サンドイッチ症候群ってなに?症状から治療法まで徹底解説!

「中間管理職になり精神的な逃げ場がない」「上司と部下の板挟みで毎日しんどい」

こんなふうに悩んでいる方は「サンドイッチ症候群」かもしれません。

今回の記事では、サンドイッチ症候群の原因や対策などを解説します。

記事の後半では、職場におけるストレスセルフチェックもできるため、ぜひ参考にしてくださいね。

また、同じ内容の動画も用意しています。動画の方が分かりやすい方は下記からご覧ください。

サンドイッチ症候群とは

サンドイッチ症候群は、中間管理職に特徴的なうつ状態のことです。

上司と部下に挟まれるストレスにより、心身に不調があらわれます。

好発年齢は30〜40代で、中間管理職になって1~2年の方に多く発症します。

ちなみにサンドイッチ症候群は正式な病名ではありません。

診断を受ける際は、症状に合わせ「うつ病」や「適応障害」などの診断名がつけられます。

浅田先生
浅田先生

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サンドイッチ症候群の症状

サンドイッチ症候群の症状

サンドイッチ症候群は、ストレスにより自律神経のバランスが乱れるため、さまざまな症状が出現します。

  • 慢性的な疲労感
  • 抑うつ状態(無力感、気分の落ち込みなど)
  • 不眠症状(入眠困難、中途覚醒など)
  • 動悸やめまい
  • 高血圧
  • 頭痛
  • 肩こり

上記のような症状を自覚したら、意識的に休息を取り、症状の悪化を防ぎましょう。

症状がひどい場合には、医療機関を受診するようにお願いします。

サンドイッチ症候群の原因

サンドイッチ症候群の原因

サンドイッチ症候群の原因には、以下のようなストレスが関わっています。

上司と部下の板挟み

上司と部下の板挟みによるストレスが一因となります。

上司からはノルマや納期などの「結果」を求められ、部下からは現場の苦境などの「不満」を訴えられます。

その狭間で精神的な逃げ場がなくなり、心身に不調をきたすのです。

会社と顧客の板挟み

営業や窓口業務のように、会社と顧客の間で板挟みになる方も、サンドイッチ症候群に注意しましょう。

会社の方針と顧客の要望に挟まれ、ストレスを溜め込んでしまいます。

両者に気を遣いながら仕事をするため、精神的な負荷が積み重なり、心身の不調のリスクが高まります。

仕事のストレス

中間管理職という役職者ならではの責任やプレッシャーも、サンドイッチ症候群の原因となります。

「自分の代わりはいない」という責任感が強くなり、必要以上に自分を追い込んでしまいます。

その結果、無理をしすぎてしまい、心身が悲鳴をあげてしまうのです。

サンドイッチ症候群になりやすい人の特徴

サンドイッチ症候群になりやすい人の特徴

サンドイッチ症候群になりやすい人には、以下のような特徴があります。

メランコリー親和型性格を持つ

メランコリー親和型性格とは、うつ病に多い性格傾向です。

  • 生真面目で責任感がつよい
  • 問題をひとりで抱え込んでしまう
  • 他者に気を遣いすぎてしまう

これらのタイプにあてはまる方には、ストレスをため込みやすく、自分を追い込んでしまう傾向があります。

つまり、「サンドイッチ症候群になりやすい」とも言えるでしょう。

1〜2年の間に中間管理職に昇進した

中間管理職になって間もない方は、サンドイッチ症候群のリスクが高まります。

  • 仕事量の増加
  • 仕事内容の変化
  • 理想と現実のギャップ

急激な環境の変化により、心身に疲労が蓄積してしまいます。また、昇進して間もない頃は「自分が管理職として未熟だからだ」と責任を感じやすいため、心理的な負荷を抱えきれなってしまうのです。

30代後半~40代以降である

30代後半からは、体力の低下を感じやすくなります。

しかし、部下への指導や、昇進による業務量の拡大により、若い頃と同様に無理をしてしまいがちです。

体にムチを打ちながら残業や休日出勤を繰り返すため、抑うつ状態や体の不調などが出現します。

サンドイッチ症候群とうつ病の違い

サンドイッチ症候群とうつ病の違い

サンドイッチ症候群は、うつ状態の一種です。

ただし、サンドイッチ症候群は正式な病名ではありません。

抑うつ状態や、うつの前触れのような広い意味での精神状態の不調を指します。

そのため、病院を受診し診断を受けるときは、適応障害やうつ病など、個々の状態に合った病名がつくことになります。

サンドイッチ症候群は、「うつ病という大きなカテゴリーの中のひとつ」というイメージを持っておきましょう。

サンドイッチ症候群に気づくには

サンドイッチ症候群に気づくには

サンドイッチ症候群になりやすい人は、「辛いのはみんな同じ」と心身のつらさを我慢してしまいがちです。

症状が悪化しないように、以下の2点を意識してください。

身体の痛み

頭痛や首の痛みなど、体の痛みがないか確認しましょう。

うつ状態になると、痛みの抑制効果のあるセロトニンが減少するため、普段よりも痛みを強く感じてしまいます。

体の痛みは心の痛みの可能性があります。

「痛い」という感覚をSOSとして受け取り、医療機関を受診するなどで対策しましょう。

ストレスチェック

ストレスチェックツールを利用してストレスを数値化する方法もあります。

厚生労働省が提供している以下のツールでは、職場におけるストレスを数値化し、客観的に捉えられます。

結果によっては、無理せず仕事量を調整したり、病院を受診したりしましょう。

5分でできる職場のストレスセルフチェックはこちら

サンドイッチ症候群の対策

サンドイッチ症候群の対策

サンドイッチ症候群は、対策が早ければ早いほど回復の過程もよくなります。以下の方法を試してみてください。

状況を言葉にして伝える

上司、部下からの意見をひとりで抱え込まず、職場の人と共有しましょう。

現場の苦境を上司に伝えたり、上司の意向を部下に伝達したりして、職場の風通しを良好にできます。

また、言葉にすることで、周囲から打開策を得られたり、自分の内面が整理されたりして、状況の変化が期待できます。

責任を負いすぎない

上司からの課題に責任を負いすぎないようにしましょう。

たとえ課題を達成できなかったとしても、全てが自分のせいだということはありません。

1人で抱え込まず、解決策をチーム全体で考えていきましょう。

チームに頼ることで、全員に当事者としての意識が芽生え、管理職にかかる負担も軽減されます。

オンオフを切り替える

仕事がすべてだと思わず、趣味や家庭に集中する時間を作りましょう。

休むことで心身の疲れが取れ、脳全体が活性化するため、仕事の効率も高まります。

休日はしっかり休む習慣を持ち、ストレスをコントロールしていきましょう。

サンドイッチ症候群の治療

サンドイッチ症候群の治療

対策を講じてもつらい状況が変化しないときは、早めに病院を受診しましょう。

サンドイッチ症候群の治療は、状態に合わせて以下のような治療がされます。

薬物治療

お薬の力を借りて症状を軽減させる方法です。

症状に合わせ、抗うつ薬や睡眠薬を用いた薬物治療を行います。

ただ、薬物治療ではサンドイッチ症候群の根本的な解決はできません。

そのため、必要に応じて休養やカウンセリングと並行していきます。

休養

休養が必要な場合は、一定期間仕事を休み、治療に専念する場合もあります。

休むことに罪悪感がある方もいると思いますが、うつ状態には休養が何よりの薬になります。

自分が抜けても、思いのほか仕事は回っていくものです。

「今は休むのが仕事」と切り替え、休養に専念しましょう。

カウンセリング

考え方を変えるのが難しい方は、カウンセリングで考え方のクセを修正していきます。

カウンセリングに即効性はありませんが、時間をかけて柔軟な考え方に変化していくため、再発予防が期待できます。

時間をかけて自分と向き合い、楽に生きられる考え方を身につけていきましょう。

サンドイッチ症候群は、放置すると症状が進行していきます。うつ状態が進行する前に医療機関を受診しましょう。

まとめ

サンドイッチ症候群は、放置するとうつ状態が徐々に悪化していきます。

ひとりで責任を負いすぎず、周囲に頼りながら仕事をしましょう。

心身がつらいときは、早めに病院を受診して、うつ状態の悪化を防いでください。

おおかみこころのクリニックでは、みなさんが相談しやすい環境を整えてお待ちしております。ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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