「うつ病になって人生がめちゃくちゃだ…」
「もうやり直せないかもしれない」
そんな思いに押しつぶされそうになっていませんか。
うつ病を経験すると、それまで当たり前だった日常が崩れてしまい、何もかもが遠くに感じられることがあります。
仕事や人間関係、これからの人生…先の分からない不安に、こころが追いつかないのは当然のことです。
もしかすると、あなたは今うつ病で「苦しみの渦中」にいるのではないでしょうか。
人生がめちゃくちゃになったと感じるときこそ、立ち止まってもよいのです。
この記事では、人生がめちゃくちゃになったと感じる理由や人生がめちゃくちゃになったと感じたときの考え方、そして新しい治療の選択肢として注目されているrTMSについてもご紹介します。
あなたの不安や迷いが、少しでもやわらぐきっかけになりますと幸いです。
うつ病になり「人生めちゃくちゃ」と感じる理由
うつ病を経験すると、これまで当たり前にできていたことが難しくなり「わたしの人生はもう終わった…」「人生めちゃくちゃになってしまった」と感じる方も少なくありません。
そう感じてしまう背景には、次のような3つの理由があります。
それぞれ詳しく解説します。
働けず生活が変わっていく不安
うつ病になると、身体が重く感じて朝起きれなかったり、日中の集中力が続かなくなったりします。
こうした不調から、仕事を続けるのがむずかしくなり、休職や退職を考えることがあるのです。
仕事ができなくなると、まず「収入が減ってしまう」という心配が出てくるでしょう。
今後の生活を考えると不安が大きくなるのは当然のことです。さらに、働けないことへの罪悪感や周りからおいて行かれたと感じてしまいます。
ただ、それはあなたのせいではありません。
うつ病の症状により、今の生活や働き方が難しくなっているだけなのです。
職場での健康管理やメンタルケアでも、仕事を休んでいる人が「もう一度生活を立て直す力」を取り戻せるように、医師や専門職が支えていくことが大切だと言われています。[1]
仕事を失うことで、自分の存在価値を失ったように感じて「人生がめちゃくちゃになった」という思いにつながりやすいのです。
人間関係が変わってしまう孤独感
うつ病になると、自分から連絡をしなくなったり誘いを断ったりするうちに、人とのかかわりが少なくなることがあります。
たとえば、会う約束をしていても気分が落ち込んで当日行けなかったり、夜間眠れずに起き上がれなかったりするでしょう。
このように、当日にならないと体調が分からず、人とのかかわりが負担になり、友人や同僚と距離を置くことがあるのです。
また「迷惑をかけているのではないか」と自分を責めてしまい、人とのかかわりが少なくなり孤独を感じるのです。

寂しく感じちゃいますよね💦
「何もできない自分」を責めてしまう日々
うつ病になると、こころも身体も疲れてしまい「今日も何もできなかった」「どうしてわたしはこんなに弱いんだろう」と自分を責める気持ちが強くなる特徴があります。[2]
ただ、それはあなたが怠けているわけではなく、うつ病があなたの脳や身体の働きを弱めているためです。
うつ病の症状によってできなくなっているだけなのに、真面目で責任感の強い人ほど「努力が足りない」「甘えている」と自分を責めてしまうでしょう。
このように、自分を責める気持ちが積み重なり「人生がめちゃくちゃになった」という思いを強くしてしまうのです。
うつ病で人生めちゃくちゃだと感じたときの考え方
うつ病になり「わたしの人生終わった…」「この先、どう生きていけばよいのか分からない」と感じることもあるでしょう。
周りの人が前に進んでいるように見えて、自分だけが取り残されたような気持ちになることも少なくありません。
ただ、そう思ってしまうのは、あなたのこころが今とても疲れているからです。
うつ病になると、自分や周りの人のことやできごとに対してマイナスに考えてしまう特徴があります。[3]
また、将来のことにも「どうせだめだろう…」と悲観的に捉える傾向があるため「人生終わった」と考えてしまうのです。
つまり、今マイナスに考えてしまうのは、うつ病の症状のひとつと言えるでしょう。
そのため、以下のように考えてください。
- 自分を責めすぎない
- 今は「休む時期」だと考える
- 回復のペースには個人差がある
不安になるのは自然なことです。今は将来のことを考えすぎずに「今日1日をどう過ごすか」に目を向けることを大切にしてください。
たとえば、以下のような「小さなできた」を見つけましょう。
- 少しだけ近所を散歩できた
- 今日は朝ごはんを食べられた
- 午前中に起きて着替えができた
「前の自分に戻らないと」と思い苦しくなる人も多いですが、ムリに元どおりになる必要はありません。
「人生めちゃくちゃ…もう終わりだ」と感じるのは、こころが疲れているSOSのサインです。
そのため、焦らず「今は休む時期なんだ」と考えましょう。
また、症状が軽くなっても、気持ちがすぐについてこないこともあります。
前の自分に戻るよりも「これからの自分をどう生きるか」を考えてください。
回復のペースは一人ひとり違います。たとえ今日は何もできなくても、それは「止まっている」のではなく、休んで力をためている時間と考えましょう。
「うつ病=人生終わり」ではない
うつ病になったら「人生が終わり」ではありません。
うつ病になることで、これまでの生活や働き方、人間関係が変わってしまい「人生終わった」と感じることもあるでしょう。
ただ、もしかするとムリして頑張ってきていたことに気づくきっかけになり、今までとは違う新しい生き方を見つけるチャンスかもしれません。
うつ病の症状がつらいときは「今は休むことが必要な時期だ」と立ち止まり、少しずつ生活を取り戻していくことが大切です。
そのためにも「何もできない」とあなた自身を責めるのではなく「今はこれからの力を溜めている時期なんだ」と考えてください。[3]
長く治療を続けても「薬が効いていない気がする」「もう治療法が残っていないのでは」と感じることもあるでしょう。うつ病の治療は日々進歩しています。
薬やカウンセリングだけでなく、近年はrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)という新しい治療法も広がっています。
うつ病の症状がやわらがずに悩んでいるなら、rTMSをひとつの選択肢として考えてください。
治療を続けてもつらいときの新しい選択肢
rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)とは、頭に磁気の刺激をあてて、脳の特定の部位の働きをととのえる治療法です。[4]
薬を使わずに行えて、副作用が比較的少ないとされています。
rTMSは、うつ病の中でもとくに「薬が効きにくいタイプ」の方に対して行われます。
もし「薬だけではうまくいかなかった」「副作用がつらかった」「他の方法を探してみたい」と感じているなら、新しい選択肢となる治療法です。
ただ、rTMSは、すべての人に合う治療ではありません。
治療について気になることがあれば、通っている病院でまずは相談してみましょう。
rTMSについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

おおかみこころのクリニックにもお気軽にご相談ください
まとめ|「人生めちゃくちゃ」だと感じても
うつ病で「人生めちゃくちゃ」と感じても、それはこころが疲れているサインです。
今はムリをせず、立ち止まって休むことが大切です。
治療を続けてもつらいときは、rTMSのような新しい方法を知ることで希望が見えてくることもあるでしょう。
人生は何度でもやり直せます。焦らず、あなたのペースで進んでいきましょう。
おおかみこころのクリニックでは、オンライン診療やrTMSも行っています。
「どんな治療か話を聞いてみたい」と思ったら、お気軽にお問い合わせください。
24時間予約受付中
おおかみこころのクリニック
【参考文献】
[1]産業保健におけるうつ病とセルフケア|山岡 由実
https://www.jstage.jst.go.jp/article/passct/3/0/3_47/_pdf?utm_source=chatgpt.com
[2]うつ病|こころの情報サイト
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=9D2BdBaF8nGgVLbL
[3]うつ病の認知療法・認知行動療法(患者さんのための資料)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf
[4]日本精神神経学会 反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針 令和6年4月(改訂)ver2|公益社団法人 日本精神神経学会 ECT・rTMS 等検討委員会rTMS 適正使用指針作成ワーキンググループhttps://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/Guidelines_for_appropriate_use_of_rTMS_202404ver2.pdf