのです。

ひとりで抱え込まず、必要に応じて仕事や生活を調整したり医師に相談したりすることは、回復のための大切な選択です。

「この状態がいつまで続くのだろう」と不安なときは、おおかみこころのクリニックにご相談ください。

外出が負担なときや周囲の目が気になるときは、オンライン診療のご利用が便利です。

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【参考資料】
[1]岡孝和 心因性発熱に関する最近の研究の発展
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/61/5/61_61.5_407/_pdf

[2]岡孝和 ストレスと体温調節
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/48/7/48_KJ00004963007/_pdf

[3]Takakazu Oka  Psychogenic fever: how psychological stress affects body temperature in the clinical population
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4843908

[4]日本医師会
https://www.med.or.jp/clinic/sick_timing.html

この記事の執筆者
とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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