最近、お風呂に入るのが面倒なんだ。なにが原因なんだろう…
それはもしかしたらうつ病の症状かもしれないね~
先生、どうしたらいいか教えて!
急にお風呂や歯磨きが面倒になったとしたら、うつ病が原因かもしれません。
お風呂に入ろうと意識すればするほど、お風呂に入るのをめんどくさく感じてしまいますよね…
また人と会ったり外出するためには、身体を清潔に保つ必要があります。
この記事では、うつでお風呂をめんどくさく感じる理由や対処法について解説します。
最後まで読んで、お風呂で気持ちも身体もリフレッシュできる生活を取り戻しましょう。
お風呂めんどくさいはうつ病の症状かも!うつの人が感じている気持ちとは
うつ病の「疲れやすい」「何もやる気がおきない」といった症状は、お風呂に入ることを面倒に感じさせる要因のひとつです。
身体が元気だとしても、気持ちがお風呂にむかないと身体がついていかないため、お風呂に入れなくなります。
ここからはお風呂がめんどくさく感じるうつの症状や気持ちについて紹介します。
うつだと当たり前のことをめんどくさく感じてしまう
うつになると、それまであたりまえにできていた「お風呂」や「歯磨き」がめんどくさくなります。
「やる気がおきない」「決められない」という症状があらわれやすく、お風呂に入ろうと思わなくなります。
うつの人は、お風呂に入ろうと思ったタイミングに「でも、身体洗うのめんどくさいな」とネガティブな気持ちが生じやすいです。
自分の中で葛藤した結果、お風呂に入らない選択をとってしまうのです。
「怖い」「しんどい」「やりたくない」とうつの人は感じやすい
うつ病を持っていると「めんどくさい」という気持ちのほかに、以下のような感情を抱きやすいとされています。
- 怖い
- しんどい
- やりたくない
人によって感じ方は異なるため、お風呂に対する印象は変わります。
「お風呂はやることが多いから苦手、やりたくない」
「身体がだるくてお風呂に入るのがしんどい」
このようなネガティブな気持ちになりやすい人は、もしかしたらうつ病かもしれません。自分の中でぐるぐると「うつかもしれない…」と悩んでいるのも、精神的にあまりよくありません。気になる方は、一度専門医に相談してみましょう。
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「お風呂めんどくさい」とうつの人が感じる理由3選
うつの人がお風呂をめんどくさいと感じる理由には以下のようなものがあります。
それぞれ解説します。
入浴はやることが多いから
「お風呂に入る」という行為には、やらなければいけない行動が多いため、めんどくさいと感じやすいです。具体的には以下の通りです。
- 着替えを準備する
- 服を脱ぐ
- シャワーを浴びる
- 身体や髪を洗う
- バスタオルで拭く
- 服を着る
うつ病を持つ人はお風呂に入る前からすべての工程をやり切ることにプレッシャーを感じてしまいます。
先のことを考えるほどにめんどくさくなり、身体が動かなくなってしまうのです。
入りたくても身体が動かないから
お風呂に入ろうと思っても、身体がついてこないためお風呂に入れないケースもよくあります。
うつ病は「意欲が低下する」「ふさぎこんでしまう」といった心の病です。
ただ、落ち込むと身体が動きにくくなるように、心と身体はつながっています。
無気力や身体がしんどいと感じやすいうつでは、身体が動かなくなりお風呂に入れなくなるのです。
「毎日お風呂に入らなきゃいけない」という先入観があるから
うつ病を持つ人は「お風呂に毎日入る必要がある」と思い込む傾向があります。
とくに以下のように考えがちです。
- 「昔は毎日入っていたから」
- 「毎日身体を洗わないと汚い」
- 「昨日入らなかったから入らなきゃ」
「入らなければいけない」という単語がプレッシャーになり、気づいたらお風呂に入らずに1日を終えていることもあるでしょう。
翌日には「また入らなきゃ」という思い込みが強くなり、お風呂に入れないという悪循環が生じてしまいます。
うつの場合は決断力が鈍りやすいため、「お風呂に入る」という行動にうつせません。
お風呂に入れないとお風呂について考え込んでしまい、さらに動けなくなってしまうのです。
「お風呂めんどくさい」とうつ病で感じたときの5つの対処法
お風呂がめんどくさいときは、以下の方法を試してみてください。
なにかひとつでも良い方法があれば、お風呂に入りやすくなるかもしれません。
それぞれ解説していきます。
お風呂までの手順をひとつずつクリアする
入浴で必ずやらなければいけない行動を、ひとつずつ分けてやってみましょう。
まとめて全部やろうとすると、一気にめんどくさくなり身体が動かなくなります。
以下のように手順を分けてみましょう。
- お風呂に入ったあとに着る服を用意する
- 身体をボディーシートで拭く(お風呂には入らない)
- シャワーだけ浴びる(身体は洗わない)
- 部分的に洗う(髪だけ・手だけ・足だけ)
細かく分けて「今日はこれだけやろう」と決めて取り組んでみてください。
お風呂に入ることのハードルが下がり、めんどくさい気持ちも軽くなります。
「お風呂に入らなきゃ」という気持ちを捨てる
「お風呂に入らないことが悪いことではない」という認識をもちましょう。
入浴はあくまで身体をキレイにするための手段のひとつであり、必ずやる必要はありません。
お風呂に入れなかった自分を認めると気持ちが楽になります。
「入れなかったけど、そんな日もあるよね」と考えるようにすると、自分へのプレッシャーも少なくなるでしょう。
入浴中に好きなことを楽しむ
お風呂に入るときには、自分が好きなことや興味があることを一緒にやるようにしましょう。
何か目的があれば、お風呂がめんどくさい気持ちより楽しいという気持ちが強くなります。
たとえば、以下のようなものがおすすめです。
- 音楽を聞く
- 読書をする
- 動画を見る
- 歌を歌う
「好きなことをする場所がたまたまお風呂だった」と考えると、お風呂に入ることに意識が向きにくくハードルも下がりやすいでしょう。
長いスパンで入浴回数を数える
毎日お風呂に入れたかどうかではなく、一定の期間で何回入れたかを数えるようにしましょう。
お風呂に毎日入らなければいけない場合は、1日のどこかでお風呂に入るタイミングを探すことになります。
週や月単位で考えると「今週は3回入れた」「1ヶ月で10日も入れた」と考えることができるでしょう。
お風呂に入らなければいけないという義務感が消えて、お風呂へのハードルが下がります。
週単位・月単位で考えて、お風呂に入れたかどうかを意識しましょう。
朝昼晩の好きなタイミングでお風呂に入る
1日のうちもっとも動きやすい時間帯や、自分で決めたタイミングならお風呂に入りやすくなります。
うつの症状やタイミングは人によって違うため、動きやすい時間帯もそれぞれ異なります。
「お風呂は夜に入るもの」という固定概念には縛られずに、自分の入りやすい時間に調節してみてください。
また「〇〇をしたらお風呂に入る」と、生活の中に習慣化するのも良い方法です。
いつ入るかを決断する必要がないため、うつの人でもお風呂に入るタイミングを決めやすくなります。
「お風呂めんどくさい」をうつ病の人が克服すべき理由3選【お風呂の効果】
ここまではうつでお風呂がめんどくさくなる理由や対策について紹介しました。
ここでは、入浴が身体に与える影響や効果について紹介します。
お風呂に入って得られる効果は以下の3つです。
清潔になる
お風呂に入ると身体の表面についている汚れを洗い流せるだけでなく、毛穴に詰まった汚れを落とせます。
入浴により代謝がよくなるため汗をかきやすくなり、いっしょに体内の老廃物や汚れを排出できるのです。
髪についている「ふけ」や「油分」も、しっかり洗い流すと清潔感がアップします。
何日もお風呂に入っていないと身体の汚れが気になって人前に出にくくなりますよね。
外出をサポートする目的でもお風呂に入るのは効果的です。
自律神経を整える
ぬるま湯での入浴は、副交感神経が優位になります。数十分入っていると血管が拡張しはじめ、血流が良くなります。
筋肉が弛緩して力も抜けやすいため、身体がリラックスした状態になるのです。
うつ病を持つ人はイライラしたり、孤独を感じたりと感情が変化しやすいといえます。
心を安定させリラックスした状態にするためにも、お風呂に入るのがおすすめです。
睡眠の質があがる
入浴すると深部体温に変化が生じることで寝つきが良くなります。
睡眠は、血管の拡張に伴う熱放散によって深部体温が低下することで、誘発されています。
お風呂に入ると一時的に深部体温が上昇します。その後ゆるやかに深部体温が低下していくため、通常の状態よりも温度変化が生じるため眠りにつきやすいです。
お風呂に入り、深部体温を調節できれば睡眠の質を高められますよ。
お風呂めんどくさいと感じたら、うつ病の改善が入浴への近道になることも
今回は、うつでお風呂がめんどくさい理由や対策について解説しました。
うつになるとやる気がおきず、決断力も低下するためお風呂に入るためのハードルが高くなります。
また人によってお風呂に入れない理由はさまざまです。
ただ、「清潔になる」「睡眠の質が上がる」といったように、お風呂に入ることによるメリットも多くあります。
入浴に対する意識を変えたり、手順を細かく分けてみたりするとお風呂に入りやすくなります。
それでもなかなかお風呂に入れないこともあるでしょう。入浴への1番の近道はうつ病そのものが良くなることです。
まずは、うつに対して向き合ってしっかりと治療を行うようにしましょう。
おおかみこころクリニックでは、1人1人に合わせた治療をサポートしています。ひとりで抱え込まずに、お気軽にわたしたちにご相談くださいね。
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参考記事
[1] うつ病|こころもメンテしよう 厚生労働省
[2] うつ病|MSDマニュアル
[3] うつ病|知ることからはじめよう 国立精神・神経医療研究センター
- この記事の編集者
- 保坂大貴
理学療法士として、急性期・回復期病棟勤務経験あり。医療・健康分野を中心にライターとして活動中。医療知識を分かりやすく伝える記事が得意。