ふとひとりになったとき「なんのために生きているんだろう」と虚しくなることはありませんか。
毎日が同じことの繰り返しに感じられ「もしかして病気なのかな」と不安になることもあるでしょう。
「なんのために生きているのかわからない」という悩みには、うつ病や離人感・現実感消失症などのこころの病気が隠れている可能性があります。
こうしたつらさは、決してあなたの心が弱いからでも甘えているからでもありません。
この記事では、「なんのために生きているのかわからない」という悩みの背景にある5つの病気やほかの要因、3つの回復方法を紹介します。
新宿・秋葉原・横浜・大阪梅田・博多周辺で精神科をお探しで、生きる意味を見失って悩んでいるあなたにとって、この記事が今の状況を客観的に見つめ直し、専門家へ相談するかどうかを判断する参考になれば幸いです。
「なんのために生きているのかわからない」ときに考えられる5つの病気
なんのために生きているのかわからなくなるときに考えられる病気は、以下の5つです。
それぞれの病気について、特徴と生きる意味を見失ってしまう理由を解説します。
うつ病
うつ病は一日中気分が落ち込んだり、これまで楽しかったことにも興味が持てなくなったりする病気です。
精神を安定させたり、やる気を起こさせたりする脳内の物質(セロトニンやノルアドレナリン)が減ることで起きると考えられています。[1]
今まで楽しかったことに興味がなくなり「なにをしても楽しくない」と感じるため「なんのために生きているのかわからない」という思いにつながるのです。
もし、なにも楽しいことがなくすべてのことが手につかないと感じているときは、以下の記事も参考にしてみてください。
気分変調症
気分変調症は、うつ病ほど重い症状ではないものの、気分の落ち込みやむなしさが年単位で長く続く病気です。
一般的には2年以上続くとされています。[2]
食欲の変化ややる気が出ない状態、自分に自信がもてないなどの症状が長く続くことが特徴です。そのため「昔からずっと生きる意味を感じられなかった」と、長年ひとりで思い悩むこともあるでしょう。
「自分は元々生きる意味を感じにくい性格だから仕方ない」とあきらめずに、早めに対処することがあなたのこころを守るポイントとなります。
離人感・現実感消失症
離人感・現実感消失症は、あなた自身がこころや身体から切り離されたように感じたり、周りのできごとが現実ではないように思えたりする病気です。[3]
喜怒哀楽を感じにくくなり、「ロボットになったようだ」と感じることが特徴です。
そのため、人生を自分ごととして捉えられなくなり、「なんのために生きているかわからない」という虚しさを抱きやすくなります。
離人感・現実感消失症は、幼少期のトラウマや大人になってからの耐え難いストレスに対して、こころを守るために感情をシャットアウトした結果生じます。[3]

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境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害は、人から見捨てられることへの不安から人間関係が不安定になりやすく、感情や自己像が一定しない状態のことです。[4][5]
境界性パーソナリティ障害の特徴のひとつに「同一性の混乱」があります。
同一性の混乱とは「自分自身がどのような人間なのか」という感覚がハッキリしていない状態のことです。
そのため「なんのために生きているのか」「今後の人生でなにを大切にしたいのか」がわかりづらくなるでしょう。[4]
そのため「なんのために生きているのかわからない」という虚しさを抱きやすくなるのです。
自己愛性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害は、「自分は特別である」と実際以上に自分を評価し、人から褒められたいと過度に思ってしまう状態です。[5]
他人からの評価を気にして、自尊心を保てず抑うつ的になりやすい傾向があります[6]。
自分の理想が高いため、失敗や批判に対して弱くなるのです。
とくに中高年期では、加齢に伴う衰えや仕事での失敗などから自信を失うと「評価されない人生に意味はない」という虚しさを感じやすくなります。
病気以外で生きる意味を見失う3つの要因
病気以外でも、「なんのために生きているのか」という悩みが頭から離れなくなることがあります。生きる意味を見失いやすい40代〜50代で起きる3つの要因について解説します。
あなたが抱えている悩みに近いものがないか、確認してみましょう。
燃え尽き症候群
燃え尽き症候群は、仕事や子育てなどの活動を頑張り続けた結果、ある日突然、張り詰めていた糸が切れたようにやる気を失ってしまう状態です。
精神的な疲れや人と距離を置くこと、達成感を得られないなどの症状がみられます。[7]
たとえば、長年家族のために自分の感情を後回しにして頑張ってきたのに、ふとした瞬間に「わたしの人生ってなんだったのだろう」と虚しくなることがあるでしょう。
頑張りすぎたこころが「もう限界だ」と訴えている可能性があります。まずはゆっくり休む時間を作ってみてください。
求められる役割の変化
40~50代ごろには周りから求められる役割が大きく変化します。[8]
たとえば、次のような変化が挙げられます。
- 身体の変化:体力の衰えを感じやすくなる
- 家庭の変化:子どもの自立や親の老いなどにより家庭での役割が変わる
- 職場の変化:昇進や退職、後輩の育成などにより仕事での立場が変わる
こうした変化により、「子どもを直接世話することから、自立を見守る」「仕事では自分の業績よりも部下の業績を重視する」など役割も変わります。
そのため、これまで頑張っていた目標が失われる感覚を抱きやすいのです。
年代ごとの悩みや乗り越え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。あなた自身の年代に合わせて参考にしてください。
将来に対する漠然とした不安
子どもの独立や定年退職が近づき、ふと「これから先、誰のために生きていけばいいのだろう」と、将来が怖くなることはありませんか。
年齢を重ねて人生の残り時間を意識し始めたとき、経済的な老後の問題や「パートナーとふたりきりになってどう過ごせばいいのか」という孤独感から、過去を振り返り虚しくなることもあるでしょう。
将来への漠然とした不安がこころを支配すると、今の自分が生きる意味まで見失い「何のために生きているのかわからない」と思うことがあります。
病気とは限らない原因や対策についてさらに詳しく知りたいときは、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
生きる意味を見つけるために必要な3つの対処法
生きる意味を見つけるためには、以下の3つの対処法があります。
少しずつこころを前向きにするための具体的な方法を紹介します。ムリのない範囲で試してみてください。
五感を使って今に集中する
不安感や現実感のなさが強いときは、意識を過去の後悔や未来の不安から切り離し、「今、ここ」の感覚に向けることが役立ちます。
「今、ここ」の感覚に向けるために有効なのが、グラウンディングという方法です。
グラウンディングは、五感を意図的に活用することで、自分自身や現実とつながっている感覚を取り戻すものです。
たとえば、以下の方法があります[9]
- 冷たい水を手にかけ、肌触りを感じる
- 椅子に座ったときのからだの重さに注目する
- 刺激の強いものを食べる(ミント味のものを食べる、氷を噛み砕くなど)
- 匂いを嗅いで、今この瞬間に意識を引き戻す(香水、アロマキャンドルなど)
- 身の回りのものを一つひとつ触ってみて、手触り、色、素材、重さ、温度などを比べる
五感を使って今に集中することで、意識を現実に引き戻し「今生きている自分」の存在を確かめられます。
自分の中の思い込みを手放す
「いつまでも第一線で活躍しなければならない」「親として子どもの世話を焼き続けなければならない」といった思い込みが、あなた自身を苦しめている可能性もあります。
あなたを苦しめる思い込みに気づくためには「認知行動療法」が役立ちます。認知行動療法とは、自分の考え方のクセに気づき、ストレスを減らしていくための心理療法です。
たとえば、「仕事で第一線で活躍し続けなければならない」という思い込みを「これからは後輩をサポートする役割を楽しんでみよう」と別の見方に変えてみましょう。
思い込みを手放すことで、あなたが抱えているこころの負担をやわらげられます。
本当に大切にしたい価値観を見直す
過去や現実に思い悩むのではなく「これからの人生で、自分は何を大切にするか」を整理する時間も必要です。
まずは「自分は今、なんのために生きているのかわからなくて虚しいんだな」と、その気持ちをそのまま受け止めてみましょう。そのうえで、今後はなにを優先したいかを明確にしていきます。
たとえば、以下の視点であなたの人生で大切にしたい「価値観」を具体化してみましょう。[10]
- 理想とする人:あなたが尊敬する人は誰か
- 好きなこと:あなたはなにをするのが好きか
- 子どもの頃の夢:子どものとき、どんな未来を想像していたか
- 過去のチャンス:これまでの人生で、あきらめたりチャンスを逃したりしたことはなにか
- 魔法の杖:もし魔法の杖を振って、もしつらい思考や感情がなくなったら、どんな行動を増やし、減らしたいか
このような質問に答えることで、あなたが本当に大切にしたい価値観に気づくヒントが得られます。
大切にしたい価値観が明確になることで、これからの人生で「なにに時間やエネルギーを使っていけばいいか」という、新たな生きる意味や目標を見つけられるはずです。
あなたのペースで、少しずつ考えてみてください。
まとめ
「なんのために生きているのかわからない」というむなしさは、あなたがこれまで家族や仕事に責任を持ち、一生懸命に走り続けてきたからこそです。
だからこそ、今はあなた自身を責めず、こころの疲れを受け止めてゆっくりと休んでください。
ただ、つらさの背景にはこころの病気が隠れていることもあります。もし「もう限界かもしれない」と感じたら、おおかみこころのクリニックへご相談ください。
おおかみこころのクリニックは、新宿・秋葉原・横浜・大阪梅田・博多にある精神科・心療内科です。通院の負担をできるだけ減らせるよう、オンライン診療も行っております。
あなたのこころが少しでも軽くなるよう、専門の医師やスタッフが寄り添い、一緒にこれからの人生の歩み方を考えていきます。ひとりで抱え込まずにお気軽にご相談ください。
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【参考文献】
[1]うつ病について知る│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html
[2]気分変調症│こころの耳(厚生労働省)
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1537
[3]飛鳥井 望, 奥山 眞紀子「DSM-5を理解するための基礎知識 解離症/解離性障害群」精神神経学雑誌 116: 707-708, 2014
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1160080707.pdf
[4]岡島 由佳, 境界性パーソナリティ障害とその関連疾患, 女性心身医学, 2021-2022, 26 巻, 3 号, p. 333-337
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/26/3/26_333/_pdf/-char/ja
[5]パーソナリティ障害(人格障害)│慶應義塾大学病院 KOMPAS
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000076
[6]柴田 波音, 山口 豊, Shibata, Hanon, Yamaguchi, Yutaka, 2024, 自己愛傾向が心理的健康に及ぼす影響─ 自己愛の下位側面における抑うつ及び自尊心との関係 ─: 東京情報大学, 39–44 p.
https://tuis.repo.nii.ac.jp/records/2000115
[7]燃え尽き症候群│こころの耳(厚生労働省)
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1693
[8]清水 紀子, 中年期のアイデンティティ発達研究 : アイデンティティ・ステイタス研究の限界と今後の展望, 発達心理学研究, 2008, 19 巻, 3 号, p. 305-315
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/19/3/19_KJ00005060717/_pdf
[9]心理的安定化トレーニングのためのワークブック│滋賀医科大学精神医学講座
https://www.sums-psychiatry.com/_files/ugd/0ac5cb_151742b3a1bc4b53ab2ae1f08a881adc.pdf
[10]ラス・ハリス著・武藤 崇監訳「よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」星和書店
- この記事の執筆者
- 片桐 はじめ
公認心理師、臨床心理士として精神科病院・クリニックで精神疾患を抱える方のカウンセリングや心理検査に従事。臨床経験をもとに、身近な例からわかりやすく説明する文章を心がけています。








