病んでる人が使う言葉ワースト5【うつで言って欲しい魔法の言葉・やばい禁句】接し方のコツ




数年前まで「病む」は病気になるという意味で使われていました。最近では若者を中心に落ち込む・悩むという意味で使われています。

もし病んでいる人が身近にいたらどんな言葉を発するのか、病んでいる人にはどうやって接したらいいか悩んでしまいますよね。相手を不快にさせる接し方をしてしまうと、余計に病んでしまう可能性もあります。

今回は病んでいる人が使う言葉や特徴について紹介していきます。

病んでいる人にかける言葉や接し方についても解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

また、同じ内容の動画も用意しています。動画の方が分かりやすい方は下記からご覧ください。

病んでいる人が使う言葉

病んでいる人が使う言葉

病んでいる人が使う言葉には主に5つあります。

直接話す時だけでなく、LINEやメールなどの文章で使う時にもよく使われる言葉です。

それぞれの言葉を詳しく見ていきましょう。

私・僕なんか

病んでいる人は周囲とのコミュニケーションが減ることで相手への興味が薄れてしまい、自分にしか意識が向かなくなります

その結果、「私・僕」や「自分」などの一人称を使うようになるので、多く使っている場合は注意しましょう。

また、自分を価値のない人間と思い込んでいると「私なんか」という言葉が出てきます。

病んでいると物事をマイナスに捉えてしまうので、自分の存在も否定的に考えてしまいます。

完全・絶対

まじめで責任感が強いタイプは白黒思考の人が多いです。

白黒思考とはものごとを白か黒かをはっきりさせる考え方です。

極端にしか考えられないので、白と黒の間にあるグレーの考え方に気づきにくくなってしまいます。

白黒思考の人は「完全」や「絶対」という言葉の使用が目立ちます

自分や周囲の人がよく使っていないかを思い出してみてください。

もし自分が使っている場合は物事を断定するのではなく、「かも」をつけてあくまでも推測の段階にすると良いでしょう。

絶望した・おしまいだ

病むと落ち込みやすくなるため、「絶望した」や「おしまいだ」などネガティブな発言が出てしまいます。

何事も悲観的に考えてしまって、少しでも嫌なことがあると本当に絶望してしまいます

思ったことをそのまま表現しているので、うつ症状の中でも多く使われる言葉です。

不安や焦りが強くなるので、小さなことでいらつきやすくなったり、漠然とした不安を訴えたりします。

楽しくない

病んでいる人は心の底から笑うことができず、何をしてても「楽しくない」と言います。

好きなことに対しても興味がわかずに意欲を失っていきます

疲れている・余裕がないなどの身体的な問題、ストレスなどの精神的な問題が楽しめない原因です。

疲れていると何かをする気力になれないのでしっかり休むことが大切です。

誰にも理解されない

病んでいる人はまわりから自分の発言や行動についてアドバイスされると、否定的に受け止めて自分の殻に閉じこもってしまいます。

周囲は本人のためを思って言いますが、病んでいる人は「誰にも理解されない」と考えるようになってしまいます。

誰にも理解されないと感じていたら、思ったことを紙に書きだしてもらいましょう。冷静に判断できて自分の思い込みだったと気づけるようになります。

病んでしまうと思考がゆがみやすくなって周囲の人を疑ってしまうので、自分は味方であると伝えてあげてください。

病んでいる人の特徴

病んでいる人の特徴

病んでいる人には以下の3つの特徴が挙げられます。

家族や友だちなど身近な人で当てはまる人はいるでしょうか。

それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

目つき・顔つきが悪い

病んでいる人は活力がなくなるため、顔つきや目つきに表れてきます。

具体的には以下の特徴が出てきます。

  • 無表情
  • 作り笑い
  • 顔色が悪い
  • 吊り上がった目
  • 生気がない目

本人は意図的にしているのではなく、無意識でこれらの表情をしている場合が多いです。

病んでいると笑顔がなくなってしまうので、周りからは近寄りがたいと思われてしまいます。

顔つき・目つきが怖い場合よりも生気がない場合の方が深刻な状態なので、日頃から気にしてみるといいでしょう。

趣味などに興味がなくなる

今まで好きだった・夢中になっていたことに興味がなくなり、どうでもよくなってしまいます。

意欲が湧いてこないので「何をしても面白くない」「何もしたくない」と感じてくるでしょう。

例えばバスケなどのスポーツが好きだったのに、気力がなくなってしんどくなってしまいます。

趣味だけでなく、お風呂に入る・テレビを見るなど日常の行動も苦痛になってしまう場合もあるので、家族の様子もしっかり見てあげましょう。

食欲がなくなる

病んでいる人には食欲がなくなるという特徴もあります。

胃や腸などの消化器官はストレスに弱い臓器なので、食欲不振が症状として表れます。

栄養状態が悪くなる原因になるため、なるべくバランスのよい食事をとるようにしましょう

たとえばうつ病になってしまうと味覚中枢がダメージを受けて、今まで美味しく食べていたご飯が美味しくなくなったり、味がないように感じてしまいます。

病んでいる人にかける魔法の言葉

病んでいる人にかける魔法の言葉

病んでいる人にかける言葉でおすすめしたいのが3つあります。

病んでいる人には何を言ってあげたらいいか悩んでしまう方が多いでしょう。

紹介する言葉は心を軽くしてくれる魔法の言葉なので、ぜひ使ってみてください。

休んでいいんだよ

休むのは悪いことと考えてしまっているので、周りが休むことを肯定してあげましょう

心身の不調は目にみえないため、一見怠けているように見られてしまうことがあります。

しかし周りに迷惑をかけていると本人も自覚しているので、あまり追い込ませないようにしましょう。

「休んでいいんだよ」と声をかけることで、病んでいる人は休んでもいいんだと思えるようになります

そのままでいいんだよ

病んでいる人は自分の存在を否定的に見てしまうので、相手の存在を尊重して自己肯定感を高めてあげましょう

うつ病を発症した方の中には、「うつ病になってしまった自分」を責めてしまう方もいます。

「そのままでいいんだよ」と相手の存在を認めてあげる言葉をかけてあげてください。

また回復するまでに時間がかかってしまう場合にも、「あなたのペースでいいんだよ」という声かけも相手を安心させられます。

ペースは人それぞれなので、相手のペースを尊重してあげましょう。

相談に乗るよ

周囲への関心がなくなってコミュニケーションをとらなくなるので、病んでいる人は孤独になりやすいです。

「相談に乗るよ」と言ってあげることで、自分はあなたの味方であると伝えられて、一人じゃないという安心感を与えます。

相談に乗るときは相手の話をゆっくりと聞いて共感を示すといいでしょう。

深く話を掘り下げると相手が話したくない部分に触れてしまう場合もあるので、注意してください。

病んでいる人への禁句

病んでいる人への禁句

一方で病んでいる人には言ってはいけない言葉もあります。

言った本人に悪気がなくても相手を傷つけてしまいます。

病んでいるという状況に配慮して、思いやりの心を忘れないようにしてください。

頑張って

病んでいる人に一番言ってはいけないのが「頑張って」です。

例えばうつ病になると頑張りたくても頑張れない状態になってしまいますが、本人は怠けているわけではありません。

病んでいる人は頑張れない自分を責めてしまうので、周囲が励ましてしまうと余計に自分自身を追い詰めることになります。

「やればできる」「気の持ちようだよ」などの励ましも逆効果になるので、使わないようにしてください。

まわりも大変だよ

「まわりも大変だよ」と言われてしまうと、周囲に迷惑をかけて自分はだめだと追い詰めてしまいます。

家族や友だちなど近い存在だからこそ言ってしまう言葉ですが、一番不安になっているのは本人です。

本人にとって周囲との比較は余計に焦る原因になります。

人によって大変なこと・苦しいことは様々なので、「自分ができるから相手もできる」と考えないようにしましょう。

早く元気になってね

早く回復してほしいという気持ちから、「早く元気になってね」と声かけをする方もいるのではないでしょうか。

実はこの言葉もプレッシャーを与えてしまう言葉です。

数日間で回復できればいいのですが、何週間も病んでいる状態が続くと本人もいつ回復できるか不安になります。

しっかり休養をとれば回復に繋がるので、「必ず良くなるよ」と希望を持たせる言葉を使うといいでしょう。

病んでいる人への接し方のポイント

病んでいる人への接し方のポイント

病んでいる人へかける言葉・かけてはいけない言葉を紹介してきたので、最後に接し方のポイントについて解説していきます。ポイントは以下の3つです。

ポイントをおさえながら相手と接してみてくださいね。

過度に干渉しない

友だちや職場の人などが病んでしまうと、力になりたいと思って深入りしてしまいますが、干渉しすぎてはいけません

もし本人が言いたくないのに話を聞き出そうとすると、苦しめてしまう原因になります。

無理に話をしてもらわなくてもいいので、何も言わずにそばにいてあげることが大切です。

話をゆっくり聴く

相手が話をしてくれたらゆっくりと聞いてあげましょう

話を聞くときは「辛かったね」「しんどかったね」と共感しながら聞くと、相手に安心感を与えられます。

やってはいけないのが相手の話を遮って自分の体験談を話したり、求められてもいないアドバイスをすることです。「話を聞いてもらえなかった」と嫌な思いをさせないようにしてください。

相手がどういう感情なのかを理解しながら話を聞くといいでしょう。

安心できる環境をつくる

病んでいる人にとって安心できる環境は大切です。

安心できる環境にいると落ち着けたり、リラックスできたりしてストレスを減らせます。無理をさせてしまうと、余計に病んでしまって心身に不調が出てきてしまいます。

安心できる環境をつくるには家族や友だちなど周囲の協力が必要になるので、ぜひサポートしてください。

まとめ

今回は病んでいる人が使う言葉や特徴、病んでいる人にかける言葉や接し方について解説してきました。

病んでいる人の言葉や特徴を参考にして、周りの人にいないか確認してみてください。病んでいる人には安心できる環境をつくり、干渉しすぎないことが大切です。

相手のペースに合わせて歩み寄っていきましょう。症状がひどくなってきたら無理をせずに休ませてあげてください。

おおかみこころのクリニックでは24時間予約を受け付けているので、お気軽に相談にお越しください。

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参考文献

救われた言葉、傷ついた言葉 | うつ病患者さんを支える方へ | うつ、ここから晴れ | 武田薬品工業 ルンドベック・ジャパン株式会社

ご家族にできること|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

執筆者:浅田 愼太郎

監修者:浅田 愼太郎

新宿にあるおおかみこころのクリニックの診療部長です。心の悩みを気軽に相談できる環境を提供し、早期対応を重視しています。また、夜間診療にも力を入れており、患者の日常生活が快適になるようサポートしています。




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