新年度が始まってしばらくすると、なんとなく気分が落ちたりやる気が出なくなったりしていませんか?
それは「五月病」と呼ばれるこころと身体のSOSサインかもしれません。
五月病は進級や就職、異動など、環境の変化により感じやすいものです。
あなたの甘えやなまけが原因ではないので、自分を責めないようにしてくださいね。
この記事では、五月病から抜け出すヒントや、しんどい気持ちとの向き合い方を紹介します。
この記事を参考に、こころと身体をいたわる時間を作っていただけると幸いです。
五月病から抜け出すために大切なこと
五月病から抜け出すために大切なのは、頑張れない自分を責めないことです。
こころと身体に五月病の症状が出るのは、あなたがこれまで頑張ってきた反動と考えましょう。
決してあなたの甘えや弱さが原因ではないので、自分を責める必要はありません。
まずは心身の疲れに気づき、今まで頑張ってきた自分を「おつかれさま」とねぎらってください。
五月病についてもっと知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
五月病の抜け出し方3選
五月病の抜け出し方として、やる気が出ないときでも簡単にできる以下3つを紹介します。
ひとつずつ見ていきましょう。
やらないことリストを作る
五月病のときに必要なのは、頑張ることではなく休むことです。
休みの日でも「あれもしなきゃ」「これもしなきゃ」と思いリラックスできないときは、以下のようなイメージでやらないことリスト(Not To Doリスト)を作りましょう。[1]
- SNSをダラダラ見ない
- ムリして人に合わせすぎない
- 行きたくない誘いには参加しない
このようにこころと身体を守るためにやらないことを明確にすると、自然と休むことに意識を向けられるようになります。

やらないことを決めちゃうと迷わなくてよくなりますね!
こころのモヤモヤを言葉にする
理由はわからないけどなんとなく気分が落ち込むときは、こころのモヤモヤを言葉にするのが効果的です。
例として以下のように頭の中の言葉を書き出しましょう。
- ○○さんと話すのがストレス
- 明日も仕事に行きたくないな
- 自分が本当にやりたいことって何だろう?
だれかに見せるものではないので、きれいな文章を書く必要はありません。
こころの中に閉じ込めているモヤモヤを外に出すことで、悩みと距離をとれるようになります。
スマホを使った方が手軽にできそうなときは、こちらの記事を参考にあなたに合ったアプリを探してくださいね。
ゆるやかに生活リズムをととのえる
ゆるやかなペースで生活リズムをととのえましょう。
生活リズムが乱れていると五月病の症状が落ち着かず、6~7月の梅雨頃に症状が悪化することがあります。[1]
早寝早起きが難しいときは、休日の起床時間を平日より1時間遅らせる程度を目安に生活リズムをととのえてください。[2]
どうしても朝起きられないときは、眠る時間を早めて心身の疲れを取りましょう。
生活リズムをととのえることで、自然とこころと身体の調子が安定します。
6月病について知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。
五月病から抜け出せないときのこころの扱い方
五月病から抜け出せないときは、ムリに前向きになろうとしないことが大切です。
やる気や気分の低下が続くときは「こころと身体が守りのモードに入っている」というイメージをしましょう。
こころと身体が十分に休まれば、なにかに取り組みたい気持ちが自然と湧き上がってきます。
あなたが「やってみたい!」と思えるときに備えて、今は省エネモードでこころと身体を休めてください。
不安や怒りとの向き合い方についてもっと知りたいときは、こちらの記事を参考にしてください。
Q1.五月病を放置するとどうなる?
五月病を放置してムリを続けると、症状が悪化してうつ状態につながる可能性があるため注意が必要です。
ただ、五月病は十分に休息をとることで少しずつ回復することが多いため、心配しすぎる必要はありません。
心身のだるさや気分の落ち込みが続くときは、こころと身体のSOSと受け止めて早めの休息を心がけましょう。
Q2.五月病で医療機関を受診すべき目安は?
以下2つの質問のどちらかでも当てはまれば、医療機関への相談が必要です。[3]
- この1か月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになったりすること がよくありましたか
- この1か月間、どうも物ごとに対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくありましたか
引用:厚生労働省
どちらか(または両方)に「はい」と回答したときは、うつ状態の可能性が考えられます。
うつ病は早期の治療で回復しやすい病気です。
ひとりで抱え込まず、お気軽におおかみこころのクリニックにご相談ください。
24時間予約受付中
まとめ|五月病の抜け出し方に必要なのは、こころと身体の声を聞くこと
五月病は、新しい環境で頑張っているあなたに対するこころと身体のブレーキです。
あなたの甘えや弱さが原因ではないため、自分を責める必要はありません。
以下の3つを意識して、少しずつこころと身体の調子をととのえましょう。
- やらないことリストを作る
- こころのモヤモヤを言葉にする
- ゆるやかに生活リズムをととのえる
ひとりでつらいときは、お気軽におおかみこころのクリニックにご相談ください。
精いっぱい頑張ってきたあなたの心に、そっと寄り添うサポートをいたします。
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おおかみこころのクリニック
【参考資料】
[1]櫻井大典 二十四節季の暦使い暮らし(P68~69)|株式会社ワニブックス
[2]知っているようで知らない睡眠のこと 自分のソーシャルジェットラグを知る(P6)|厚生労働省
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-sleep_a5.pdf?1684281600048
[3]第5章 養育者のメンタルヘルス 2.乳幼児健康診査で特に注意すべき2つのメンタルヘルス不調 1)産後うつ (1)うつ病の見立てに有効なスクリーニング 図5-2 うつ病に関する二質問法(うつのスクリーニング)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520616.pdf
- この記事の執筆者
- とだ ゆず
精神科看護師としての経験を活かし、メンタルヘルスを中心とした記事を執筆。こころと身体のつながりを大切にしながら、そっと寄り添う文章を心がけています。
保有資格:看護師、保健師、上級心理カウンセラー、漢方養生指導士