うつ病がつらくて「助けてほしい」とこころの中で叫んでいませんか?
うつ病や気分の落ち込みは、誰にでも起こりうるこころの不調です。
「助けてほしい」とつらいときは、ひとりで抱え込まず専門家や信頼できる人に相談することが回復への第一歩となります。
この記事では、助けてほしいときの緊急相談先や、つらい気持ちをやわらげるセルフケアの方法など実践的な情報をお伝えします。
あなたのこころの健康を守るための選択肢を一緒に見つけていきましょう。
うつ病で助けてほしいときの緊急相談先
今すぐにでも助けてほしいとき、誰かに話を聞いてほしいときは以下の相談先に連絡してみましょう。
詳しい連絡先や方法を説明します。
電話相談窓口へ連絡する
「すぐにでも誰かに話して落ち着きたい」「家族や友人に頼れない」というときは以下の電話相談窓口を利用してください。
- いのちの電話
- いのちの電話 0120-783-556
毎日16:00~21:00 毎月10日は8:00~翌朝8:00まで。
いのちの電話は、孤独や不安でつらい人の相談ダイヤルです。
フリーダイヤル以外に都道府県別の電話番号もあるため、公式サイトにて確認できます。
- よりそいホットライン
- よりそいホットライン 0120-249-338
24時間対応。
専門の相談員が、つらくて助けてほしい気持ちを聴いてくれる電話相談窓口です。
電話での相談が難しいときは、FAXやチャット形式で相談できるサービスも利用できます。
- こころの耳
- 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳 0120-565-455
平日(月曜日~金曜日) 17:00~22:00
土曜日・日曜日 10:00~16:00
(祝日、振替休日、年末年始(12月29日~1月3日)を除く)
こころの耳では、全国の働く方やその家族、企業の人事労務担当者からの相談を受け付けています。
こころの耳はSNS相談も可能です。直接話すのが苦手、周りに人がいるなど電話で相談することが難しいときはSNSやメール相談を利用してください。

気になるところに相談してみましょう
専門の相談窓口に相談する
直接話を聞いてもらいたいときは、医療機関や地域の相談窓口へ行きましょう。[1]
- 医療機関(精神科・心療内科)
- 地域の相談窓口(保健所・保健センター・精神保健福祉センター)
すでに受診している医療機関があるなら「助けてほしい。話を聞いてもらいたい」とあなたの素直な気持ちを伝えて治療方針を相談してください。
医療機関を受診したことがなければ、通院できる病院を探しましょう。
まずは、予約の連絡をして病院に行くときに何が必要かたずねてください。
また「1週間前からよく眠れず食欲もなく、とてもつらいので助けてほしい。」のように、いつ頃からどのような症状があるのかを伝えてみましょう。
どこを受診すればよいかわからないときや利用できる制度について知りたいときは保健所、保険センター、健康保険福祉センターが相談にのってくれます。
各地域の窓口は厚生労働省のサイトから検索できます。
医療機関や相談窓口にいる専門家はあなたの味方です。
ムリにうまく説明しようとがんばらなくても大丈夫です。今のつらい気持ちを素直に伝えてください。
友人や家族に話を聞いてもらう
信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうとこころがスッキリします。
「最近、少し気分が沈んでいてつらい…」「病院に行こうか迷っているんだけど…」など、具体的に今の気持ちを伝えましょう。
電話やメール、LINEなど、あなたに合った方法で連絡してください。
また、友人や家族と一緒に外食へ出かけたり、映画やカラオケなど娯楽施設へ出かけたりするのも気分転換になります。
うつ病で助けてほしいときに今すぐできるセルフケア
つらくて助けてほしいときは、以下のようなセルフケアを試してみましょう。
それぞれ解説します。
深呼吸をする
不安や緊張が増すと、呼吸が浅くなり心臓がドキドキします。
5~10分かけてゆっくりと深呼吸をくりかえしましょう。
ゆっくりと口から「1、2、3…」と頭の中で数えながら息を吐き出し、吐き出せたら同じように3秒数えながら鼻から息を吸い込みます。[2]
呼吸に集中することで、つらい思考から一時的に離れる効果もあります。
また、呼吸をととのえながら10~20分ほど瞑想するのも、こころを落ち着かせるためのひとつの方法です。
集中できる環境で軽く目を閉じ、浮かんでくるイメージや考えをありのままに受け入れながら気持ちを落ち着かせてください。[3]
気分転換をする
気分転換になるよう、五感に働きかける行動を試してみましょう。
- アロマを炊く
- 好きな音楽を聴く
- あたたかい飲み物を飲む
- 散歩やジョギングへ出かける
- 窓を開けて空気を入れ替える
五感を刺激することで「今、ここ」で感じられる心地よさに意識を向けると、つらい思考のループから抜け出すきっかけになります。
ムリのない範囲であなたが心地よいと感じることを選んでみてください。

こんな気分かな?と思うのもから試してください
つらい気持ちを吐き出す
ひとりで抱え込まず、つらい気持ちを言葉にして吐き出しましょう。
「つらい」「だれか助けてほしい」と、思ったままを声に出してみたり、紙に今の気持ちを殴り書きしたりするだけでも大丈夫です。
しずかな環境で、頭の中に浮かんだことを紙に書き出してください。
ゆっくりと気持ちに向き合いながら日記を書くことも、こころが落ち着きます。
言葉にすることで感情が整理され、気持ちが楽になるのです。
ほかにもうつ病でつらいときの過ごし方をこちらの記事で紹介しています。
「助けてほしい」つらい気持ちが続くうつ病の治し方
うつ病の治療には、以下の3つの方法があります。[4]
具体的にひとつずつ説明します。
薬を処方どおりに飲む
薬は決められた量や回数を守って処方どおりに飲むようにしましょう。
抗うつ薬は効果が現れるまでには、個人差がありますが2週間ほどかかると言われています。[4]
すぐに効果が出ないからと、自己判断で薬を飲むのをやめたり量を増やしたり減らしたり避けてください。
主治医の指示に従って、一定期間継続することが症状がやわらぐために大切です。
薬の量や副作用について不安があれば「なかなか効果を感じられなくて不安です」「ほかの薬は試せるでしょうか?」のように、主治医に相談しましょう。
焦らずにゆっくりと休む
うつ症状が回復するには個人差があります。
「いつ治るのだろう」「早く仕事に復帰しないと」と焦らずにゆっくりと休んでください。
うつ病にかかる人はまじめで几帳面な方が多いため、長期間休むことに罪悪感を抱きがちです。[3]
「早く治して復帰したい」という思いは、同時にプレッシャーにもなります。
「急がば回れ」と言うように、睡眠や適度な運動、バランスのよい食事をこころがけながら焦らずに少しずつできることを増やしていきましょう。
精神療法やカウンセリングを受ける
うつ病の治療法として、精神療法やカウンセリングがあります。
うつ病はストレスをためやすい性格や、社会的な要因が複雑に絡み合って発症します。[3]
精神療法やカウンセリングは、うつ病になった原因や背景を探り、こころの専門家と一緒にあなたの考え方や行動パターンを見直していくものです。[4]
精神療法には、「認知行動療法」「森田療法」「内観療法」などがあるため、あなたに合った治療法を主治医と共に探していきましょう。
うつの新しい治療|rTMS療法
うつの新しい治療としてrTMS療法があります。
rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)は磁気の力で脳を外から刺激し、こころの不調をやわらげる治療法です。
成人している、抗うつ薬を一定期間使用しても効果が出ない中等症以上のうつ病の方が対象となります。[5]
気になるなと思ったら、主治医に「rTMS療法というものを聞いたのですが適応になるでしょうか?」「薬以外の治療方法を検討したいのですが…」と相談してみてください。
rTMSについて詳しくは下記の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
まとめ|「助けてほしい」ときはSOSを出してこころを落ち着かせよう
「助けてほしい」というつらい気持ちは、ひとりで抱え込まず専門家や周りの人を頼りましょう。
身近な人に相談するのが難しいときは、遠慮なく「よりそいホットライン」や「いのちの電話」など専門の相談窓口を利用することも大切です。
また、助けてほしいほどつらいときは、こころを落ち着かせるために、温かい飲み物を飲んだり好きな音楽を聴いたり、心地よいと感じるセルフケアを試してみてください。
うつ病の治療は焦らずに休養し、処方どおりに薬を飲み精神療法やカウンセリングを併用しましょう。
ただし、つらい状況が続くときはrTMS療法を試してみるのもひとつの選択肢です。
rTMS療法があなたに合っているのかや、どのような治療法なのか知りたいときは、おおかみこころのクリニックにご相談ください。
つらい気持ちを乗り越えてこころ穏やかな日々を過ごせるよう、一歩ずつできることからはじめましょう。
24時間予約受付中
おおかみこころのクリニック
[1]困ったときの相談先|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/window/window_01.html
[2]腹式呼吸をくりかえす|こころもメンテしよう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html
[3]坪井康次監修 患者のための最新医学 改訂版 うつ病
[4]うつ病の治療と予後|こころの耳 厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad003
[5]日本精神神経学会 反復経頭蓋磁気刺激装置適正使用指針 令和6年4月(改訂)ver2|公益社団法人 日本精神神経学会 ECT・rTMS 等検討委員会rTMS 適正使用指針作成ワーキンググループhttps://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/Guidelines_for_appropriate_use_of_rTMS_202404ver2.pdf
- この記事の執筆者
- すみこ
作業療法士歴13年の経験を活かし、医療記事を中心に活動するWebライター。 読者の皆様のこころと身体の健康をサポートし、前向きな気持ちになれる文章を心がけています。