うつ病になると、顔つきや表情が変わるの?
うつ病の症状が顔つきにあらわれることもあるよ。どんな表情になりやすいか解説しましょう。
うつ病では以前よりも表情が暗くなり、周りの人が「顔つきが変わった」と感じることも少なくありません。
この記事では、うつ病がもたらす顔つきの変化を中心に、その背後にある症状や行動の変化について解説します。
表情の変化を通じてうつ病を正しく理解し、うつ病で苦しむ人へのよりよい接し方を学びましょう。
うつ病により顔つきが変化することがある|うつ病の人の顔つきの特徴
うつ病の方の中には、顔つきや表情が前よりも暗く変化する人もいます。
具体的にどんな表情に変化するのか、以下にご紹介します。[1][2]
- 無表情
- ぼんやりとした表情
- 作り笑いのような不自然な笑顔
- 悲しげな表情
- 活気のないどんよりとした表情
- 目の下のクマや疲れた表情
上記のような表情が以前より増えたと感じるときは、うつ病の可能性も否定できません。
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うつ病の方は、一般的にネガティブな表情を示しやすいといわれています。
しかし、顔つきや表情だけではうつ病を診断することはできません。うつ病のなかには「微笑みうつ病」と呼ばれるものがあり、人前では明るくふるまっていても、こころの中では苦しみを抱えている人もいるのです。
うつ病は顔つきだけで判断できるものではありませんが、ひとつの判断材料となる可能性があります。
微笑みうつ病について詳しく知りたい人は、下記の記事もご覧ください。
うつ病の人の顔つきに影響する症状や行動
ここでは、顔つきや表情に影響し得るうつ病の症状や行動の特徴について解説します。
行動の特徴
うつ病に特徴的な行動は、その人の顔つきにも影響を与えています。
うつ病の方に多い行動の特徴は、以下のとおりです。[2]
- 欠席や欠勤、遅刻の増加
- ネガティブな発言の増加
- 言葉数の減少
- 社交的な活動や趣味への関心の低下
- 物忘れの増加
- 集中力の低下
- 食欲の変化
- イライラして落ち着かない様子
- 身だしなみに無頓着
うつ病では、相手のネガティブな表情や行動の影響を受けやすい傾向があります。[3]うつ病による特徴的な行動によって、周りのネガティブな反応が症状を悪化させ、表情にあらわれることもあるのです。
精神的・身体的な症状の特徴
うつ病は、精神的、身体的な症状が顔つきにあらわれることがあります。
うつ病による精神的な症状は、以下のとおりです。[2]
- 精神的な症状
- ・持続的な気分の落ち込み
・前まで楽しんでいた活動への興味や喜びの喪失
・疲労感やエネルギーの欠如
・自己評価の低下
うつ病による身体的な症状は、以下のようなものがあります。[2]
- 身体的な症状
- ・頭痛
・肩こり
・動悸
・めまい
・便秘や下痢
・睡眠の問題(過多、または不足)
これらの精神的な症状は、暗くネガティブな表情につながります。
また、身体的な不調もうつ病の特徴的な症状であり、痛みや不快感が顔つきにあらわれることがあります。
これらの精神的・身体的な症状は、日常生活に大きな影響を与え、顔つきにもあらわれることがあるのです。
日常生活に影響すると、表情にも出ちゃいますよね💦
うつ病っぽい顔つきの人への接し方
うつ病とは診断されていなくても表情が暗く、うつ病のような症状がある場合、まずはその人が安心して相談しやすい環境を作ることが大切です。[4]
うつ病になりやすい人の中には、真面目で責任感が強く、他人に頼ることが苦手な人もいます。[5]まずは、話をじっくりと聞いてあげてください。
必要に応じて、相談窓口や病院を紹介するとよいでしょう。職場に外部の相談窓口が設置されていることもあります。職場に相談窓口がない場合や、職場には相談したくないというときには、行政の相談窓口や心療内科の専門医を紹介してみましょう。[4]
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うつ病は早めに治療が開始できれば、回復も早い病気といわれています。早い段階で治療につなげるためにも、周囲の理解とサポートが必要なのです。
よくある質問
うつ病と顔つきの変化について、よくある質問にお答えします。
うつ病の人の顔つきは治療すれば元に戻りますか?
うつ病による顔つきの変化は、治療とともに元に戻ります。うつ病では症状が進行するにつれて、表情が暗くなったり、笑顔が少なくなったりと表情が変化します。[6]
ただし、適切な治療により症状が改善されれば、表情もだんだん明るくなり、以前のような笑顔や活動的な様子を取り戻せるでしょう。
治療にどれくらいかかるのかには個人差がありますが、治療効果があらわれるとともに、顔つきにも前向きな変化が見られることが多いのです。
うつが治ると顔つきも戻るのは安心だ!
うつ病による顔つきの変化は本人も自覚しているの?
うつ病による顔つきの変化について、本人が自覚していないこともあります。
うつ病の症状のひとつである無気力や無関心な状態が、自分自身の外見や身だしなみに対する意識を低下させることがあるのです。[7][8]
その結果、自分の顔つきの変化に気付かない、または顔つきが変化したことに関心を持たなくなります。
うつ病の症状に気づきにくい本人に代わって、家族や同僚がその変化を認識し、適切な治療へと導くことが大切です。
周りのサポートが大切ですね♪
まとめ
うつ病の方は、ネガティブな表情や顔つきになりやすいといわれています。これは、うつ病に特徴的な症状や行動が顔つきにあらわれているためです。
多くの場合、本人も表情の変化に気付いていないこともあります。そのため、身近な家族や周りの人が適切な治療につなげられるようサポートする必要があります。
うつ病によるネガティブな表情は、治療が進むにつれて元の状態に戻るでしょう。うつ病の症状を回復させるためにも、早めに専門医や相談できる場所を紹介してあげてください。
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参考文献
[1]お父さん、ちゃんと寝てる?|熊本市こころの健康センター
https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=2079&sub_id=83&flid=248074
[2]うつ病|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=9D2BdBaF8nGgVLbL
[3]他者表情の認知が情動に与える影響:抑うつ状態に着目して|日心第83回大会(2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/83/0/83_2B-061/_pdf
[4]ご家族にできること|こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/families/
[5]うつ病になりやすい人がいると聞いたのですが。|千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/faq/376.html
[6]うつ病の治療と予後|こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad003/
[7]うつ病|こころもメンテしよう
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_01.html
[8]うつ病を防ぐ|こころの耳
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad004/
- この記事の執筆者
- 原田瑞季
臨床検査技師。保健学修士。在宅で医療検査の業務に関わりながら、フリーライターとして医療を中心に幅広いジャンルで執筆中。