グランダキシンの効果が出るまでの時間|服用期間や更年期障害についても解説




「グランダキシンは飲んだらどれくらいで効いてくるの?」

「グランダキシンはどれくらい飲み続けるのかな?」

このような疑問をかかえていないでしょうか。

体調が悪い時、できるだけ早くラクになりたいですよね。薬が効くまでどのくらいの時間耐えればよいのか、気になることでしょう。

この記事ではグランダキシンについて、効果が出るまでの時間服用期間更年期障害への処方などについて解説します。

薬の不安や気になることを解消できれば、より安心して薬を服用できます。ぜひ最後までご覧ください。

他の抗不安薬については、下記の記事よりご覧ください。

グランダキシンとは

グランダキシンは、トフィソパムという有効成分を含むベンゾジアゼピン系薬です。持田製薬という日本の製薬会社から1986年に発売され、多くの患者さんに使われてきました。[1]

効能・効果が同じジェネリック医薬品には「トフィソパム」があり、複数の製薬会社から販売されています。

グランダキシンの効能・効果

グランダキシンは、自律神経のバランスを整える薬です。

具体的には、更年期障害卵巣欠落症状自律神経失調症、頭部・頸部の損傷による「動悸」「発汗」「頭痛・頭重」「だるさ」などに処方されます。

一方、他のベンゾジアゼピン系薬によく見られる「筋肉をほぐす作用」「睡眠を助ける力」は、弱いとされています。[2]

グランダキシンの一般的な飲み方

グランダキシンの一般的な飲み方は、次のとおりです。

グランダキシンの用法用量
通常、成人には1回1錠、1日3回経口投与する。[2]

なお、年齢や症状によって、服用量や回数には個人差があります。

医師に指示された飲み方を守って服用しましょう。

グランダキシンの副作用

グランダキシンのおもな副作用には、次のようなものがあります。[2]

  • 眠気
  • めまい・ふらつき
  • 口の渇き
  • 悪心・嘔吐(気持ち悪さ)
  • 便秘
  • 薬物依存
  • だるさ など

5%以上の方にあらわれる副作用が無いため、グランダキシンは副作用の少ない薬と言えます。

その中でもとくに多い副作用は「眠気」で、3%の方にあらわれます。

眠気に加えて、注意力や集中力が低下する可能性もあるため、車の運転・危険を伴う機械の作業は避けましょう。

また、薬物依存も副作用に挙げられていますが、グランダキシンで依存性が出る可能性は低いと言われています。

とはいえ、他のベンゾジアゼピン系薬剤では依存性が報告されています。効果が感じられなくても自己判断での増量は避け、医師に相談しましょう。

ベンゾジアゼピン系薬剤の依存症について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

グランダキシンの効果が出るまでの時間


添付文書によれば、血液中のグランダキシン濃度が最大になるのは、服用後1時間です。そのため、服用後1時間以内には効果が出ると考えられます。

また、血液中のグランダキシンが半分になる時間は約47分で、血液中から薬がほぼ無くなるまでの時間は12時間です。

グランダキシンは効果が早く、切れるのも早い薬といえるでしょう。

抗不安薬の作用時間や強さの分類について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

グランダキシンの服用期間

グランダキシンがよく使われる「自律神経失調症」は症状の個人差が大きく、薬の服用期間も人によって異なります。[4]

症状が改善したら以下のような治療法も検討し、徐々に薬の量を減らしていくのが望ましいでしょう。

  • 生活習慣の改善
  • ストレスの解消
  • 認知行動療法
  • カウンセリング

自律神経失調症の治療法や治療期間は、人それぞれです。自己判断による薬の調節は避け、気になる点は医師と相談してください。

こころちゃん
こころちゃん

症状はあなたにしか分からないので、先生に伝えながら薬の調整をしていきましょう。

自律神経失調症の治療・回復までの期間については、こちらの記事で詳しく説明しています。

グランダキシンで更年期障害は治るのか

「更年期障害」は、閉経が近づき女性ホルモンが低下することで、日常生活に支障が出ている状態です。[5]

代表的な症状は「ほてり・のぼせ」「発汗」「動悸」「めまい」「情緒不安定」「不眠」などで、個人差が大きいのが特徴です。

更年期障害が根本的に治るわけではありませんが、グランダキシンは更年期障害による自律神経症状を改善する効果があります。

発売後の調査では、更年期障害でグランダキシンを服用した患者さんのうち、68.3%の方に効果が認められました。[3]

また、発売前に行われた臨床試験では、65%の方が「有効以上」、81%の方が「やや有効以上」の効果を感じたとされています。[2]

とはいえ、中にはグランダキシンの効果を感じられない患者さんもいます。症状が改善しない場合は医師に相談しましょう。

こころちゃん
こころちゃん

薬の効果には個人差があるため、気になることがあったら「まずは先生に相談」がベストです。

グランダキシンはめまいに効果があるのか

自律神経失調症によるめまいに、グランダキシンを使うケースがあります。

めまいを訴える患者さんにグランダキシンを投与したところ、63.2%の方に効果があったという研究結果も報告されています。[6]

ただし、めまいはぐるぐる回る「回転性めまい」とふわふわした「浮動性めまい」があり、症状に合わせた薬が必要です。

グランダキシンが効かないめまいもあるため、医師の指示した薬を正しく服用しましょう。

Q:グランダキシンを飲むと太りますか?

副作用で太りやすくなる抗うつ薬や向精神薬はありますが、グランダキシンの副作用に「体重増加」はありません。[2]

よって、グランダキシンによって直接太る可能性は無いと考えられます。

ただし、副作用の「便秘」により体重が増えるケースや、グランダキシンの服用で元気になり食欲が回復した結果、体重が増えるケースはあるかもしれません。

Q:グランダキシンを飲んで痩せることはありますか?

グランダキシンの副作用に、「体重減少」はありません。[2]

しかし、販売前に行われた臨床試験では、1%の方に胃腸障害・腹痛が出た報告があります。

そのため、副作用で食欲が落ちると体重が減る可能性はあるでしょう。

また、グランダキシンの服用により、自律神経の乱れから「過食」が出ていた方の体調・過食が落ち着き、自然に体重が落ちるケースは考えられます。

Q:グランダキシンのように自律神経を整える漢方薬はありますか?

自律神経を安定させる漢方薬には、「酸棗仁湯(さんそにんとう)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」などがあります。

東洋医学の漢方薬は、西洋医学に基づくグランダキシンとは異なる作用で自律神経を整えてくれます。

症状や体質ごとに合う薬は異なるため、気になる方は医師に相談してみてください。

自律神経を整える漢方薬は、こちらの記事で具体的に解説しています。

Q:グランダキシンを飲んではいけない人はいますか?

ロピタミドメシル酸塩(商品名:ジャクスタピッド)という薬を飲んでいる方は、薬が強く効きすぎる可能性があるため、グランダキシンを飲むことはできません。[2]

また、次に当てはまる方はグランダキシンの服用に注意が必要です。

  • 急性閉塞隅角緑内障がある方
  • 重症筋無力症の方
  • 脳に器質的障害がある方
  • 中等度又は重篤な呼吸不全の方
  • 妊娠中や授乳中の女性
  • 高齢者
  • 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体・バルビツール酸誘導体)を服用している方
  • タクロリムス水和物を服用している方

また、副作用が強く出るのを防ぐために、アルコールとグランダキシンの併用は避けてください。

グランダキシンは効果が出るのが早い薬|まとめ

グランダキシンは服用後1時間で血中濃度が最大になる、効果の早い薬です。服用すると、1時間以内に体調が改善するでしょう。

自律神経の働きは良くなったり悪くなったりするため、グランダキシンの服用期間は人によって異なります。

また、グランダキシンの副作用は比較的少なく依存性も低めですが、副作用や依存性は個人差があります。薬の減量や服薬終了は医師の指示に従いましょう。

グランダキシンの効果について気になることがある方は、おおかみこころのクリニックまで気軽にご相談ください。

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参考文献
[1]持田製薬|グランダキシン
https://med.mochida.co.jp/txt/pdf/gdx_n35s.pdf

[2]グランダキシン錠50|添付文書 
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1124026F1022_1_01/1124026F1022_1_01?view=body&lang=ja

[3]持田製薬|グランダキシンインタビューフォーム
https://med.mochida.co.jp/interview/gdx_n35.pdf

[4]日本臨床内科医会|自律神経失調症
https://www.japha.jp/doc/byoki/019.pdf

[5]日本産科婦人科学会|更年期障害
https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/

[6]めまい・耳鳴りに対するグランダキシンhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jibirin1925/84/1/84_1_113/_article/-char/ja/

この記事の執筆者
南尾優香
薬剤師。心療内科や総合病院の門前薬局で勤務経験あり。現在は医療・健康分野を中心に、フリーライターとして活動中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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