「どこか遠くへ行きたい」との向き合い方|うつとの関係&対処法

「どこか遠くへ行きたい」
「現実から逃げたい」

と感じていませんか?

その気持ちは、うつ症状が進行しているサインかもしれません。このまま放置しておくと症状が悪化し、日常生活に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

「どこか遠くへ行きたい」という気持ちは、早めに対処することでその気持ちをやわらげることができます。この記事では、うつとの関係対処法を解説しています。ぜひ実践して、心を楽にしていきましょう。

「どこか遠くへ行きたい」とうつの関係

「どこか遠くへ行きたい」という気持ちは、うつ病と関係があるといわれています。以下の項目について、ひとつずつ解説していきます。

うつ病の症状

うつ病は、心の病気のひとつです。

精神的・身体的ストレスなどが原因で脳がうまく働かなくなり、ものの見方や考え方が否定的になります。[1]

<うつ病のおもな症状>

精神症状:一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない、人に会いたくない、何の希望もない

身体症状:頭痛、肩こり、眠れない、食欲がない、疲れやすい

心だけでなく体にも、多くの症状があらわれます。

うつ症状の影響

うつ症状は日常生活に大きな影響を与えます。

仕事や学校に行くのが難しくなったり、家庭や友人関係がうまくいかなくなったりします。体調不良により日常生活がままならなくなると、「こんな自分はダメだ」「生きていても価値がない」と考えるようになることも。

重症になると「死んでしまいたいほどつらい気持ち」があらわれることもあり、注意が必要です。[1]

現実逃避としての「どこか遠くへ行きたい」

「どこか遠くへ行きたい」という気持ちは、現実から逃げたいという願望のあらわれです。

人には、心を守るために「ストレスから逃れる防衛反応」が備わっています。[2]

日常のストレスやうつによる精神症状などが強くなると、現実から逃げようとすることがありますが、これは自然な反応で自分を守るためには大切なことです。

この気持ちに向き合い適切に対処することで、うつ症状を軽減する手助けになることがあります。

現実逃避について、こちらの記事で詳しく解説しています。参考にしてください。

どこか遠くへ行きたい気持ちとの向き合い方

「どこか遠くへ行きたい」と思ったとき、すぐに行動できたらいいのですが、それはなかなか難しいですよね。ここからは、遠くへ行きたい気持ちとの向き合い方を以下の3項目に分けて解説していきます。

現実逃避の対処法については、こちらの記事でも紹介しています。

小旅行をする

週末やちょっとしたお休みでもできる「小旅行」がおすすめです。

海外旅行や遠出は無理でも、1泊の旅行や日帰り旅行をしてみると「遠くへ行きたい」気持ちが満たされるかもしれません。

近場で非日常を味わえる場所を探してみてください。

自然と触れ合う

自然と触れ合える場所に行くのも効果的です。

森林セラピー」をご存知でしょうか。

森林セラピーとは、その名の通り「森の中を歩いて心身の健康の維持・増進をし、病気を予防すること」です。[3]

「自然の中に行くとなんとなく癒されるなあ」という主観だけではなく、森林セラピーは科学的に効果が証明されています。

具体的にはストレスホルモンが減少したり、気持ちを落ち着ける神経である副交感神経の活動が高まったりします

そのため、ストレスや不安が高まって「遠くへ行きたい」という気持ちになった際は近場にある森林の中を歩いてみるとよいでしょう。

映画を見る・読書をする

本や映画に没頭することも効果的です。

映画や本の世界に入り込むことで、現実のストレスから一時的に離れることができます。

好きなジャンルの映画や本を選んで、自分のペースで楽しむことが大切です。これらの活動は心を豊かにし、リラックスするのに役立ちます。また、感動的なストーリーに触れることで、気持ちが前向きになることもあります。

こころちゃん
こころちゃん

一時的だとしても、ストレスから離れる時間をつくるのがポイントです。

遠出が難しいときの乗り切り方

忙しい毎日や家庭環境が理由で、近場にゆっくり外出することが難しい方もいるかもしれません。遠出が難しいときに「どこか遠くへ行きたい」という気持ちを乗り切る方法を解説します。

ストレス解消法を行う

日常生活の中で簡単にできるストレス解消法を見つけましょう。[4]

たとえば、深呼吸やストレッチ、軽い運動などが効果的です。また、趣味に没頭することもよい方法です。料理や手芸、音楽を楽しむことで、気持ちがリフレッシュされます。自分に合った方法を見つけることが大切です。

リラックス法を取り入れる

リラックス法としては、ヨガや瞑想(めいそう)が有名です。不安やストレス、抑うつをコントロールする効果があるといわれています。[5]

また、アロマセラピーもリラックスに役立ちます。好きな香りのアロマオイルを使って、リラックスした時間を過ごしましょう。お風呂に入る時間を少し長めに取ることも、心を落ち着かせるのに効果的です。

日常の小さな楽しみを見つける

毎日の中に小さな楽しみを見つけることが大切です。

たとえば、「ガーデニングで季節を感じる」「コーヒーを豆からいれてぜいたくな気持ちになる」「いつもと違う道で通勤して新しい発見をする」などがあります。

手軽にできるストレス解消法を身に付けておくと、日々の生活の中で少しずつ気持ちを落ち着けていけるため心の安定に役立ちますよ。

うつ症状が強くなったときの対処法

さまざまな対策をしていても、うつ症状が悪化してしまうことはあります。そのようなときの対処法を以下の3つの視点から解説します。

休養する

うつ症状が強くなったと感じたら、まずは休養を取ることが重要です。[1]

無理をして頑張り過ぎると、症状が悪化することがあるからです。自分の心と体を大切にし、必要な時にはしっかりと休むことを心掛けましょう。休養することで、回復のためのエネルギーが得られます。

家族や友人にサポートを求める

また、家族や友人にサポートを求めることも大切です。[6]

ひとりで悩まず、信頼できる人に話を聞いてもらうことで、気持ちが軽くなることがあります。周りの人に自分の状態を伝え、助けを求めることは決して恥ずかしいことではありません。サポートを受けることで、回復に向かうことがあるでしょう。

精神科や心療内科を受診する

うつ症状が続いたり、強くなったりした場合には、精神科や心療内科などの医療機関を受診することが必要です。[1]

医師に相談することで、適切な治療を受けることができます。薬物療法やカウンセリングなど、個々の症状に合わせた治療が行われます。早めに受診すれば、回復の可能性が高まるため、勇気を出して相談してみましょう。

まとめ

「どこか遠くへ行きたい」という気持ちは、うつ症状のひとつとしてあらわれることがあります。

現実から逃げたい気持ちが出てきたら、その気持ちに向き合い適切に対処することで、症状をやわらげることができます。この記事で紹介したストレス解消法や対処法を実践し、気分転換を心掛けることが大切です。うつ症状が強くなったと感じたら、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

自分の心と体を大切にし、少しずつでも前向きな気持ちを取り戻していけることを願っています。

参考文献・サイト

[1]うつ病|こころの情報サイト|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=9D2BdBaF8nGgVLbL

[2]<論文>防衛機制の概念と測定,中西公一郎,Japanese Psychological Review,1999,Vol.42,No.3,P261-271
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/42/3/42_261/_pdf/-char/en

[3]森林セラピーとその可能性,伴正海,梼原町立国保梼原病院
https://www.rinya.maff.go.jp/j/gyoumu/gijutu/kenkyu_happyo/h25/fureai/pdf/25_hfu04_sikoku.pdf

[4]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

[5]リラクセーションYOGA|ポジシェア|こころの耳|厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/ps/relaxation/

[6]まずは、誰かに相談してみよう|どんなふうに相談すればいいの?|困ったときの相談先|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/way/way_01.html

この記事の編集者
宮川 しおり
メンタル心理カウンセラー・看護師・養護教諭。公立病院や学校での勤務経験あり。現在は医療・健康分野のフリーライターとして活動中。
執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。

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