一人暮らしの在宅勤務がつらい原因は?うつにならないための対策3つ







「一人暮らしの在宅勤務は孤独」「誰とも合わなくなって寂しい」と思っている方もいるのではないでしょうか。

コロナウイルス感染症の流行で、在宅勤務は新しい働き方として注目されるようになりました。しかし、在宅で仕事をする人は、人と関わる機会や、一歩も外に出ない日があるのも現状です。

この記事では、一人暮らしの在宅勤務がつらいといわれる原因や、うつにならないための対策を解説します。どうぞ最後までお読みください。

一人暮らしの在宅勤務がつらいと感じる原因

一人暮らしの在宅勤務がつらいと感じる原因

家族と同居している人と比べて、一人暮らしの在宅勤務の方がつらいと感じる人が多いのはなぜでしょうか。

その理由を3つ解説していきます。

一人の時間が長いため孤独を感じる

在宅勤務を始めた当初は気楽に感じていても、人と関わらない時間が長くなると「寂しい」「孤独」だと感じるようになります。

会社でかわす、ふとした雑談が仕事の息抜きやリフレッシュになっていた、と気づくこともあるでしょう。「楽しい・悲しい」などの思いを共有できない、「自分を理解してくれる人がいない」と感じると、一人ぼっちになった気分になってしまいますよね。

孤独は憂うつな気持ちや、落ち込みを伴いやすいため「長引く孤独感」には注意が必要です。

ネガティブ思考におちいる

一人で在宅勤務をしていると、以前の失敗を思い出したり「この先もずっと一人で仕事をするのだろうか」など、ネガティブなことを考えたりしてしまいます。

一人暮らしの在宅勤務の人は、誰とも会話せずにグルグルと悩み眠れなくなってしまうこともあるため、注意が必要です。

在宅勤務で自宅が仕事場に変わり気が休まらない

仕事が終わり、家に帰るとホッとしますよね。在宅勤務は、自宅が仕事場になってしまうため、仕事が終わってもなんとなく仕事場にいる気分になりがちです。

最初は快適だと思っていた在宅勤務も、慣れてくると、オンオフの切り替えがあいまいになってしまう日もあるでしょう。

問題が起こってもすぐに聞ける相手がいない

会社で仕事をしているときには、問題が起こると誰かに聞いたり相談したりすることができます。

しかし在宅勤務では上司や同僚がいないので、問題を早急に解決することができません。

問題がすぐに解決できなかった結果、仕事が滞りストレスを感じることもあるでしょう。

頑張りが評価されていないと感じる

会社で働いていると「人柄や仕事のプロセス」「仕事に対する意欲」などが評価されやすい傾向にあります。しかし、在宅勤務は仕事中の様子が他者から見えないため「頑張りが伝わらない」「仕事が楽しくない」と感じてしまいます。

「努力を評価してほしい」という気持ちが満たされず、モチベーションが低下することもあるのです。 

一人暮らしの在宅勤務でうつになりやすい人の特徴

一人暮らしの在宅勤務でうつになりやすい人の特徴

孤独や不安を感じやすい一人暮らしの在宅勤務は【うつになりやすい環境】だといえるでしょう。

ここでは一人暮らしの在宅勤務で、うつになりやすい人の特徴を解説します。

人と関わることが好きな人

チームで仕事をしている・人との関わりが多い人は、コミュニケーションが滞ると仕事に支障をきたしてしまいます。

今までは、対面でコミュニケーションを取っていたため、在宅勤務では「人と一緒に仕事をしている気がしない」「なんだか物足りない」と思ってしまうからです。在宅勤務をしていると、仕事後に飲みに行く機会もなくなります。

人と会話したり、飲んだりすることで相手と打ち解ける人は「出社の方が自分に合っていた」と感じるようです。

一人暮らしをしている人

家族と住んでいる人は、自然とコミュニケーションをとる機会も多いでしょう。

しかし、一人暮らしをしていると、会話はおろか気にかけてくれる人や、異変に気付いてくれる人はいません。

「何か変だ」と思っても、周りに相談できる相手がいないため「孤独だ」と感じてしまいます。

まじめで完璧主義な人

完璧主義な人は、手を抜くことができないため、つい頑張りすぎてしまいます。

一人暮らしの在宅勤務では、声をかけてくれる人がいないため、つい時間を忘れて仕事をしてしまう人もいるでしょう。

自分が頑張りすぎていることに気がつかないため、いつの間にか体調を崩してしまうのです。 

リフレッシュがうまくできない人

一人暮らしの在宅勤務は、仕事のオンオフの切り替えが難しくなります。

仕事に行き詰まったときには、気分転換や趣味を楽しみ、リフレッシュをすることが効果的です。

しかし、趣味がない・気分転換の仕方がよくわからないという人は、仕事のストレスを引きずったままになってしまうでしょう。

一人暮らしの在宅勤務はうつに気づかない人も!心の不調に気づくには?

一人暮らしの在宅勤務はうつに気づかない人も!心の不調に気づくには?

一人暮らしで在宅勤務が長引いている場合、うつ症状までは行かなくとも知らないうちに心が疲れている可能性があります。

「最近笑ってない」「最後にいつ人と会話したのか思い出せない」という人は要注意です。

 心とからだのサインを見逃さないように、チェックしてみてくださいね。

心に現れる症状

人によって現れる症状は違いますが、心が疲れていると、以下のような症状が現れることがあります。

  • パソコンや会社用のコミュニケーションツールを開きたくない
  • 集中できず、仕事の効率が悪くなった
  • 考えがまとまらない
  • こころにぽっかり穴が開いたような虚しさを感じる
  • 何をしても楽しいと思えない
  • 仕事の失敗やネガティブなことが頭から離れない

からだに現れる症状

心の不調はからだにもあらわれます。

「いつもの体調と違うな」「違和感があるな」と気づいたら、からだや心が疲れてきているサインです。

  • 肩こり
  • 頭痛
  • からだがだるい
  • 眠れない・ぐっすり眠った気がしない
  • 朝布団から出られない
  • 動悸
  • 息苦しさ
  • めまい
  • 食欲がない
  • 耳鳴り
  • 味覚が変わった

動悸や息切れ、めまいの症状の中には、精神的なものだけでなく内科的な治療を必要とするものもあります。

気のせいだと自己判断せずに、からだの不調が続いているという場合は、速やかに病院を受診しましょう。 

自分自身でうつ症状に気づくためには?

一人暮らしで在宅勤務をしている人は、自分自身で心やからだの不調に気づいてあげることが大切です。

うつ症状は人によって症状の出方が異なるため、必ず同じとは言い切れません。

からだの症状が先に出る人もいれば、心とからだの症状が同時に出ることもあるのです。

自分自身の不調に気付き、対処することがうつ病予防には重要になってきます。

  • 気分の落ち込み、悲しい、憂うつな気分が続いている
  • 趣味が楽しいと思えなくなった
  • 漠然とした不安感がある
  • すぐ疲れるようになった
  • なにもしたくないと感じる

このような症状が改善されず、放っておくとうつ病に進行する可能性があります。

症状に気付いたら、ぜひ当院へ一度ご相談くださいね。

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一人暮らしの在宅勤務はメリハリが大事!うつにならないための3つの対策

一人暮らしの在宅勤務はメリハリが大事!うつにならないための3つの対策

一日中、パジャマで過ごしているとなんとなく、ダラダラと過ごしてしまいますよね。一人暮らしの在宅勤務では、生活のメリハリが大切です。

ここでは、うつにならないための3つの対策を紹介します。

生活習慣を整える

在宅勤務は出社が必要ないため、身なりを整えなくても仕事ができてしまいます。最悪、パジャマでも仕事ができてしまうので、仕事と日常生活のメリハリがなくなってしまいがちです。

とくに一人暮らしの場合は、生活習慣の乱れに気付かない方もいるかもしれません。

規則正しい生活は、生活リズムを整えるために欠かせません。

朝は同じ時間に起きて、食事はしっかりと。仕事をするときには着替えて、化粧やひげそりをして、身なりを整えましょう。

仕事が終わったら、パソコンは目のつかないところへ片づけるなど、通勤時と変わらない生活を送ることが大切です。

仕事場所と生活空間を分ける

自宅が仕事場に変わり、気が休まらなくなったという人は、思い切って仕事をする空間と、日常生活の空間を分けてみましょう。

一人暮らしでワンルームに住んでいる場合は、以下がおすすめです。

  • 仕事をするデスクから、ベッドやテレビが見えないような配置にする
  • 大きめの布で、仕事空間と生活空間を区切る
  • コワーキングスペースや、シェアオフィスなどを活用する

 コワーキングスペースやシェアオフィスは、他人と一緒に一つの空間で作業する場所です。

仕事の集中力も高まり、一人暮らしの孤独な気持ちがやわらぐかもしれません。

運動や好きなことをしてストレスをためない

適度な運動は、脳内のエンドルフィンという神経伝達物質を放出します。エンドルフィンには、心が満たされている、幸せだと感じる効果があります。

運動が苦手という人は、体を動かすようなゲームや、動画の簡単にできるストレッチなどを活用してみましょう。

ストレス解消には、趣味に没頭することもおすすめです。

趣味で得られる達成感や、楽しいという感情は、うつ病予防に効果があるといわれています。日常生活にぜひ取り入れてみてくださいね。 

在宅勤務で「孤独」「つらい」と感じたときの対処法5つ

在宅勤務で「孤独」「つらい」と感じたときの対処法5つ

人は生きていると誰でも孤独を感じることがあります。

しかし、つらい気持ちが長引くと、日常生活や健康に影響を及ぼしてしまいます。

ここでは「孤独」や「つらい」というネガティブな感情に気づいた時の対処法を5つ紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

家族や友人、同僚と連絡をとる

一人で誰にも会わないと「さみしい」と感じてしまいますよね。そんなときには、気軽に話ができる親しい人に連絡を取ってみましょう。

親しい人との会話は、安心感が得られ、こわばっていた心がほぐれます。

仕事の進捗や、近況報告など話す内容はなんでもOKです。「最近どうしてるかな、元気かなと思って」と、切り出してみるのもいいでしょう。

SNSを上手に活用する

「気軽に連絡できる人がいない」という人は、SNSを活用してみるのもよいでしょう。

キラキラした投稿を見るのではなく、在宅勤務について発信している人は必ずいるはずです。「つらい思いを抱えているのは自分だけだ」と思い込むと孤独が増してしまいます。

SNSで同じ気持ちを抱えている存在を知ることで「自分は一人ではない」と認識することができるでしょう。

お笑い番組や漫画などを見る

一人暮らしで在宅勤務をしていると「最近いつ笑ったか思い出せない」という方もいるのではないでしょうか。

そんなときは、漫画やお笑い番組など、自分が楽しい・おもしろいと感じるものに触れてみましょう。思いっきり笑うとこころがスッキリしますよね。

笑うことは心の健康にとても大切です。

「笑う」という行動自体が、ストレス解消に効果があると科学的に証明されています。

今日から日常生活に笑いを取り入れてみましょう。

「孤独」「つらい」と感じることを書き出してみる

自分の内面と向き合うことで、自分自身を知ることができます。

自分が何をつらいと思っているのか、何に対して孤独を感じているのか、紙に書き出してみましょう。

考えを紙に書き出すと思考が整理され、悩みに対しての具体策を考えることができるのです。

自分の考え方の癖や、どのようなことで苦痛を感じるのかなど、自己理解を深める機会にもなるのでおすすめです。

つらい気持ちを聞いてもらう

つらい気持ちを自分の中にとどめておくと、不安が大きくなったり、どうしたらよいのか分からなくなったりしてしまいます。

つらいと感じたときは、信頼できる人に今抱えている気持ちを聞いてもらいましょう。話を聞いてもらうことで、得られる効果は以下の3つです。

  • 根本的な問題は解決しなくても悩みを打ち明けるだけで、気持ちが楽になる
  • 考えが整理され、自分の気づかなかったことや、思わぬ感情に気付ける
  • 「受け入れられている」と安心感が得られる

おおかみこころのクリニックでは、安心して会話のできる環境を整えています。つらい気持ちをお抱えの方はいつでもご相談くださいね。

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まとめ

今回は一人暮らしの在宅勤務がつらい人に向けての対策や、対処法を解説しました。

不安や孤独は誰でも感じるものです。しかし、つらい状況を放置してしまうと、うつ病を発症してしまう可能性があります。

この記事を読んで、心当たりのある方は、できるだけ早く対処しましょう。つらい気持ちをそのままにせず、困ったときにはいつでもお気軽にご相談くださいね。 

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参考サイト

テレワークにおけるメンタルヘルス対策のための手引き|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/000917259.pdf

4 うつ病を防ぐ ご存知ですか?うつ病  こころの耳|厚生労働省 

https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad004/

β‐エンドルフィン e-ヘルスネット|厚生労働省

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-051.html

参考文献

健康における笑いの効果の文献学的考察|三宅 優 横山美江

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/1/15165/2016052721104654679/017_1_001_008.pdf

この記事の執筆者
小久保有希
医療ライター。看護師経験15年。4年間精神科に勤務し、病棟・訪問看護に携わる。相手の気持ちに寄り添う記事が得意。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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