【うつ病と恋人の存在】うつ病の人がとる行動・付き合うために大切にすべきこと







こころちゃん
こころちゃん

ねぇ先生、うつ病の恋人との付き合い方で悩んでる友だちがいるの。先生なにか気を付けるポイント教えて?

浅田先生
浅田先生

そうだね…いろいろ悩むよね。まず、うつ病について正しく知ることが必要なんだけど、それ以上に大切にすることがあるんだ。今回はそのお話をしていこうね。

「恋人がうつ病になって、どう接したらいいのか分からない」

「全然連絡がこないけど大丈夫なのかな…」

「すごく頼ってこられるんだけど、なんて返事したらいいのか分からない」

など悩んでいませんか?あなたが今悩んでいるできごとは、もしかしたら恋人のうつ病の症状によって生じている悩みかもしれません。

今回は、うつ病の恋人がとる行動やうつ病の恋人がいる方が大切にすべきことについて解説していきます。最後までお付き合いいただけますと幸いです。

うつ病の方にとって恋人の存在とは

うつ病の方にとって恋人の存在とは

うつ病の方にとって恋人の存在は、症状の重さによって変わります。うつ状態がひどいときは、誰とも関わらずに家に一人で引きこもり、連絡もしなくなるでしょう。

そして、徐々にうつ状態が回復してくると、いろいろなことを考えて心配事が増え、不安で誰かに頼りたくなるのです。

そのときに身近な恋人の存在が心の支えとなります。恋人に相談することが増えるため、依存的になる傾向にあります。

うつ病を持つ恋人がいる方は「ちょっと前までわたしのこと放置してたのに、今になって頼って来るなんて…」や「最近なんだか、恋人が重たく感じちゃう」と悩むことも多いでしょう。

恋人とうまく付き合っていくために大切にすべきことは、この記事の後半に紹介しています。すぐに読みたい方はこちらから読んで、参考にしてくださいね!

うつ病の恋人がとる行動とは?

うつ病の恋人がとる行動とは?

ここでは、うつ病の恋人がとる行動とその対策について解説していきます。うつ病の恋人がとる行動は、うつ状態の重さによって変わってきます。

恋愛関係において、よくある悩みは以下の4つです。

それでは、詳しく解説していきます。

連絡の返事が遅い・来ない・LINEブロックされる

うつ病の症状として、考える力(思考力)や集中力の低下があります。相手のことを考える余裕がなくなり、連絡がきても返事を考えることが難しくなります。そして、だんだんと連絡すること自体が億劫になってくるのです。[4]

仮にうつ病の恋人を気遣い「返信不要」と記載しても、その連絡が溜まっていくことで負担になってしまうでしょう。結果、LINEをブロックをして自分の殻にこもってしまうのです。

うつ病の恋人からの「連絡が遅くなる」「LINEの既読が全然つかない(ブロックされているかも)」といった場合は、返事を催促せずに相手のペースに合わせて気長に待ちましょう。うつ状態が少しずつ良くなったら返信がくるので、心配する必要はありません。  

会う回数が減る

うつ状態の重さにもよりますが、恋人と会う回数は減ることもあります。

うつ病を持つ方は居心地のいい環境を好みます。人と会うことで多少なりともストレスを感じるなら、会う回数が減ってくるでしょう。[1]

「最近あまり会えないな…」と思うときは、恋人はうつ病の症状で疲れやすくなり、気力がわかなくなっているのかもしれません。[4]

無理に「どうして会ってくれないの⁉」などと問い詰めると、恋人のストレスになり、うつ病が悪化する恐れがあります。相手が会いたくなるまで、そっと待ちましょう。

ずっと寝てる・眠れていない

うつ病の症状で睡眠障害があり、寝ても寝ても疲れが取れずに眠たい状態が続く方が多いです。[2]

「起き上がれずにデートにも遅刻する」「そもそもデートの約束をする気力がわかない」などもうつ病の症状のひとつです。

恋人がずっと寝ていたら、静かに寝かせておきましょう。

そのうち起き上がれる心のエネルギーが溜まってきます相手のペースに合わせることが大切です。

恋人には会えないのに家でゲームはしている

最近のオンラインゲームは、誰がいつゲームをしているのか会っていなくても分かることが多くあります。そのため「わたしとは会ってくれないのに、家でゲームはできるのね!」「ゲームする時間があるなら連絡ぐらいしてよ!」などの悩みが生じます。

これは、うつ状態が少し良くなってきているといえるでしょう。ゲームができるということは「家の中で起き上がって過ごすことができるようになった」ということです。[3]

また、ゲームをする時間はうつ病の恋人にとって大切な時間になります。

「何も考えない時間」これは、精神科のリハビリでよく取り入れられています。何かに集中することで何もしない時間を作り、症状から離れた健康的な時間を過ごすことができるのです。そのため、連絡はこなくてもゲームをすることを許してあげましょう。そのうち連絡が来ます。

うつ病の恋人がいる方が大切にすべきこと

うつ病の恋人がいる方が大切にすべきこと

うつ病の恋人と付き合っていくためには、下記の3つを大切にすると良いでしょう。

それでは、詳しく解説していきます。

あなた自身を大切にする

自分自身を大切にすることがもっとも重要です。

うつ病の恋人を中心に生活していませんか?あなたにはあなたの生活があります。恋人を支えたい気持ちはとても素敵な気持ちです。しかし、支えるためには、あなた自身の心が健康であることが重要です。まずは、自分自身を大切にしましょう。 

相手に依存させすぎないためにも、自分の時間も大切にし適度な距離感を保つようにしましょう。

とはいえ、自分を大切にしつつ、うつ病の恋人を支えていくのは難しいことです。ひとりで抱え込まずにクリニックや心療内科などの心の専門家がいるところに相談しましょう。自分自身が病気じゃなくても相談して大丈夫ですよ。

24時間予約受付中

うつ病について正しく知る

うつ病の恋人がいる方は「いつ治るのだろう…」「接し方が分からない」と悩む方は多いです。うつ病について正しく知ることで、その悩みは解決できます。

うつ病の恋人がとる行動の、どの部分が病気の症状なのかを判断できるようになるだけでも、あなたの心の負担を減らすことができるでしょう。

うつ病について知りたい方は、下記の記事も参考に読んでみてください。

恋人の気持ちに寄り添う

恋人の一番の味方であること伝え、そっと寄り添うようにしましょう。

相手が話を聞いてほしいときは、話を聞き、ひとりで過ごしたいときや誰とも話したくないときは、そっとしておきましょう。 

はたから見れば、うつ病の恋人は自分勝手のように見えます。しかし、うつ病の方は体調が悪いとき、本当に自分のことでいっぱいいっぱいになるのです。恋人が1人で過ごしたいときは、あなたは自分の趣味などを楽しむようにするといいでしょう。

そして、徐々にうつ状態から回復してくると依存的になってくることもあります。適度な距離を保ちつつ、共依存関係にならないように気を付けましょう。[3]

うつ病の恋人がとる行動|まとめ

うつ病の恋人がいる方は、まず自分自身を大切にしましょう。

あなたの心が健康であることは、うつ病の恋人の治療にも良い影響になります。

しかし、うつ病の恋人をひとりで支えるのは、本当に大変です。ひとりで悩まずに、恋人との良い関係を築けるように一緒に考えていきましょう。おおかみこころのクリニックに気軽に相談にきてくださいね。

24時間予約受付中

参考文献

[1]体の不調はうつ病でも現れます。かかりつけ医へ相談してみましょう|e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-07-004.html

[2]うつ病|厚生労働省 こころもメンテしよう

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html

[3]共依存していたんだ|厚生労働省 心の耳

https://kokoro.mhlw.go.jp/over/864/

[4]うつ病とはどのような病気でしょうか 早くうつ病と気づくためにはどうすればよいでしょうか

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/49/1/49_91/_pdf

[5]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

この記事の執筆者
柚木ハル
作業療法士。精神科での16年の臨床経験を生かして執筆を担当。現在は訪問リハビリに従事しながら幅広いジャンルにて執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




関連記事一覧

予約方法