【うつ病】立ち直ったきっかけは?うつ病の回復期について解説します







「薬を飲み続けているけど、症状がなかなか安定しない」「うつ病から本当に立ち直れるの?」

うつ病は治療期間が長いため、このように思うこともありますよね。

もちろん、正しい治療を行えば、うつ病から日常生活に支障のないところまで回復できます。

うつ病の治療を続けながら、学校や職場に復帰している方も多数います。

この記事では「どのようにうつ病からの回復していくのか」を解説し、「うつ病から立ち直ったきっかけ」についても紹介します。

また、同じ内容の動画も用意しています。動画の方が分かりやすい方は下記からご覧ください。

うつ病は治療をやめなければ立ち直れる

うつ病治療の最終目標は、症状が再発せず元の日常生活が送れるようになることです。

そのために必ず守って欲しいのは「薬を自己中断しない」こと。

うつ病の薬は飲み続けることで効果を発揮します。

勝手に飲むのをやめてしまうと、

  • 不安
  • 不眠
  • 手のしびれ
  • 吐き気、嘔吐

などの離脱症状が現れてしまうのです。

たしかに、うつ病を発症してすぐには、薬と休養が治療の中心になります。

しかし、症状が落ち着いてからは、それらに加えて自分ができることを少しづつ増やしていくことが大切です。

「治りたい」という気持ちと、治療を続けていくことが立ち直るカギになります。

当院は、あなたの「治りたい」という気持に寄り添いサポートしていきます。お気軽にご相談ださい。

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うつ病の回復期は「不安定」な時期

うつ病の回復期は「不安定」な時期

うつ病には急性期、回復期、維持期の3つの回復過程があり、段階により治療方法が異なります。

「どん底」と表現されるつらい急性期を抜けると「少し症状がよくなった気がする」と感じるのが回復期です。

回復期の期間の目安は、「4~6ヵ月以上」とされています。

この時期に入ると、調子の良い時期と悪い時期をくり返しながら治療が進みます。

回復期は不安定な時期ですが、この時期の過ごし方はうつ病から立ち直るために重要です。

ここで、調子が良いからといって、薬を自己中断したり通院をやめたりすると、症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。

うつ病から立ち直ったきっかけ

うつ病から立ち直ったきっかけ

うつ病の症状や回復過程には個人差がありますが、立ち直った方に共通するのは「考え方や行動を見直したこと」です。

ここでは立ち直ったきっかけを4つご紹介します。

まずは、1つでもできそうなことがあれば、取り入れてみてくださいね。

① 開き直ること

うつ病は、ものごとを悲観的に考えてしまう病気です。

自分を責めたり、悪いほうに考えたりせず、「考えすぎるのは病気のせい」「くよくよしても仕方ない」と開き直る気持ちが大切です。

「うつ病も自分の一部だ」と病気を受け入れると、自分を否定する気持ちがやわらいできます。

② 小さな成功体験をくり返すこと

小さな「できた」を積み重ねていくと、その経験はしだいに自信になっていきます。

自信をつけることは、うつ病の回復においてかなり有効です。

調子が悪くて、一日中起き上がれない日もあるかもしれません。

「外にはまだ出られないけど、今日は玄関まで行ってみよう」「今日はカーテンを開けてみよう」のように、まずはできそうなことからはじめましょう。

できない日があっても、大丈夫。できたことに目を向け、自分をほめてあげましょう。

③ やってみたいという気持ちを大切にする

やってみたいという気持ちが少しでも出てきたら、トライしてみましょう。

「やってみたい」は意欲が少しずつ回復してきた証拠です。

集中すると、嫌なことを考える時間を少しでも減らすことができます。

それによって、楽しいというプラスの感情も引き出せます。

でもまだまだ無理は禁物。頑張りすぎには注意して、疲れたと思ったら休みましょう。

④ 自分と他の人の考え方を比べてみる

落ち込んでしまいそうになったら「あの人ならどうするだろう」と他の人になりきって考えてみましょう。

ポイントは、自分と他人の考え方の違いを知ることです。

考え方のかたよりや、考え方の癖に気付くと、ものごとのとらえかたが少しづつ変化します。

くよくよ考えていたことが「意外にたいしたことじゃないかも」と、思えるかもしれません。

一人で考えるのが難しい場合は、お気軽に相談してください。どんな相談でもお待ちしています。

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うつ病の回復に役立つ日常の過ごし方5つ

うつ病の回復に役立つ日常の過ごし方5つ

うつ病の治療でできることは、薬だけではありません。

普段の過ごし方が、自分でできる治療そのものです。

すぐに取り入れられそうなものもあるので、ぜひ試してくみてださいね。

日常生活のリズムを整える

回復期に入ったら、生活リズムを少しづつ整えましょう。

これは、健康的な生活への第一歩です。

たとえば、食べる時間や寝る時間をできるだけ一定にすると、生活リズムが整いやすくなります。

起きる時間や寝る時間、その日の体調などを記録するのも効果的ですよ。

太陽の光を浴びる

うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が減少し、意欲低下などの症状が出る病気です。

一方、太陽の光にはセロトニンを増やす作用があるとされています。

一番効果があるのは、起床後すぐに太陽の光を浴びることです。

朝の光は体内時計をリセットし、覚醒と睡眠のリズムを整えます。

まずはカーテンを開けて、太陽の光を取り入れるようにしましょう。

散歩をしてみる

身体を動かすと心地よい疲労感が出るため、不眠にも効果があるとされています。

まずは散歩から始めてみましょう。

軽めの運動でも、セロトニンを増やす効果があると報告されています。

調子が良い時に、少しだけ外に出てみるのはいかがでしょうか。

自分にプレッシャーをかけない

症状がよくなると、もっとできることを増やそうとして、あえて厳しいノルマを設定する方がいます。

これは逆効果になる可能性があるので、注意しましょう。

ノルマやプレッシャーをかけると「必ず達成しないといけない」とストレスに感じ、症状が悪化する可能性があります。

細かい目標は決めずに「やれただけでも偉い」と自分をほめてあげましょう。

疲れたら休む

うつ病は、体力やこころのエネルギーが満タンにならない時期がしばらく続くため、疲れやすくなります。

良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しづつ回復の階段をのぼっていくのです。

「疲れたら休む」を合言葉に治療を続けましょう。

うつ病の回復期は焦らずゆっくりと

うつ病からの回復のきざしが見えてくると、学校や職場への復帰を考える人もいるでしょう。

ただし、焦りは禁物です。

うつ病の回復期は注意力が散漫になり、忘れっぽくなってしまいがち。

この状態で元の日常生活に戻ると「思うようにいかない」「体力が続かない」と落ち込み、落ち着いていた症状が再燃する可能性があります。

こころのエネルギーが回復しても、すぐに元通りの生活に戻るのはなかなか難しいのです。

焦らずにゆっくりと進みましょう。

まとめ

うつ病から立ち直るためには、継続的な治療と考え方や行動の見直しが大切です。

うつ病の回復期は、一進一退をくり返しながら少しずつ落ち着いていくため、焦らずゆっくりと過ごしましょう。

おおかみこころのクリニックは、予約制でご相談しやすい環境づくりを整えています。
うつ病の治療や日中の過ごし方で気になることなど、なんでもお気軽にご相談ください。

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参考サイト

うつの治療と予後 こころの耳 |厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad003/

休養・こころの栄養 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html

快眠と生活習慣 eヘルスネット|厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

参考文献
日本うつ病学会治療ガイドライン |日本うつ病学会
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/20190724-02.pdf

うつ病患者の回復過程における改善の認識 |山川裕子
https://core.ac.uk/download/pdf/51478031.pdf

うつ病治療ガイドライン —精神科作業療法
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/guideline_20181119.pdf

向精神薬を適切に減量・中止するための薬剤師の役割に関する研究 |研究分担者 吉尾 隆 東邦大学薬学部臨床薬学研究室 教授
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/192131/201918030A_upload/201918030A0010.pdf

野村総一郎|うつ病のことが正しくわかる本

この記事の執筆者
小久保有希
医療ライター。看護師経験15年。4年間精神科に勤務し、病棟・訪問看護に携わる。相手の気持ちに寄り添う記事が得意。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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