うつ病で生活保護を申請する方法|一人暮らしでも受給できる

うつ病で働けなくなった……
一人暮らしだけど生活保護の申請をしたい

生活保護の申請手順を知りたい

このような悩みはありませんか。

うつ病と診断され働き続けることが難しくなり、生活保護を考える方もいるのではないでしょうか。収入がないことが不安で症状が悪化することもあります。

生活を安定させることで、治療に専念でき心身が回復につながるでしょう

今回は、うつ病の方が生活保護を申請する方法や、生活保護を受けるメリットやデメリットについて解説していきます。

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生活保護の申請方法~手続きの流れ~

生活保護の申請方法

生活保護の申請方法は以下の通りです。[1]

浅田先生
浅田先生

手順を整理していきましょう!

生活保護を受けたいと福祉事務所に相談する

まずは、今住んでいる地域の福祉事務所に行き、生活保護を受けたいと相談しましょう。
そして福祉事務所にある申請書に記入し、書類を提出します。[1]

生活保護の申請を行えるのは、本人または扶養義務者、同居している親族に限られます。それ以外の他の人が申請することはできません。[2]

申請時には、経済状況や仕事ができるのか、経済的に頼れる親族はいないかなどを聞かれます。また、申請するための調査に必要な書類や通帳など資産状況の確認をされることもあるため、事前に準備していくと良いでしょう。[3]

生活状況を確認する家庭訪問を受ける

提出した申請内容が合っているか、生活状況の訪問調査が行われます。持ち家や車など売却可能な資産はないか、世帯人数はあっているのかなどの確認をされます。

通帳の写しや給与明細などの提出を求められることがあるので、準備しておくと安心でしょう。

金融機関と扶養調査がおこなわれる

扶養している人がいるのか、住民票や戸籍謄本から確認されたり金融機関に残高照会を行い正確な財産を把握されたりします。年金や社会保険、収入に関する調査もおこなわれるので、申請書には正しい情報を書きましょう。

審査結果が通知される

申請した日から原則として14日以内に受給可否の通知書が自宅に郵送されます。通知書には受給の可否と受給金額がかかれています。

受給開始

地域ごとに決められている支給日に生活保護費が振り込まれて受給開始です。

一人暮らしのうつ病の方が生活保護を受ける3つの条件

一人暮らしのうつ病でも生活保護を受ける3つの条件

一人暮らしのうつ病の方が生活保護を受ける条件は以下の3つです。

浅田先生
浅田先生

受給条件をチェックしていきましょう!

最低生活費より収入が低い

最低生活費とは、地域ごとに決められている生活に必要な最低費用のことです。市区町村単位で最低生活費の基準が異なるため、お住まいの自治体に問い合わせて確認しましょう。[4]

貯金や財産がない

最低生活費を超える貯金はできません。まずは、貯金から生活費をまかなうことが優先されます。貯金や財産は自治体により上限が決められています。

一方で、子供の進学や就職準備のための貯金は認められているので、事前にケースワーカーへ相談しましょう。

ケガや病気で仕事ができない

うつ病や大きなケガで障害を負い仕事ができなくなると、生活保護を申請できます。ただし、病気になっただけでは生活保護は受給できません。病気でも不労所得があれば生活保護の対象外です。

まずは、生活保護以外に活用できる制度(傷病手当や失業保険など)を確認しましょう。

生活保護でもらえる金額

生活保護でもらえる金額

生活保護費は地域の最低生活費に合わせて決められています。

以下に主要地域の生活保護費を記載しました。

【一人暮らし 20〜40歳の場合】

地域金額
東京都千代田区130,010円
北海道札幌市109,720円
岩手県盛岡市102,460円
新潟県長岡市103,260円
沖縄県石垣市100,430円

参考サイト:生活保護の自動計算サイト

年齢によっても受給額がかわります。くわしくはお住いの自治体に問い合わせてください。

生活保護が打ち切られる4つのケース

生活保護が打ち切られる3つのケース

生活保護が打ち切られるケースは以下の4つです。

浅田先生
浅田先生

それぞれのケースをチェックしていきましょう!

不正受給をしている

不正受給をすると生活保護が打ち切られます。

不正受給とは、生活保護を受けている間に「収入が増えた」「仕送りがあった」場合はすみやかに福祉事務所に伝えなければなりません。福祉事務所に届け出た内容に変更が生じたらすぐに申告しましょう。[5]

収入が生活保護基準をこえた

継続収入が見込めるようになったら、生活保護が打ち切られます。生活保護基準をこえたらすぐに打ち切られるのではなく、数ヶ月ほど様子を見て判断されます

収入を隠しても年末調整などで収支が合わずに、ウソが発覚するので正しい額を申告しましょう。

失踪して連絡がとれなくなった

ケースワーカーや福祉事務所と連絡が取れなくなったら生活保護が打ち切られます。生活保護はどのような生活を送っているか定期的に申告しなければなりません。

訪問調査や文書での通達をへてもなお連絡がない場合は、正しい現状把握が難しいため生活保護が打ち切られるでしょう。

病院の定期検診・検査を受けない

うつ病など病気が原因で生活保護を受給している人は、定期的な通院が必要です。原則はケースワーカーの指示に従い、難しいのであれば理由を伝えることを忘れないようにしましょう。

ケースワーカーは病院受診を進めたり、最低生活費を上回った生活をしていないか訪問します。そのため、ケースワーカーとのかかわりを拒否した場合は生活保護が打ち切りになる可能性もあります。

うつ病で生活保護を受けるメリット

うつ病で生活保護を受けるメリット

うつ病で生活保護を受けるメリットは以下の2つです。[3]

浅田先生
浅田先生

それぞれ、解説します。

最低限の生活が保障される

最低限の生活は憲法で定められているため、うつ病で働くことが難しく収入がなくても生活はできます。

日本国憲法第25条第1項:すべての国民は、健康で文化的な最低限度生活を営む権利を有する[6]

病気で働けないと収入がなくなり不安になりますが、国が最低限の生活を保障しているため安心して治療ができるでしょう。

さまざま費用がもらえる

生活保護を受けると、医療費や介護サービスの費用がかかりません。ほかにも以下の費用がもらえるため金銭的な負担が軽くなります。

  • 子どもの高校の授業料
  • お葬式の費用
  • 教育にかかる費用(教材代、給食費など)

一般的な生活を送っているとかかる費用の一部がもらえるので、安心して暮らせるでしょう。

うつ病で生活保護を受けるデメリット

うつ病で生活保護を受けるデメリット

うつ病で生活保護を受けるデメリットは以下の2つです。

浅田先生
浅田先生

しっかり見ておきましょう!

資産が持てない

最低限の生活に必要ない資産は売却しなければなりません。自動車やパソコンなどがあります。しかし「仕事で必要」「車がないと買い物に行けない」など、生活するうえでかかせない理由があれば対象から外れることがあります。

ケースワーカーとの定期的な面談が必要

ケースワーカーに生活の状況を報告しなければなりません。面談は事前に連絡がくることもあれば、抜き打ちでくることもあります。そのため、いつでも生活の状況を報告できるようにしておきましょう

まとめ

うつ病で一人暮らしの方も生活保護を受給できます。
必要な書類をそろえ申請しましょう。生活をしていく上で、要最低限のお金を確保することは大切です。事前に手続きの流れや受給のメリット・デメリットを知っておくことで安心して福祉事務所に相談できるでしょう。

おおかみこころのクリニックでは、みなさんが安心して生活できるようにサポートも行っています。ひとりで悩まずに、まずはお気軽にご相談ください。

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参考文献

[1]生活保護制度|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html

[2]生活保護とは|会津若松市

[3]生活保護の申請から利用の流れ|小田原市
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/welfare/p-cassi/p31995.html

[4]生活保護制度における地域差等について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001h27t-att/2r9852000001h2a6.pdf

[5]不正受給とならないために(生活保護受給者の皆様へ)|習志野市
https://www.city.narashino.lg.jp/soshiki/seikatsusodan/gyomu/seikatu/kyufukin/huseizyukyuu.html

[6]ナショナルミニマムに関する議論の参考資料 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003xfq-img/2r98520000003z9o.pdf

この記事の編集者
和田直人
作業療法士。薬機法管理者。障害者入所施設や就労支援施設を経験。現在は放課後等デイサービスで勤務しながら、フリーライターとして活動。医療・健康分野を中心に執筆中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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